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Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
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[ポロンちゃんに歴史あり(3/さよなら、ポロンちゃん こんにちわ、テリーちゃん)]

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☆今回は、再掲が長いので、みゆさんとの会話は割愛し、みゆさんちの赤ちゃん人形の写真を、オープニングとエンディングに載せておきます^^(詳しい解説は全て次回!)

   
   プチテリーちゃん(妹)とプチテリーちゃん(姉)

   
   ヤフーオークションに出ていたポロンちゃんと同型のテリーちゃん

 なお、再掲の「さよなら、ポロンちゃん」は、最初は訳分からないかも知れませんが、途中から異常な盛り上がり方を示すので、どうか、頑張って読んでください。

   ◇   ◇   ◇   ◇

 以下は、<日本教育再生機構>の旗揚げの式の日に間に合わせて書いた「予告空想小説」です。

 実在の、有名無名な人物達が勝手に動き回ります。

 おちょくられている人物も、まあ、宣伝するので許してください^^

   (背景)

 ・・・「新しい歴史教科書をつくる会」の内紛に伴い、若き言論者は「つくる会」を後にした。

 「妄想家」として名高い私も、ポロンちゃんとともに「つくる会」を去り、新しく創設された「日本教育再生機構」に合流するのだった。

 そして、その「旗揚げ式」の日、会場周辺には「つくる会」の残党が犇めいていた・・・。

   ◇   ◇   ◇

   (2006/07/29)

 私は、思想系のイベントがある時には、「予告編」を書きます。

 その「予告編」は、全く空想の話を書きます。

 必ず、桜子さん(ウェブ上の怪女)と、幼児(キューピーもしくは、ポロンちゃん)が出演します。

 今回、<八木秀次先生とともに日本の教育再生を考える夕べ>に出席するにあたって、下記の如く「予告編」を書きました。

 私は、ノリにノって書いたのですが、閲覧者の反応は皆無でした。

 しかし、一昨日の、そのイベント会場にて、新田均先生から、「最近書いてる小説、うちの嫁さんが喜んでいるよ^^」

 と、評価を頂きました。

首相が靖国参拝してどこが悪い!!新田 均PHP研究所

 では、【新田嫁】推奨!「予告編」GO!! (2006/07/29)

   ◇   ◇

   [予告編 ? <「八木秀次先生とともに日本の教育再生を考える夕べ>」]

▼何かが起こる日は、きまって雨だ!

 湿気の多い大気の中、魑魅魍魎が跋扈する・・・。

   7月27日、都内某所・・・。

 俺らは、都内のとある駅の屋内から、強い雨がアスファルトを打つ屋外へと出て行った。

 傘を忘れたのは失敗だった。俺のアルマーニがズブ濡れだ。

「久しぶりの外出は楽しいでちゅ。カッパを持ってきたのは正解でちゅ^^」

 雨に濡れる俺の横では、赤ちゃん人形ポロンちゃん(2歳)が、機嫌良さげに黄色いカッパを着てトコトコ歩いている。

     

 歩みがのろいので、抱っこしてやる、と言っているのだが、それは固辞するわがまま幼児だ。

 なんで、こんな天気の悪い日に外出しているかと言うと、<日本教育再生機構>の初めての集会が行われるので、こうして、馳せ参じているわけだ。

 ポロンちゃんの参加については既に許可を得ている。

 私が、

「今回の「つくる会内紛」のネット戦線において、私とともに活躍した若鷲さんがいますが、現在、若鷲さん、仕事のほうが正念場でして、忙しいのです。今月末の<つくる会内紛・戦勝パーティー>にも、欠席せざるを得ない状況です。 つきましては、その娘さん・キューピーちゃん・・・」

 と問うと、

 事務局のHさんが、

「どうぞ^^ どうぞ^^ 私にも娘がいて、産経新聞の<朝の詩>によく掲載されるのですよ^^」

 と、許可してくれた。

 本当は、「若鷲さんの娘さん・キューピーちゃん・・・の、可愛がっている赤ちゃん人形ポロンちゃんを連れて行っても良いでしょうか?」と言うつもりだったのだが、Hさんは皆まで言わせなかった。・・・まっ、いいか!^^v

 何で、今回は、キューピーちゃんを連れて行かないかと言うと、「危険」だからである。

     

