☆面白かったっス。
昨夜の私経営のお店は、前半が暇で、予習代わりに、彼女から借りていたマンガ版『銀の匙』を読みふけってた。
後半から店は混んで、マンガを読んでいる暇がなくなったんだけど、3巻まで読んでいたので、雰囲気は分かり、映画にもすぐに溶け込めた。
銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス)荒川 弘小学館
うん、マンガと映画、ほとんどイメージに差異は感じられなかった。
作り手の、原作からの雰囲気の抽出がうまいのだろう。
北海道の農業高校の酪農青春ストーリーなのだが、その肝は、家畜の命を奪う宿命と、それぞれの登場人物の抱えた問題(農業絡み含む)であった。
進学校から農業高校に入った主人公・八軒の最初のイメージと同じく、私も酪農に牧歌的なものを感じていたのだが、いきなりのニワトリ屠畜に驚かされたものだった。
屠畜は、酪農につきまとうものとして、作品全編を覆う。
これは、原作者の荒川弘が、出世作『鋼の錬金術師』の、犬と娘のキメラ合成で見せた暗さの根源のようでもあり、
だが、そんな暗さを吹き飛ばす、数百倍のヴァイタリティの発露を促してもいるようだ。
なんとなく、同じく週刊少年サンデー系だった雷句誠が「どうぶつの国」で示したテーマと正反対のような気もしている(どちらも面白い)。
どうぶつの国(1) (少年マガジンKC)雷句 誠講談社
さて、どう考えても週刊連載ではきついだろうと思われる密度の濃い原作版を踏襲し、映画版も、映画的な簡略を経つつも、多くのエピソードを積み重ねて物語は進む。
主人公・八軒を演じた、ジャニーズ系の中島健人クンは、やや、原作の惚けたイメージがなく、最初は暗く感じたのだけど、終盤では、いつの間にやら、見ているこちらが驚くほどの物語上の成長をする。
八軒自身、特に押しの強い個性ではない。
微妙な表情と、さりげない所作やセリフが、彼の成長を垣間見せてくれる。
ヒロインの広瀬アリスは、役柄も含め、とてもいい子だが、ちょっと完成し過ぎていて、私の好みじゃないかなぁ。
・・・「胸の谷間チラ」シーンは、その肌が、夏の暑さで汗かいてるのもあいまって、とても健康エロでした^^;
(2014/03/07)