☆・・・傑作でした。
私は、このような切れ味良く、「世界」を包括している作品に惹かれる。
超ハイテク化された対テロ戦は、それ故に、一つの作戦行動において、それぞれの担当者が、それぞれ分散した他国に居ながらにしてネットワークで迅速に繋がっている。
だが、そこには厳然として「人間の感情」が宿り、また、感情の帰結としての「責任」も生じる。
ケニアはナイロビの民家では、最重要テロリストが、自爆テロの準備をしている。
小鳥や虫型のドローンのカメラを駆使し、現地人の協力者が作戦対象者を確定してくれる。
千載一遇の、ミサイル掃討のチャンス!
いま、殺らなきゃ、自爆テロで100人単位での犠牲者は避けられない。
だが、その民家の横では、少女がパンを売っていた。
たらい回しにされる作戦決定権。
会議は踊る。
「世界」に開けた密室ミリタリーサスペンスが、緊張感をもって語られている。
(2017/01/22)