 今までは、所詮は、「東京支部七人衆」が一人・桜子レベルとの戦いであった。

 しかし、今回は、違った・・・。

 <つくる会・呪い組>
      二大巨頭・カンジ&ノブカツ、
      地獄参謀・スズキwithニュー事務局員
      十傑衆(フクチャン、チューエー、エンコー、
          クリクリクリちゃん、イジリイジリ、バカムスコ・・・)
      七人衆(マッチャン、桜子、アル中流、イシイ、イシイ嫁・・・)
      バカ (テック、フクイ、山崎マチコ、ミワヅラ、セレヴ・・・)
      ゴッド (ジョーイ、田舎のダンディ)

 戦いは熾烈を極めるだろう。ここは、傷ついても、縫えば直る人形のポロンちゃん随伴こそ適切なのである。

 さて、私とポロンちゃんは、集会会場に向かう。

 途中、

「蘭さんですね^^」

 と、話しかけてくる者ありけり。

 ・・・まほきゃすと氏だった^^ ・・・へーっ、イケメンじゃん。

「それがポロンちゃんですか〜、可愛いですねえ^^」

 その言葉に対し、まほきゃすとさんを見上げながら微笑むポロンちゃん。

 まほ氏は、ポロンちゃんの頭を撫でた^^

 続いて、

「蘭氏ですか?」

 と、話しかけてくる者ありけり。

 ・・・Ozeki氏だった^^ ・・・へーっ、イケメンじゃん。

「それがポロンちゃんですか〜、ちっこいですねえ^^」

 その言葉に対し、Ozekiさんを見上げながら微笑むポロンちゃん。

 OZ氏は、ポロンちゃんの頬をムニュ〜ッと摘んだ^^

 四人で歩いていると、

 通りの向こうに、見知った歩行者がいた。

 ・・・北の狼さんだった。

 北の狼さんと目が合う。

「久しぶりです、こんにち・・・」

 と、私は言いかけたのだが、狼さんは、プイッとそっぽを向くと、足早に去って行った・・・。

(ああ、まだ怒っているよ・・・^^;)

 私は思った。

 その時、とあるビルの陰に、一人の人間がいた。

 男は、小汚いトレンチコートを着て、深々とチューリップハットをかぶり、こちらに背を向けていた。

 あたかも、体の調子が悪く、ビルの壁にもたれている様に見えた。

「大変でちゅ! 病人でちゅ!」

 ポロンちゃんは、コートの男の様子を窺おうと、トットコト〜と走り寄って行った。

 その小男より、更に三回り四回りも小さなポロンちゃんが覗き込む・・・。

   !!!

 と同時に、ポロンちゃんは、恐怖で尻餅をつく。

「あわ、あわわ・・・」

 尻餅をついたポロンちゃんは、恐怖を顔に張り付かせて、助けを求める両手が空を切った。

「あ、あわわ・・・」

 ポロンちゃんはハイハイするかのようにこちらに逃げてきた。

「どうした!?」

 俺は聞いた。

「あ、あわわ・・・、の、のぶかつでちゅ。あれは、信勝でちゅ。心がひん曲がっているのが、口もとに表われていて、口もともひん曲がっていますでちゅ!!! 何とも禍々しい雰囲気を感じるでちゅう!!!」

「なんだと・・・」

 俺とまほきゃすとさんとOzekiさんは、臨戦フォーメーションを組んだ。

   ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・。

 緊迫した空気が流れた・・・。

 「信勝」と呼ばれた男の頭部が、ゆっくりとこちらを向いた。

 あたかも、それは、映画『エクソシスト』の首180度回転を見るようであった。

 ポマードで固めた髪形、小さな細工の頭部、ひん曲がった口もと、その口元の両端は、あごまで皺が伸びていて、まさに【腹話術の人形】のようであった。

「自虐史観」の病理 (文春文庫)藤岡 信勝文藝春秋

 信勝は耳に携帯電話をあてていた。

 「腹話術の人形」のような口を上下させていた。

 「うむ、頼むぞ・・・」

 と、呟いているのが聞こえる。

 俺らはピンときた。信勝は配下の者に命じ、<日本の教育再生を考える夕べ>に、まさに、テロを仕掛けようとしていたのだぁぁ!

