『ファースト・マン』予告編 (2019年)
☆・・・宇宙のように静かなる傑作!
私は、この監督の『ラ・ラ・ランド』にはあんましノレなくて(『セッション』はなかなか)、この作品にも期待してなかった。
が、素晴らしく良かった。
宇宙物は「2001年 宇宙の旅」の呪縛から、作劇的には逃れられず、それを逆手にとった「インターステラー」がアンサーソング的に傑作をものした。
その分野に、チャゼル監督が乗り込む無謀さはあまりあった。
しかし、人工的な監督自らの前作「ラ・ラ・ランド」があり、他監督による宇宙物、近年の先行傑作「インターステラー」らに対し、
チャゼル監督は、アポロ計画で月面に人類の第一歩を刻んだアームストロング船長を主人公に、NASAの宇宙計画を、手持ちカメラの臨場感を駆使し、ドキュメントタッチで描いた。
アームストロング船長の個性も淡々と静かに、そして宇宙も静寂に、だが、それ故にロケット計画の音(サウンド)には最大限のリアルが宿り、観る者の心に突きささる。
(2019/02/08)