☆・・・忙しいので、なんか意味ありげなことを書いて、お茶を濁すのだ。
お店に来るお客さん、・・・特に御夫人など・・・、で、旦那さんに浮気され続けている方がいる。
私は、御夫人の、旦那の浮気の方法や、真相にたどり着くに至る話などを聞くと、いつも、大笑いする。
御夫人は、自分の深刻な問題を大笑いする私に、怒るかと思いきや、意外に喜ぶ。
深刻な問題が、所詮は笑い話にしかならない、小さな問題であることが分かるからだろう。
で、そんな夫婦を襲った浮気騒ぎのイザコザを思うと、私はいつも、私が卒業論文の題材に選んだ「死の棘」を想う。
死の棘 (新潮文庫) 島尾 敏雄 新潮社 小栗康平監督作品集 DVD-BOX クリエーター情報なし 松竹ほんじゃ、私がたまに思い出す、「死の棘」からの一節・・・。
《・・・それを私は次々に数えあげる。そのときは羽ばたき、今腐って悪い臭いがしはじめてみえる見える暗い行為のつみかさなり。しかし言いきれず、思い出せないふりをして言い残すものもある。数えたてるとかずかずのいかがわしい過去の姿勢に、自分でおどろき、だが舌にのせる。・・・》
「そのときは羽ばたき」と言う個所など、さすがは文学! と唸らせられるのだ。
(2014/02/22)