 電話を切ると、信勝は、

「キエエエエエエエェッ!!!」

 と、奇声を上げ、我々に踊りかかってきた。

 その動きたるや、手足の動きがてんでバラバラで、吊られているマリオネットの人形のようであった。

 (・・・ノブカツを操っているのが、パペットマスター・院政カンジであることは、この時点では分からない・・・)

 いざ、戦いが始まろうとしていた。

 すると、

「ちょっと、まったあああ!」

 戦いに割って入る者ありけり・・・。

 私はげんなりした。

 が、まほきゃすと・Ozeki両氏の目は、やや感激の光を宿していた。

   ・・・・知足(少欲 本名:栗原宏文)さんだった・・・^^;

歴史洗脳を解く!―ネット授業で大学生はどう変わったか栗原 宏文扶桑社

 面長の顔に、蕎麦の様な髪を振り乱していた・・・。

「この戦いは、私が預かろう!!! さあ、若人よ! 会場に急げ! 私は、ノブカツにいささかの因縁があってのお。ノブカツに書評で拙著をほめられて、却って、売れなくなってしまったのだ。拙著たるや、爆発的に売れなければならないはずなのであ〜る!!」

 躊躇する まほきゃすと・Ozeki両氏の手を引き、私は、ポロンちゃんをおぶさると、その場を後にした。

 腐ってもノブカツである。

 知足さんをボコボコにした。

「うぎゃああ、うぎゃああ!」

 去りゆく我々の後方で、知足さんの悲鳴が響いた。

「いいんですか・・・?」

 Ozeki氏が不安げに私に聞いてきた。

「いいんですよ・・・」

 私に頓着なし・・・!

「いいんでちゅよ・・・」

 ポロンちゃんに頓着なし・・・!

 まほ氏は、生・知足を見れて感激していたクセして呟いた。

「そうですよね。知足さんのしぶとさは、桜子さんや山崎行太郎と双璧ですものね・・・」

                                              (多分、続く 2006/07/23)

   ◇

   [予告編 ? <日本の教育再生を考える夕べ>「あっぱれ、知足、大往生!」の巻]

▼全てを洗い流してくれるのが、雨、なのか・・・。

 (前回の終わり)
 腐ってもノブカツである。
 知足さんをボコボコにした。
 「うぎゃああ、うぎゃああ!」
 去りゆく我々の後方で、知足さんの悲鳴が響いた。
 「いいんですか・・・?」
 Ozeki氏が不安げに私に聞いてきた。
 「いいんですよ・・・」
 私に頓着なし・・・!
 「いいんでちゅよ・・・」
 ポロンちゃんに頓着なし・・・!
 まほ氏は、生・知足を見れて感激していたクセして呟いた。
 「そうですよね。知足さんのしぶとさは、桜子さんや山崎行太郎と双璧ですものね・・・」

   (続き・始まり^^)

 私たちは、頼りになる男・知足教授に、その場を託し、そそくさとその場を後にしようとした。

「うぎゃあああああ!!! ほぎゃああああ!!!」

 知足教授の声は、響いていた。

 知足教授の心理状況を察するに(こんなにやられているんだから、そろそろ、お前ら、助太刀せえよ)の気持ちがあっただろう。

 その証拠に、その悲鳴も、「うぎゃあああああ? ほぎゃああああ?」と、こっちの様子を窺うかのように疑問形になっていた。

 でも、私たちは相手にしないで、雨でもあるし、さっさと<日本の教育再生を考える夕べ>の会場に急いだ。

 すると、知足さん、ノブカツにタコ殴りにされながら、

「うぎゃああ! ひぎゃああ! も、もっとおぉぉぉ!!!」

 などと言いはじめ出しやがった。

「うぎゃああ! ひぎゃああ! アッハ〜ン! ウッフ〜ン!」

 男のものとは言え、そんな喘ぎ声を聞くと、SMに造詣が深いと言われる私は、一瞥せざるを得なかった。

 ・・・見る。

 ・・・と、知足教授は、ノブカツが両手に持っている「エスカリボルグ」で小突き回されながらも、我々のほうを見ていた。そして・・・。

「あはは、お前ら! この私を無視して去ろうとしていたらしいが、振り向いたなあ!! わたしの勝ちだァァ!!!」

 ・・・、・・・知足氏、信勝と戦っているのに、いつの間にやら、勝負の構造が私たちとの間に形成されるに至っていたらしい・・・^^;

 まさに、左翼相手にしてたのに、いつの間にやら、同じサイドの者を敵対視する知足氏の面目躍如だ^^;

 私たちは、(騙された・・・)と思い、「もう振り向くまい・・・」と先を急いだ。

 すると、

「うぎゃああああああああああ!!!」

 と、断末魔の叫びが響いた。

 戦いが終わったのだろう。

 私たちは振り向く。

 ノブカツの姿はなかった。

 知足教授が一人、雨の中、仁王立ちしていた・・・。

 知足氏・・・、一発逆転の技でノブカツを撃退したのか・・・!?

