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Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
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[三遊亭鬼丸独演会に行く]

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☆・・・本日は、数年前に死んだ母方の祖父の法事で、会社を休んだのだが、その財産分与の話で、親族会議が長々と紛糾するのが分かっていたので、

 母親と途中で抜け出して、埼玉スーパーアリーナの<TOIRO>イベントコーナーで行われた「三遊亭鬼丸独演会」に行ってきた。

 鬼丸師匠は、FM<NACK5>の午後の帯番組「GOGOMONZ」をいつも楽しみに聞かせてもらっていて、私の投稿もたまに読まれており、非常に親しみがあり、その生の高座を鑑賞させてもらうのを念願していた。

 
     始まる前・・・。この後、会場は満員になる。

 先ずは、「前座」と言っていいのでしょうか・・・? 鬼丸師匠の弟弟子(の表現でいいのか?)三遊亭歌扇さんが、『金明竹』を披露してくれました。

 かなり入り組んだ話で、一気にまくし立てる長台詞もありまして、かなり楽しめたのですが、

 あまり不満めいたことを言いたくなかったのですが、言わせてもらえば、

 メイン四人の登場人物の個性の際立たせがなかったので、いまいちメリハリに欠けました。

 バカはバカ、厳しい旦那は厳しく、おかみさんは困惑し、上方男は長口上(これについては、歌扇さん見事!)と、それぞれの持ち味を一転豪華主義に突き詰めてユーモラスに演じなくちゃならなかったような気がするのです。

 特に、歌扇さん、バカの演技がいまいちだった(なかなかの男前だからか?^^;)。

 それは、後に控えていた、本日のメインの鬼丸師匠の語りとの対比で如実に分かりました。

 鬼丸師匠の噺は三つ。

     ・目薬(クリック!)
     ・紙入れ(クリック!)
     ・親子酒(クリック! 鬼丸師匠の真打昇進前「きん歌」名義の語り口^^)

 鬼丸師匠は、酔っ払いは酔っ払い、奥さんは色気ムンムン、別の奥さんは威勢よくも従順、出入りの新吉さんは気弱で断れず、亭主は江戸っ子で、別の旦那は無頓着、更に別の旦那には禁酒の禁断症状が出ていて、おばあちゃんは常識的だが押しに弱く、息子は最終的には押しに弱い・・・。

 それらの演じ分けが見事にうまいし、その演技が全て笑わせる仕様になっていた。

 オチに向かっての段階を追っているのではない。

 そのプロセス自体が面白いのだ。

 ・・・私は、総合的な判断で考えて、今回の「鬼丸独演会」ほど、「これまでの人生の中で笑えた対象は存在し得ないッ!」と断言できるほど、2時間、ずっと大笑いさせられ続けた。

 さて、鬼丸師匠が登場し、その生の姿を見るのは初めてだったのだが、全く違和感がないのが、まず、嬉しかった^^

 最初は、スーパーアリーナの大ホールに韓流アイドル目当てに大挙として押し寄せているオバちゃんファンについてや、自分の「鬼丸」名の由来や「GOGOMONZ」のエピソードで場をほぐしていった。

 この会場にも、有名なリスナーがいっぱい来ているのかな?^^

 観客は、最初は、その馴染める鬼丸パーソナリティーに対して笑顔なのだが、次第に、その語りの内容で笑っていく。

 ネタではなく、いわゆるフリートーク(漫談)なのだが、

 それは、落語家としての語りのノウハウに裏打ちされての、若手としての現代性・時代を抉る鋭さの感性に彩られているので、面白い面白い。

 また、状況を伝える身振り手振り、顔つき目つきの演技も絶妙なので、もう、鬼丸師匠が「面白いだろゥ?」「面白いんだぜェ?(「ワイルドだぜぇ」の発音で)」と考えていることが十全にこちらに届いてくる。

 隣りの母親もゲラゲラ笑っていた。

 以前、鬼丸師匠がラジオで、困った客の話をしていたんだけど、うちの母親は、あまりにも笑いテンションがあがって、鬼丸師匠が嫌がっていた「こちらに会話してくる客」と化していました。

 「あはは、面白い人ねぇ!」とか「うまいこと言うわぁ」とか「そうそう、そうなんだよねェ」とか・・・^^;

 私は、座席の近くにラジオの投稿リスナーがいたら、ラジオに報告されそうで恥ずかしくて恥ずかしくて^^;

 フリートークの後に二席語り、中入りとなった。

 私は、これだけ笑わせられて、もう、手元に「鬼丸」グッズが欲しくって、手ぬぐいを購入した。

 すると、歌扇さんが、「NACK5・GOGOMONZ」ステッカーもくれた^^

 あれ程欲しかったステッカーが、鬼丸師匠のサイン入りで簡単に手に入ってしまった^^(番組で頂いたステッカーはまだ届いていない^^)

     

 そして、トイレを済まして会場に戻ると、グッズコーナーでは、鬼丸師匠がサインをしまくっていた。

 私は恥ずかしがりやなので、遠目に見るのみだった^^;

 さて、後半では、太神楽の翁家和助さんの素晴らしい曲芸の数々を見れて感心しきりだった。

 独演会と言いつつも、ヴァラエティ豊かな構成感動。

 芸の途中で、和助さんが、「今、お客さんが『これは凄い」と言いましたが、では、これまでのは凄くなかったんでしょうか^^;」と言って笑いを取っていた。

 すると、我が母親が、次の和助さんの芸がはじまったとき、ドヤ顔で舞台に向かって言ってくれましたよ。

     「これも、凄い^^」

 ・・・、・・・お母さん、もう喋るな・・・^^;

 さて、鬼丸師匠再登場で、最後の噺「親子酒」に至る枕として、酔っ払いの話をしてくれました。

 これがもう、「神懸り」っちゅうくらいに面白かった!

 笑い疲れるくらい笑った。

 私も大概、面白い話を、このブログで披露しているつもりだけど(例えば、[ここ数年で一番にショックな出来事](クリック!)この話は落語的なスピリッツがあると思う)、

 しかし、鬼丸師匠の噺を聞いていると、「君の「面白さ」は、あと200倍くらい煮詰めなくちゃ、俺の「面白さ」にゃ到達できんぞ」と言われているような、希薄さと低さにあると思い知らされる。

 あまりにも「総合芸術的」面白さなので、ここで、その面白さを文字に起こせない^^;

 で、フリートークで受けると、肝心の落語が見劣りすると思われようが、

 この方の場合は、それがない。

 普遍的な面白さを持つ古典に、笑うに効果的なレトリックを配し(原典や、過去の噺家のものと比べたりすると、その緻密(感性なんだろうけど)な改変は歴然)、独特な演技が駆使され、爆発的な面白さに繋がっている。

 あまりにも笑い過ぎて、私はホッペの筋肉が疲労してしまったよ^^

 チャンスがあれば、これからも何度でも観に行きたい^^v



                                              (2012/07/14)

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