☆『スクリーンで観る高座・シネマ落語「落語研究会 昭和の名人・四」』を観てきました。
いやはや、楽しかった^^
今回は、東西の4人の名人の、時空を超えた共演だ^^
六代目笑福亭松鶴 『高津の富』(西)
五代目柳家小さん 『試し酒』 (東)
六代目三遊亭圓生 『猫忠』 (東)
五代目桂文枝 『猿後家』 (西)
それぞれが寸評ですみません。
◇
六代目笑福亭松鶴・『高津の富』はモノクロ映像でしたが、画像も音声も明瞭で、
文無しなのに宿屋に長逗留しようと、大ぼら吹きが金持ち風を吹かすのだが、
そこで宿屋の主人に買わされた、なけなしの一分銀をはたいての富くじ(宝くじ)、その結果や如何!? の話。
途中で、富くじの当たり発表の場に集う人々の中の一人の、「富くじが当たったら…」の妄想話が、本筋と同じ尺で語られる。
人物が作中現実と想像・妄想入り乱れて登場するのだが、さすがの松鶴さんの演じ分けの名人芸で、こちらも容易に聞き分けられた。
>>作中現実と想像・妄想入り乱れ
これって、落語の、まさに「センス・オブ・ワンダー」ですね^^
五代目柳家小さん・『試し酒』は、序盤こそ、抑え目に始まるのだが、
本筋の、大酒飲みの男が、五升の酒を一度に飲み干すと言う勝負を金持ちに持ちかけられ、その粗野な男が登場してきてから、
小さん氏の、こちらもグイグイと酒をかっ喰らっている様な気分にさせられるような、惚れ惚れする凄まじい芸に圧倒された。
オチは、何故か昔どこかで聞いたかして知っていたのだが、そんなことは関係なく、全編、「人間国宝」の力を思い知らされた。
私は、小さん氏などは、子供の頃に見た味噌汁のCMでしか知らんかった^^;
六代目三遊亭圓生・『猫忠』は、話の展開が読めなくて、前半から、話が転がっていく様を楽しんだ。
師匠の女性が、別の所帯を持つ男と、昼日中からイチャついている姿を見てしまい、唄を習っていた2人の弟子たちが、その不倫する男の奥方に御注進に行くという出だし、
二人の男が、はばかりながらも、奥さんに旦那の浮気を不器用にもさりげなく伝える様に代表される「入り組んだ話をうまく運ぶ落語の真骨頂」を楽しんだ。
で、その後、話は不条理SF的な展開を経て、怪談に帰結する。
そんな変わった展開を、江戸の庶民のリアルなリアクションで楽しめるってんだからたまらない。
五代目桂文枝・『猿後家』。
私、他の噺家(名前は忘れた。三遊亭鬼丸師匠かな^^)で、この『猿後家』を聴いたことあるので、その違いを楽しんだ。
前回、この話を聴いたときは、もっと短かった記憶があるのだが、今回は長編で、文枝さんの語り口を楽しんだ。
猿顔の富豪の後家さんの前では「猿」は禁句で、多くの出入りの者が、その言葉を使わずに、うまく取り入ろうと必死になる。
私は、中小企業の社員であった頃を思い出させられた。
なんかの拍子に、奇矯なワンマン社長の機嫌を損ねたら、スムーズにいく案件が崩壊するので、もの凄く気を使わされたものだ。
◇
・・・う〜ん、シリーズの「五」もあるのかなぁ。
あんまし客入りも良くなさそうだし、あっても、近くの映画館ではやらなさそうで心配^^
素晴らしい芸を見られるのになぁ^^
(2012/07/12)
いやはや、楽しかった^^
今回は、東西の4人の名人の、時空を超えた共演だ^^
六代目笑福亭松鶴 『高津の富』(西)
五代目柳家小さん 『試し酒』 (東)
六代目三遊亭圓生 『猫忠』 (東)
五代目桂文枝 『猿後家』 (西)
それぞれが寸評ですみません。
◇
六代目笑福亭松鶴・『高津の富』はモノクロ映像でしたが、画像も音声も明瞭で、
文無しなのに宿屋に長逗留しようと、大ぼら吹きが金持ち風を吹かすのだが、
そこで宿屋の主人に買わされた、なけなしの一分銀をはたいての富くじ(宝くじ)、その結果や如何!? の話。
途中で、富くじの当たり発表の場に集う人々の中の一人の、「富くじが当たったら…」の妄想話が、本筋と同じ尺で語られる。
人物が作中現実と想像・妄想入り乱れて登場するのだが、さすがの松鶴さんの演じ分けの名人芸で、こちらも容易に聞き分けられた。
>>作中現実と想像・妄想入り乱れ
これって、落語の、まさに「センス・オブ・ワンダー」ですね^^
五代目柳家小さん・『試し酒』は、序盤こそ、抑え目に始まるのだが、
本筋の、大酒飲みの男が、五升の酒を一度に飲み干すと言う勝負を金持ちに持ちかけられ、その粗野な男が登場してきてから、
小さん氏の、こちらもグイグイと酒をかっ喰らっている様な気分にさせられるような、惚れ惚れする凄まじい芸に圧倒された。
オチは、何故か昔どこかで聞いたかして知っていたのだが、そんなことは関係なく、全編、「人間国宝」の力を思い知らされた。
私は、小さん氏などは、子供の頃に見た味噌汁のCMでしか知らんかった^^;
六代目三遊亭圓生・『猫忠』は、話の展開が読めなくて、前半から、話が転がっていく様を楽しんだ。
師匠の女性が、別の所帯を持つ男と、昼日中からイチャついている姿を見てしまい、唄を習っていた2人の弟子たちが、その不倫する男の奥方に御注進に行くという出だし、
二人の男が、はばかりながらも、奥さんに旦那の浮気を不器用にもさりげなく伝える様に代表される「入り組んだ話をうまく運ぶ落語の真骨頂」を楽しんだ。
で、その後、話は不条理SF的な展開を経て、怪談に帰結する。
そんな変わった展開を、江戸の庶民のリアルなリアクションで楽しめるってんだからたまらない。
五代目桂文枝・『猿後家』。
私、他の噺家(名前は忘れた。三遊亭鬼丸師匠かな^^)で、この『猿後家』を聴いたことあるので、その違いを楽しんだ。
前回、この話を聴いたときは、もっと短かった記憶があるのだが、今回は長編で、文枝さんの語り口を楽しんだ。
猿顔の富豪の後家さんの前では「猿」は禁句で、多くの出入りの者が、その言葉を使わずに、うまく取り入ろうと必死になる。
私は、中小企業の社員であった頃を思い出させられた。
なんかの拍子に、奇矯なワンマン社長の機嫌を損ねたら、スムーズにいく案件が崩壊するので、もの凄く気を使わされたものだ。
◇
・・・う〜ん、シリーズの「五」もあるのかなぁ。
あんまし客入りも良くなさそうだし、あっても、近くの映画館ではやらなさそうで心配^^
素晴らしい芸を見られるのになぁ^^
(2012/07/12)