 私たちは、知足教授のもとへ走り戻った。

「凄いじゃないですか! あのノブカツを消滅させるなんて^^」

「さすがは、愛媛大学法文学部総合政策学科教授ぅうう^^」

「さっき、『しぶとい』と言いましたが、それは『【いい意味で】しぶとい』と言うことだったんですよ^^」

 我々は、知足氏に歩み寄りながら、口々に賛辞の言葉を送った。

 そして、その顔を見ようとする。

 知足氏の顔を見る・・・。

 口を半開きにして、目は白目を剥いていた。よだれ(と言うか泡)は垂れるままだった・・・。

「あ!」

「ああ!」

「あああ!」

 我々は驚愕した。

 ・・・知足氏は・・・、立ったままで、往生していた。

   ♪今は もう 動かない その時計〜

「う、嘘だろ!? 嘘だと言っておくれよ、知足さ〜ん。あんた、もっともっとしぶとい筈だろ!? ヘビやネズミやゴキブリや雑草や寄生虫や水虫並みにしぶといんじゃなかったのかよおお!!」

 まほきゃすと氏は、知足氏の体に泣きながらすがりついた。

 Ozeki氏は、顔に雨粒を滴らせながら、歯を食いしばって言った。

「と、知足さんに敬礼!!!」

 我々は、雨の中、いつまでも、黙祷を捧げた。

 ・・・と、その知足氏の口が開いた・・・。

「ふがふが・・・、わしを、そう簡単に殺すでない。どうやら、わしの洗脳も解けたかの・・・」

   ・・・生きてやがった!!!

「ぎゃー!!! 生きてやがったぁぁあ!!! 絡まれるぞ、逃げろ〜!!!」

 我々は、蜘蛛の子を散らすように、逃げた。

 しかし、今回の話、ポロンちゃんの姿がない。どこに消えてしまったのか・・・。続く・・・。

                                              (2006/07/25)


   ◇

    [予告編 ?−前編 <教育再生を考える夕べ>「さよなら、ポロンちゃん」の巻]

