☆芥川賞か直木賞か分からないけど、その受賞の際、やや奇矯な発言をしていた人が原作者なので、ちょっと斜に構えて見た。
山口県の港街を舞台にした、父と子と母と彼女と、その父の愛人の物語で、町の娼婦も出てくるでよ! てな感じの、性が絡む話。
性が中心に立つので、私は、「ああ、どいつもこいつも(自分を含め)、性の倒錯がモチーフかよ・・・」と嘆くのだが、
終盤、親父が性のはけ口にしていた町の娼婦に、主人公が相手してもらい、それを「いいよ、いいことだ」と許した父親が、今度は、主人公の彼女をレイプするという、なんかシェイクスピア的な「補完」展開に、私は目が離せなくなった。
父親役を光石研が演じているのだが、その普通っぽさと言うか軽薄さと言うか、性行為の時の暴力衝動が、底知れぬ救いようのなさだった。
いや、名演です。
母役の田中裕子は安定しているし、
愛人役の篠原友希子は、聖母のようだった。
彼女を演じるのは、木下美咲で、気が強いけど従順な、山口弁(なんだよね?)が魅力的で、篠原友希子さんと同じく、手ごろなオッパイに乳首がしゃぶりやすく大き目だった^^;
いや、私、この子のようなワンピースの似合う華奢な体の娘、とても好みです。
で、この二人は、主人公の親父の暴力を伴うセックスの犠牲になる。
息子である主人公は、自分にも、そんな暴力的な性「愛」の根があるのではないかと悩み続けるのである。
で、その「恐ろしき興味」は、見ている私たちにも伝染する。
あるいは、セックスをしているときに、自分も相手の顔を殴ってみてしまおうかな、などと「恐ろしき興味」を抱いてしまうのだ。
・・・それが、田中慎弥と言う作家の真骨頂なのであろう。
くわばら、くわばら。
(2014/02/14)