☆・・・赤ちゃんの時に捨てられて、甥っ子や姪っ子が拾い、うちに引き取られた猫・ミュウは可愛い。
可愛いけど、基本、私は、始終可愛がっているわけではない。
私は、彼女にしても、美少女フィギュアにしても、手に入れると、なんか安心して、後は好きにさせておく。
でも、たまに、可愛がる。
膝に乗せて、体を撫ぜたり、首輪の中を掻いてやったりする。
「ニャー」と猫は寛ぐ。
・・・なあ、猫・・・、と私は語り掛ける。
「お前は今、幸せだ。寝る場所にも食うものにも困らず、家猫として、この家の中で我が物顔で暮らしている。
・・・しかし、告げておかなくてはならない。
それらは全て、幻想なんだよ。
お前が現実だと思っている、この世界は、全て、お前の死に際の妄想なんだよ。
そう! お前はまさに、今、お前の妄想時間の4年前、
河原に打ち捨てられて、死にゆくお前の見ている「マッチ売りの少女」が見たが如き想像の世界にいるに過ぎないのだよ!!!
・・・それを認識し、うたかたの夢に寛ぐがいい・・・」
「ニャー」と猫は寛ぎ続ける・・・。
・・・coda.