▼雨は降り続いていた・・・。

 <日本の教育再生を考える夕べ>の会場である中野サンプラザ前に、私とまほ氏とOzeki氏は到着した。

「そう言えば、ポロンちゃんはどこにいったんですか?」とOZ氏。

「ああ・・・、そう言えば、姿が見えないなあ・・・」と、私はまわりを見回す。

 しかし、黄色の小さなカッパの姿はなかった・・・。

 その時・・・、

「先に会場に言ってるでちゅよ〜」

 と、声が響いた。

「ああ、ポロンちゃんの声だ。何か風邪声みたいだったなあ」

「なんか、中年男が無理矢理に女の子の声真似をしているみたいな声でしたね・・・」とまほ氏。

 我々も、会場に入ることとした。

 ・・・指摘されたように、そのポロンちゃんの声と思われるものは、ポロンちゃんの声ではなかった。

 山崎行太郎自慢の能力【ダブハン】の声であった。

 山崎は、「マチコ」の名前で女装しているのだが、まわりの皆には、山崎であることがバレバレなのである。

 でも、山崎自身は、「自分は女の振りが上手だなあ^^」と、一人、悦に浸っているのである。

 その頃、赤ちゃん人形・ポロンちゃんは、イシイ夫婦の「共同製作」した異空間<壁のない密室>に囚われていた。

壁のない密室石井 竜生,井原 まなみ文藝春秋

 そこで、ノブカツの尋問を受けるのだった。

 ノブカツは、こうした、相手を周囲の世界から隔離し(断絶させ)、精神的に追いつめて、自分の有利な情報を得る術を、共産党員の時代より心得ていた。

 しかし、意志の強いポロンちゃんは、ノブカツの「脅迫」を退けるのだった。

「いやでちゅ! 仲間は裏切れないのでちゅ」

 そして、ノブカツと戦う決意をするのだった・・・。

 凶悪なノブカツに対し、ポロンちゃんはよく善戦し、あと一歩でノブカツにとどめを刺せるとこまできていた。しかし・・・。

 その時、上方から、雷が落ちてきた。落雷はポロンちゃんを直撃した。

 落雷を受けながら、ポロンちゃんは、上方に、カンジ(西尾幹ニ)の姿を見た。

国民の歴史西尾 幹二,新しい歴史教科書をつくる会産経新聞ニュースサービス

「そうだったんでちゅか・・・。あたちは、ノブカツとタイマン勝負していたちゅもりでちたけど、ノブカツは、カンジに操られていたのでちゅね・・・。ノブカツとの戦いに夢中になった相手は、カンジの上からの攻撃にやられてちまうのでちゅね・・・」

 そして、倒れるのだった。

 そこへ、ノブカツはとどめの一撃を加えようと、共産主義者特有の酷薄な笑みを浮かべながら近づいてきた。

 手には、園芸用の大ハサミが握られていた。

 それで、ポロンちゃんに「ジョギリ・ショック」を与えるつもりだった。

     

 すると、

「お待ちなさい! もういいじゃありませんか!! もう、この子は、死んでいます。これ以上、死者にムチ打つような真似はやめましょう」

 ・・・桜子だった。

 桜子は、つくる会東京支部七人衆の一人である。七人衆のリーダーはハゲ松(松本謙一)で、そのハゲ松の上にノブカツが君臨している。

しんかんせん あたらしいとっきゅう (のりものスーパー百科)まつもと けんいち,ましま みつひでひかりのくに

 つまり、桜子は、「下克上」の発言を行ったのだった。

 これは、共産社会の中では、由々しき問題であった。

 ノブカツは、タダでさえひん曲がった口もとを、「怒り」で更にひん曲げて、桜子を粛清した。

   ジョギーーーン!!!

 ノブカツの園芸用の大ハサミが閉じた。

 と同時に、そこには、桜子の屍が、ポロンちゃんの体の上に折り重なるように存在するのだった。

 瀕死の桜子はポロンちゃんの体に触れながら、思った。

(ああ・・・、私の人生、愛に恵まれなかった・・・。でも、最期に最愛の者を得た思いだわ・・・。)

 ・・・と、桜子は、ポロンちゃんにまだ息があるのを知った。(ああ、まだ生きてるわ!)

 そして、桜子は、最期の力を振り絞って、ポロンちゃんを抱きかかえると、異空間<壁のない密室>から外の世界へと放り投げるのだった。

 そんな裏切りを、ノブカツが許すはずもなかった。

 ノブカツは桜子にもう一度、大ハサミを向けた。

   ジョギーーーン!!!

 コロン、コロコロコロ・・・。

 さよなら、桜子・・・、そして、ありがとう!!!

 雨の中野駅近く、アスファルトの上にボロ切れのように倒れているポロンちゃん・・・。

 しかし、その「ボロ切れ」が這いずりだした・・・。

「このまま、ちぬ訳にはいかないのでちゅ。ノブカツの秘密を、蘭ちゃんたちに知らせるのでちゅ」

 そして、ずるずると、瀕死の体で、蘭のもとに向かうのだった。

 そのポロンちゃんの姿を見ていたノブカツは言った。

「とどめを刺すとしようかね・・・」

 すると、上方から、カンジが言った。

「所詮は人形だ。ほっておけ。敵がお前(ノブカツ)との戦いに夢中になっている間に、わしが上から攻撃する。その勝利の法則に勝てるものはない・・・。それに見てみろ。あの人形の足はほつれている。中から、綿がこぼれ出しておるわ。息絶えるのも時間の問題だ・・・」

 アスファルトの上を、豪雨に曝されながら、ポロンちゃんは亀の歩みで進んでいた。

「蘭ちゃんの所に行くのでちゅ。日本の未来を、呪い組の手に委ねるわけにはいかないのでちゅ・・・」

 ・・・しかし、その足には傷があり、中から、もろもろと綿がこぼれだしていた。

     

