☆・・・酔っ払って、疲れているので、再掲でお茶を濁します^^
◇
[つれづれ日記? 親知らず/歯科(はか)/ハカ(破瓜)](2006/12/09)
▼・・・他の歯を「将棋倒し」するかのよう生えた親知らずのレントゲン写真が、目の前に示された。
「これが、ね。虫歯にもなってしまっているので、これを抜きます」
と、いつも治療して貰っている先生ではない、この歯科が週一で呼んでいる口腔外科の先生が言った。
この先生・・・、声は優しく気軽さを装っているのだが、目が笑っていない。
治療用の手袋を手にはめる動きも気合を入れているかのようだ。
私は、「うへっ」と思った。
・・・でも、と、気を取り直した。「もう、俺もいい大人なんだから、これくらい耐えなくちゃ・・・」
思えば、私は、世の中の一番嫌いなものに、必ず「歯医者」を挙げていた。
SMにやや造詣の深い私は、「歯医者責め」こそが、最強の「プレイ」なのではないかと常に考えていた。
しかし、近年の医療技術の進歩に伴い、その治療には何ら苦痛が無くなり、私は、歯医者への恐怖感がなくなりつつあった。
だが、「親知らず」は別である。
私は、恐怖感でいっぱいだったが、「ヘビににらまれたカエル」と言うか、「まな板の上の鯉」と言うか、もうそんな表現はどうでも良くて^^; 先生を信じて、シートにもたれるしかなかった。
先ずは麻酔。
しかし、麻酔をしてから治療に入るまでの時間が、いつもの先生より短いような・・・。
ジュバッ!
親知らずの周囲の歯茎を切る。
麻酔が効いているので、切られた感覚など無いのだが、先生がいちいち説明してくれるので、想像力豊かな思春期を引きずっている私の頭の中では、凄まじい想像が広がる。
続いて、他の歯を圧している接触面を削る。
これが痛かった。
実際はチョイ痛に過ぎないのだが、その「チョイ痛」の後に来るだろう「大痛」を想像してしまい、怖くて痛いのである^^;
そして、削った親知らずの隙間に、恐らくマイナスドライバーのようなものを突っ込み、てこの応用で破砕を試みる。
てこの起点になるのは、私のあご。
痛いのである。あごがガクガクと翻弄された。
「変な音が鳴りますが、気にしないでね」
【き、気にするよ!!!】
ゴゴッ・・・・・・。
「接触面」が砕けたようだ。
これで、一つの峠を超えた。
続いて、ペンチ風の出番だ。
「抜く瞬間は、やや痛いかもしれませんからね〜」
【だから、言うなって!!!】
取りやすくなった親知らずをガッチリとつまみ、引っ張る。
私の頭の周囲を右に左に移動し、引っ張り続ける。
あごがガックンガックンした。
引っ張るたびに、先生は、
「よっこらせ」とか「よっこらしょ」とか、こっちの気分を和らげようと言うのだが、明らかにそのセリフには、テンパった調子が感じられるのだ。
しかし、私の洞察だと、この先生の「焦り」具合は、私にだけ特別ではなく、この先生の性格なのだということは理解できたので、その点での怖さは無かった。
「よっこらせ、ふ〜^^;」
「よっこいしょ^^;」
先生は、私の周囲を数往復すると、
「もう抜けましたからね〜^^」と言った。
私は安堵し、どっと脱力感が起こった。
安心のあまり、涙が目じりに浮かんだ^^;
見せられた親知らずは、形の悪い大豆みたいだった。
口腔外科の先生が言った。
「根が二股になっています。女性の足みたいですね^^」
(「つまらん、お前の言うことはつまらん!」 by大滝 秀治)
縫合を終えて、歯科医を後にする。
疲労と脱力感でいっぱいだった。
世界が、やや感傷的な色合いを持って見渡せた。
いつかは通らねばならぬならぬ道であった。
脱力感と、わずかに残る鈍痛・・・。
「ああ、俺は、大人になった・・・」
目の前を女子高生が通っていく・・・。
習慣とは恐ろしい^^; 抜歯で疲労しているのに、それを目で追う自分がいた。
女子高生の歩き方が、ややぎこちなく思えた。
脱力感と、わずかな鈍痛が、彼女を襲っているかもしれない。
「ああ、私は、大人になった」
と、その娘は思っているかもしれない。
私は、処女喪失の破瓜の痛みを、親知らずを抜いた経験に重ね合わせてみるのだった・・・。
・・・いや、今日から、このブログ、「対・日教組」体制に入ろうと思っていたのですが、下あごの親知らず抜いたら、もう駄目、今日はパワーがなくなってしまった。
▼・・・と、五時間後、私は消毒のために、同歯科を訪れた。
すると、そこには、想像を絶する世界が広がっていた。
少女が泣き叫んでいた。
【少女は、横倒しにされた治療シートに、
ネットでグルグル巻きにされて、治療を受けていた】
私は唖然とした。
親知らず抜歯の経験に勝るとも劣らない《ビジュアル・ショック》であった。
(2006/12/09)
◇
・・・以上です^^
なかなかよく書けた文章でござんす^^v
(2013/01/16)
