☆永井豪は永井豪で、非常に才能があるマンガ家だけど、10年ほど前に、サイケと言うかアバンギャルドな雰囲気が再ブームになった時、「俺が『デビルマン』で描いたことに、やっと時代が追いついた!」とか言ってた時は辟易した。
永井豪が「デビルマン」を描いていた時代は、まさに、社会に、前衛的な一潮流があった時代なのである。
例えば、映画だと『ゴジラ対ヘドラ(1971)』なんかに顕著だ。
『デビルマン』のマンガ発表は、1972年である。
時代の風潮を反映した(真似た)『ゴジラ対ヘドラ』にさえ、先を越されている・・・。
永井豪…、当時の風潮を活写した作風を、自分のオリジナルの芸術風潮だと信じ込み、、自分はおろか、社会までをも謀ったわけだ・・・^^;
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さて、小林よしのりである。
私は、繰り返し、「やつの主張は、その場その場の感情優先、結論ありきの理屈後追いなので、常に時代に裏切られる」と言っている。
それに対抗するように、この秋、バカは「言い訳本」を書いているようだ。
昨日のブログでこう書いていた。
《・・・気分のいいわし 08/21
(略)…またしても、なかなか斬新な見せ方でコンテが上げられそうだ。
(略)…自分の天才性が発揮された一日は気分がいい。
しかも現実の方も、朝日新聞の慰安婦問題の訂正記事といい、
イラク戦争の延長戦といい、わしの執筆に都合のいいように事件が進行している。
わしの執筆中の本のために世界が回っているような感覚を覚えて、不謹慎だが笑ってしまう。
朝日新聞には感謝している。
朝日新聞を廃刊にせよと、自称保守が言ってるらしいが、わしが守ってやるよ。
頭数のクズどもは天才一人の前にひざまずくしかねえのさ・・・》
まあ、次回の本は、今までの自分の主張が正しかったのだと我田引水している内容らしい。
自分の都合のいいように、死者はおろか生きている者の霊まで呼び寄せて、自分の都合のいいように語らせる大川隆法みたいなものだ・・・^^;
私は10年ほど前、既に見限っていた小林よしのりを評し、「従軍慰安婦についての言説においては、それまでの研究家の主張をマンガで分かりやすくまとめた功績はある」と書いている。
つまり、小林よしのりは、何年も前から語られていた、当時の「いわゆる<従軍慰安婦>ねつ造論」をまとめただけなのである。
故に、あたかも、小林自身が「従軍慰安婦」ねつ造論のパイオニアではないのである。
「2ちゃんねる まとめサイト」をマンガでやっただけである(それでもなかなか凄いことなのだが)。
だが、『・・・わしの執筆に都合のいいように事件が進行している・・・』と喜べる類の筋合いにない。
イラク戦争については、その見立てにおいて、小林よしのりはグダグダである。
確かに、当時、アメリカの圧勝で喜んでいた保守派も能天気だが、当時はそういう見立てをするのも「一時的な勝利」であってさえも間違いとは言えなかった。
だが、当時も今も、見立てを間違い続けている小林よしのりに、現在、保守派の見立てが間違いだからと言って、勝ち名乗りをあげる言われは金輪際ない!
対して、私は、当時から、「欧米的な価値観と、イスラム的な宗教観念の闘争には、トムとジェリーの追いかけっこのように終わりはない」と断言している。
「頭数のクズどもは天才一人の前にひざまずくしかねえのさ」は、正しいです。
それを冠する相手が間違っているけど、
小林が秋に出す本は、私が逐一、潰して進ぜよう! ・・・いや、面倒だからやらないかも^^;
だって、小林、もう、社会への影響力がゼロじゃん・・・^^;
(2014/08/22)