 道路には、滑り止めの赤い舗装が為されている箇所があり、ポロンちゃんは、今まさにそこを這いずっていた。

 赤い地面に白い綿が、雪原の血痕、その「逆写し」のように連なっていた・・・。

 雨が、体の自由が利かなくなりつつあるポロンちゃんの体を苛んだ。

 人形であるが故に、痛覚はない。

 しかし、【心が痛んでいた】。

「こんな、人形のあたちを、一個の人格として認めてくれていた蘭ちゃんのために頑張るのでちゅ」

 ・・・日本人の思惟では、存在する全てのものに「神」が宿るとされている。

 持ち主の愛情によって、ポロンちゃんも、人形としての万能を得ていた。

 動き話すポロンちゃんに、蘭は何も言わなかった。

 それは、別に、自然なことだった・・・。

 ・・・、・・・。

 思えば、ポロンちゃんは、昭和47年に、足立区の小さな工場で製造された。

     

 プラスチック製の頭部は、他の化学工場で作られたものだったが、その小さな工場で、主婦パートによって布地のボディ部をしつらえられ、綿を入れられるのだった。

 第2次ベビーブームで、その赤ちゃん人形は売れ、その小さな工場は潤っていた。

 働いている主婦たちも、明るかった・・・。

 そして、出荷される。

 一番目の持ち主は、男の子だった。

 あまり可愛がってもらえず、その家庭の奥さんのピアノの上で、ちょこんと座らせられる毎日だった・・・。

 体には、徐々に埃が溜まっていった。

 昭和53年・・・。

 ポロンに転機が訪れた。

 一番目の持ち主の従姉妹の三歳の娘が来訪し、ピアノの上のポロンちゃんに目をつけたのだった。

 かくして、ポロンちゃんは、その第二の持ち主となる女の子の家に貰われることとなった・・・。

 第二の持ち主は、ポロンちゃんを可愛がってくれた。

 片時も手放さず、いつも一緒に寝た。

 持ち主は幼児だったので、体が手垢やよだれで汚されもした。

 でも、おおむね、ポロンちゃんは幸福だった・・・^^

 持ち主によって、指にマニキュアを塗られたのもこの頃だった・・・^^;

 続いて、第三の持ち主・蘭ちゃんの話を語らねばなるまい・・・。

                                              (妄想、ここに極まれリ、続く 2006/07/26)

   ◇

   [予告編 ?−中編 <教育再生を考える夕べ>「さよなら、ポロンちゃん」の巻]

▼・・・すいません。

 急いで書いているつもりだったのですが、<考える夕べ>の当日になってしまいました。

 けれど、時間がなくて、念入りに書けないなあ^^;

 早足で終わらせます。

 前回、文章が「私は」の一人称が、いつの間にやら、「蘭は」の三人称に変わっているのは見逃してください^^;

▼・・・ポロンちゃんは、這いずりながら、中野サンプラザ前に辿りつきました。

 ガラス張りのロビーの向こうには、蘭ちゃん・まほ氏・OZ氏、そして、MUTIさんが笑顔和やかに歓談していました。

 ポロンちゃんは、ホッと安心するのでした。

(ああ、まだ、呪い組の魔手は、蘭ちゃんを襲ってなかった・・・)