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[つれづれ日記? 親知らず/歯科(はか)/ハカ(破瓜)](2006/12/09)
▼・・・他の歯を「将棋倒し」するかのよう生えた親知らずのレントゲン写真が、目の前に示された。
「これが、ね。虫歯にもなってしまっているので、これを抜きます」
と、いつも治療して貰っている先生ではない、この歯科が週一で呼んでいる口腔外科の先生が言った。
この先生・・・、声は優しく気軽さを装っているのだが、目が笑っていない。
治療用の手袋を手にはめる動きも気合を入れているかのようだ。
私は、「うへっ」と思った。
・・・でも、と、気を取り直した。「もう、俺もいい大人なんだから、これくらい耐えなくちゃ・・・」
思えば、私は、世の中の一番嫌いなものに、必ず「歯医者」を挙げていた。
SMにやや造詣の深い私は、「歯医者責め」こそが、最強の「プレイ」なのではないかと常に考えていた。
しかし、近年の医療技術の進歩に伴い、その治療には何ら苦痛が無くなり、私は、歯医者への恐怖感がなくなりつつあった。
だが、「親知らず」は別である。
私は、恐怖感でいっぱいだったが、「ヘビににらまれたカエル」と言うか、「まな板の上の鯉」と言うか、もうそんな表現はどうでも良くて^^; 先生を信じて、シートにもたれるしかなかった。
先ずは麻酔。
しかし、麻酔をしてから治療に入るまでの時間が、いつもの先生より短いような・・・。
ジュバッ!
親知らずの周囲の歯茎を切る。
麻酔が効いているので、切られた感覚など無いのだが、先生がいちいち説明してくれるので、想像力豊かな思春期を引きずっている私の頭の中では、凄まじい想像が広がる。
続いて、他の歯を圧している接触面を削る。
これが痛かった。
実際はチョイ痛に過ぎないのだが、その「チョイ痛」の後に来るだろう「大痛」を想像してしまい、怖くて痛いのである^^;
そして、削った親知らずの隙間に、恐らくマイナスドライバーのようなものを突っ込み、てこの応用で破砕を試みる。
てこの起点になるのは、私のあご。
痛いのである。あごがガクガクと翻弄された。
「変な音が鳴りますが、気にしないでね」
【き、気にするよ!!!】
ゴゴッ・・・・・・。
「接触面」が砕けたようだ。
これで、一つの峠を超えた。
続いて、ペンチ風の出番だ。
「抜く瞬間は、やや痛いかもしれませんからね〜」
【だから、言うなって!!!】
取りやすくなった親知らずをガッチリとつまみ、引っ張る。
私の頭の周囲を右に左に移動し、引っ張り続ける。
あごがガックンガックンした。
引っ張るたびに、先生は、
「よっこらせ」とか「よっこらしょ」とか、こっちの気分を和らげようと言うのだが、明らかにそのセリフには、テンパった調子が感じられるのだ。
しかし、私の洞察だと、この先生の「焦り」具合は、私にだけ特別ではなく、この先生の性格なのだということは理解できたので、その点での怖さは無かった。
「よっこらせ、ふ〜^^;」
「よっこいしょ^^;」
先生は、私の周囲を数往復すると、
「もう抜けましたからね〜^^」と言った。
私は安堵し、どっと脱力感が起こった。
安心のあまり、涙が目じりに浮かんだ^^;
見せられた親知らずは、形の悪い大豆みたいだった。
口腔外科の先生が言った。
「根が二股になっています。女性の足みたいですね^^」
(「つまらん、お前の言うことはつまらん!」 by大滝 秀治)
縫合を終えて、歯科医を後にする。
疲労と脱力感でいっぱいだった。
世界が、やや感傷的な色合いを持って見渡せた。
いつかは通らねばならぬならぬ道であった。
脱力感と、わずかに残る鈍痛・・・。
「ああ、俺は、大人になった・・・」
目の前を女子高生が通っていく・・・。
習慣とは恐ろしい^^; 抜歯で疲労しているのに、それを目で追う自分がいた。
女子高生の歩き方が、ややぎこちなく思えた。
脱力感と、わずかな鈍痛が、彼女を襲っているかもしれない。
「ああ、私は、大人になった」
と、その娘は思っているかもしれない。
私は、処女喪失の破瓜の痛みを、親知らずを抜いた経験に重ね合わせてみるのだった・・・。
・・・いや、今日から、このブログ、「対・日教組」体制に入ろうと思っていたのですが、下あごの親知らず抜いたら、もう駄目、今日はパワーがなくなってしまった。
▼・・・と、五時間後、私は消毒のために、同歯科を訪れた。
すると、そこには、想像を絶する世界が広がっていた。
少女が泣き叫んでいた。
【少女は、横倒しにされた治療シートに、
ネットでグルグル巻きにされて、治療を受けていた】
私は唖然とした。
親知らず抜歯の経験に勝るとも劣らない《ビジュアル・ショック》であった。
(2006/12/09)
◇
・・・以上です^^
なかなかよく書けた文章でござんす^^v
(2013/01/16)