Quantcast
Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3482

[「決戦は月曜日!」の前段階]

$
0
0

☆・・・私の店の話だ。

 前回の月曜日は、3月の最終日で、売り上げの良かった3月が、これまでの最高売り上げを記録するかが、この日の稼ぎにかかっていた。

 だが、曜日は、お客さんの少ない月曜日であった・・・。

 3万・・・、3万稼げば、新記録が出る・・・。

   ◇

 私は、昼間の仕事を終えると、車を飛ばして、いったん帰宅し、服を着替え、店に駆けつけた。

 いつもそうなのである。

 この一年間、私は一日も店を閉めていないので、この、レコード大賞の会場から紅白の会場に移動する大みそかの人気歌手のような、綱渡りのごとき生活がずっと続いている。

 だから、たまに、昼間の仕事が押して、10分くらい職場を出るのが遅くなると、それだけ開店が遅くなるので、早くに店に向かおうと必死である。

 でも、ちょっと遅くに職場を出ると、口をきいたことのない同僚の女性が駐車場までの道のりを歩いていたりして、それを追い抜かすこともできず、さりとて、後ろからついていくと、あたかもストーカーでもしているかのようで、私は、いつも困っている。

 だいたい、女性と言うのは、そういう妄想をすぐにして、更には、妄想そのままに、友人や上司に伝えたりする。

 友人らは、妄想そのままに噂話を垂れ流し、

 上司は、例えば、当事者に状況を訪ねることなく、職場の考査に含んだりする。

 元々は、職場に良かれとプチ残業したりの善意が、悪意にとられたりするのだ。

 まあ、その同僚の女性が、そんな人物とは思えないけど・・・。

 でも、そんな疑いをかけられたら、その冤罪に伴う、男の受けた経済的な損失はどうしたら賠償されるのだろうか・・・? 

 ・・・と、下らぬことを考えながら、私は、店に向かう。

   ◇

 それから、昔の彼女に似た女性が新しいバイトとして入ってきた話をしたら、同僚が、

「Hさん(私の昔の彼女)なら、スーパーでレジのバイトしているのを見たから、あの新しいバイトの方は違う人だよ」と教えてくれた。

「ああ、そう^^」

 で、ここで問題だが、私が、スーパーでレジを打っている元彼女に会いに行くか、という問題だ。

 ・・・会いに行きません。

 心から、全く興味がないです。

 私は、Hさんとつきあって、私の「ヴァージン・キラー」としてのカウント数が「1(累計8人 当時 今は10人)」増えました。

 もう、それだけで、充分です^^

 なーんか、勝手に、同僚たちに、「私に未練があるので、きっと会いに行く」などと妄想されるのが、私は非常に不愉快・不本意です!

   ◇

 私は、カウンターの中のキッチンに仁王立ちし、客を待った。

 ほどなく、二人連れが来た。

 近所の居酒屋のママさんが旦那を連れてやってきた。

 最初にスプマンテ(イタリアのスパークリング)をボトルで注文してくれたので、幸先が良かった。

          

 が、その後は、女の子が、カウンターに一人で来ただけで、客足が止まりました。

「ちくしょ!」

 私が言うと、女の子は「残念ねー^^」と屈託ない。

 この女の子は、二週間前くらいから、二日と置かず飲みに来てくれる「看板娘3号」のマミさんだ。

 マミさんも話していて楽しい方だ。

 数時間が過ぎていく。

 今日のここまでの稼ぎは、一万弱であった。

 どうやら、新記録はお預けのようだった。

 この店は、夜12時の時点でお客さんがいなかったら、閉店の準備に入る。

 12時近くになり、そろそろマミさんも帰る時間になり、どうやら、今月は、今までの月間売り上げの第二位に甘んじることになりそうだった。

 ・・・と、そこへ、いつも稼がせてくれる土建屋の社長がやってきた。

 嬉しい〜!!!

 がッ!

「悪い、タクシー呼んでくれ。一杯だけ飲んでく」と出鼻をくじかれた。

 せっかく、新記録の可能性が出てきたと思ったら、社長は、今日はすぐに帰るとのこと・・・。

 しかし、・・・!

 土建屋の社長は、マミさんの姿を見ると、私に聞いてきた。

「マスターの彼女?」

「いいえ、残念ながら^^;」

 すると、社長、マミさんに言う。「じゃあ、一緒に飲もうよ。マスター! ボトルを開けて!」

 ・・・流れが変わった・・・。

                               (次回に続く 2014/04/04)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 3482

Trending Articles