「蘭ちゃ〜ん、蘭ちゃ〜ん、蘭ちゃ〜ん」

 ポロンちゃんは叫びます。

 でも、ここまで来る間に、ポロンちゃんの体からは綿がすっかりこぼれ落ちていて、その声に力が入らないのでした。

「く、くくっ!」

 ポロンちゃんは悔しがります。

 その頬につたるのは、雨か、汗か、涙、なのか・・・。

 そして、そんなポロンちゃんに更に不幸が襲い掛かります。

 ポロンちゃんの前に、スズキが立ちはだかったのである。

「うへへ、逃しはしねえぜ!」

 スズキは、ポロンちゃんを蹴り上げる。

 綿の抜けたポロンちゃんは、ヒラヒラと宙空を遠くに飛ばされるのだった・・・。

▽・・・ポロンちゃんの第二の持ち主は、ポロンちゃんをとても大事にしてくれた。

 だが、その持ち主の成長に伴い、いつしか、タンスの上の置物にされるようになった。

 そして、第二の持ち主であった娘は成人し、結婚して家を出て行ってしまった。

 時は時代を超え、平成17年・・・。

 第二の持ち主の母親は、ある日、大きなゴミ袋のようなビニール袋に、ポロンちゃんや他の人形を入れると、外に出た。

 ポロンは、自分がゴミとして棄てられるのだろうと思った。

 だが、違った。

 母親は、最近流行の大型コインランドリーにて、全ての人形やぬいぐるみを洗濯しようと考えたのだ。

 そんな母親と会話を始めたのが、蘭ちゃんの母親・蘭婆だった。

「あら、お人形を洗濯なの?」

「そうなのよ。嫁にいった娘の物なんだけど、形あるものだから、捨てるに捨てられなくって・・・。」

「・・・、・・・私の息子が、よくカンボジアに行くんだけど、子どもたちに人形を持っていってあげてるのよ。子どもたち大喜びなんですって^^」

「えっ、なら、この子たち、貰ってくれないかしら^^」

 かくして、蘭婆の手を経て、ポロンちゃんは、蘭の部屋にやってくるのだった。

 初めのうちは、ポロンは袋の中に入れっぱなしであったのだが、ある日、蘭の彼女が、蘭の布団にポロンちゃんを寝かせたのだ。

「か、かわいい^^」と蘭は呟いた。

 その時から、蘭は、ポロンの第三の持ち主、と言うかマブ達になった。

 蘭が出かけるときは、ポロンを椅子に座らせ、夜になると、蘭はポロンを布団の端っこに横たえた。

 そんな風に愛情深く育てられると、ポロンに命が宿るのも時間の問題だった・・・。

 蘭が部屋にいない間に、ポロンちゃんは部屋の中を駆け回って遊んでいた。

 蘭が帰宅して、ドアを開ける直前まではドタドタ遊んでいるのだが、ドアが開くと同時に、コテンと横になり人形に戻る、そんな日々が続いていた。

 ある日、蘭はポロンちゃんに言った。

「おまえ、動けるんだろ? だったら、人形の振りしないで、普通にしてろ」

「・・・えっ!? 驚かないんでちゅか?」

 それ以来、ミッドナイト家では、ポロンちゃんは居候の幼児として可愛がられることになった・・・。

▼・・・スズキに蹴られたポロンちゃんは、ひらひらと飛ばされながら叫んだ。

   「らんぢゃ〜ん・・・!!!」

 しかし、その声は雨音にかき消された。

 そして、ポロンちゃんの身体も、もはや、蘭のもとに辿りつけぬほどの距離に追いやられた。

 そこへ、セレヴがやってきた。

「あら、こんなトコに、こんなに大きなゴミが・・・」

 そして、セレヴは、そのゴミ(ポロン)を拾い上げると、偶然に横の道を通っていたゴミ回収車(パッカー車)の後ろに投げ入れるのだった。

「う〜ん、私ってばホント、模範的なセレヴの奥様ね。ゴミ拾いを嫌がったりせずに、ちゃんと拾うんですもの」

 ・・・セレヴは、直接的にはノブカツ・カンジの手下ではない。

 だが、その表面的には悪くない行為が、よく考えると大層な悪事である、と言うようなことを何度も仕出かし、結果的に、ノブカツ・カンジの手下以上の行為を犯してしまうのだった・・・。

 かくして、ポロンちゃんは、遠い所に運ばれてしまった・・・。

   「らんぢゃ〜ん・・・!」

 中野サンプラザのロビーにいた蘭は、そんなポロンちゃんの叫びを確かに聞いたような気がした・・・。

 まわりを見る。

 外を見る。

 すると、外界は雨がやんでいた。

 そこには雲間から、神々しい日差しが差し込んでいた。

 それは、まさに、天に続く階段のようであった・・・。

 そこに目を凝らすと、天使のようなポロンちゃんが天国に昇っていくのが見えた・・・。

                                              (次回、そして、虹が! 2006/07/27)

   ◇

   [予告編 ?−後編 <教育再生を考える夕べ>「さよなら、ポロンちゃん」の巻]

 <考える夕べ(18:00より)>の前に、この予告編、何としても終わらせる。

▼(前回の終わり)

   「らんぢゃ〜ん・・・!」

 中野サンプラザのロビーにいた蘭は、そんなポロンちゃんの叫びを確かに聞いたような気がした・・・。

 まわりを見る。

 外を見る。

 すると、外界は雨がやんでいた。

 そこには雲間から、神々しい日差しが差し込んでいた。

 それは、まさに、天に続く階段のようであった・・・。

 そこに目を凝らすと、天使のようなポロンちゃんが天国に昇っていくのが見えた・・・。

▼(エピローグの始まり)

 蘭は、そのポロンちゃんの姿を見て、全てを悟った・・・。

 そして、涙が一筋、頬を伝った・・・。

 それを見て、Ozeki氏が言った。

「蘭さん、頬に雨粒が・・・」

「あ、ああ・・・」

 蘭は、頬を拭った。

 MUTIさんが問うた。

「しかし、ポロンちゃん、どこに行っちゃったんでしょうね。久しぶりに会いたいのに・・・」

 蘭は言う。

「会場に先に行ったのでしょう・・・。雨もあがりました。会場には、八木先生がいるはずです。八木先生の口癖に、【子供たちに輝ける虹を見せる】があります。ポロンちゃん、輝ける虹を見に行ったのかもしれません・・・」

 まほ氏が言った。

「そうか! だから、その虹オチのために、この予告編は、雨模様だったんだな^^」

 ・・・この世には、絶対的な法則がある。

 それは、

     【不幸のうちに死んだ子供は、即座に、幸せな家庭の子に生まれ変わる】

 というものだ。

 そして、輪廻というものが、けして、時間軸に沿ったものじゃないと言うことも、ここに語っておく。

 ・・・1993年、カンボジア・・・。

 ポロンちゃんは、とある密林の中の村の大家族の末っ子として生まれ変わっていた。

 すぐ上のお姉ちゃん・ワンニー(3歳)が、生まれ変わった赤ちゃんポロンの世話をしていた。

 ポロンには、前世の記憶がありありと残っていた。

 しかし、それを語ろうとすると、「あ〜」とか「う〜」とか、赤ちゃん語しか話せないのだった。

 最近、二,三の簡単な単語「ママ」「おっぱい」とかは話せるようになったが、その代償として、前世の記憶が薄れているのを如実に感じ、焦るのだった。

 その不安をあらわにしようとすると、泣いてしまうのだ。

 すると、お姉ちゃんが、「お腹が空いたのね^^」とミルクをくれる。

(ちがうでちゅ)とポロンは思うのだが、口に哺乳瓶を押し込まれると、チュウチュウ美味しいでちゅう^^

 ある日、声が聞こえた。

「ふぅ〜、カンボジアは暑いなあ^^; おっ、赤ちゃんがいるぞ!」

 どこかで、聞いた男の声だった。懐かしい、声だった・・・。

 でも、前世の記憶が薄れていて、それが誰なのか分からない。

 男が自分を覗き込む気配があった。

 ポロンは薄目を開けた。

「あはは、まだ、生まれたばっかで、目が開いたばっかだあ」

 それは、蘭であった。

 1993年・・・。

 それは、蘭がはじめて、カンボジアを訪れた年であった。

 ポロンは過去に転生し、若き日の蘭に再会したのだった。

「かわいいなあ。カエルみたいな顔してるよ^^ よし、お人形さんをやろう」

 そして、ハンモックで寝かされているポロンの傍らにぬいぐるみをそっと置くのだった。

 置くときに、その赤ちゃんの頬に触れるのは忘れない^^

 蘭は、そして、去っていった。

 ポロンは、その運命の素晴らしさに、泣いた。

 泣き叫んだ。

 同じく、蘭にお人形さんを貰って大喜びのお姉ちゃんは、泣き叫ぶ赤ちゃんにミルクを持ってきた。

 しかし、今度は、赤ちゃんは容易に泣き止まなかった。

 ポロンの前世の記憶は、今、まさに消えようとしていた。

 新しい、幸せな人生が始まろうとしていた。

 蘭の去った後には、スコールが降った。

 スコールはすぐにやんだ・・・。

 そして、空には、太陽を囲んで真円の「虹」が掛かった・・・。

                                              (終わり〜^^ 2006/07/27)

   ◇   ◇   ◇

 詳しくは次回に書きますが、みゆさんによって、ポロンちゃんの仲間が続々と現われています。

     
       株式会社いわい社製「テリーちゃん」シリーズ

     
       なんて可愛いんだ^^

                                               (続く 2012/07/12)

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