☆・・・毎日のように、代わる代わるの先輩にはたかれる高校生活。
「このままでは、私、学校に来れなくなる!」
梨華は危機感を持った。
ちゅうか、私(ミドラン)は聞いてて、「それに気付くのは遅くないか・・・?」と思った^^;
だが、彼女は、悲惨な事象を語っているが、それは、長い「青春」の作為的に抽出した事例の数々に過ぎない。
楽しいこともあったのだ。
・・・そう、彼女は、中学・高校と、ちゃんと彼氏さえいたのである。
◇
「ちょ、ちょっと待て! お前、俺が初めてじゃなかったのか?」
・・・話が違う。
私の「ヴァージンゲットカウンター」が後戻りしてしまう。
「いえ、初めてでしたよ。中学生の時の彼氏たちは、そんなエッチになるようなつきあいじゃないし、高校生の時の彼氏たちは・・・」
「か、彼氏たち・・・、『たち』って・・・!!!」
こいつがいじめられる原因が、はっきりと分かった。
◇
・・・梨華は、先輩たちからの度重なるイビリに対し、決断をした。
「やり返す!! 一人づつ、潰す!!」
可愛い声で、昔話を語る梨華・・・、これを聞いて、私は、全身に鳥肌を立てて興奮した。
・・・こ、こいつ、バカだ。
「で、やり返したのか?」
「うん」
◇
ある日の朝、先輩を見かけ、立ち止り、丁寧に挨拶をした梨華は、いつもの通り、ゴスっ! とふくらはぎを横から蹴られた。
と、同時に、梨華は、バチコーン! と、その先輩をビンタした。
いい音が鳴った。
会心の一撃だ。
先輩は、殴られた頬を信じられないように触った後、「こ、こいつぅ〜!」と校舎内に走っていった。
梨華は、してやったりで、校舎に向かっていく・・・、と、三十秒後、校舎の玄関から、凄まじい数の先輩が、怒りの形相でワラワラと溢れてきた。
もちろん、数人が文鎮を持っている。
この高校の、「ジェラシー先輩」軍団の必須アイテムだ。
「ウヒャーッ!!」
梨華は踵を返し、猛ダッシュ!!
が、なんか、妙なところで、学校はサボってはいけないという道徳観念が発動し、梨華は、校門には向かわずに、校舎の裏に・・・。
◇
私は、そこまで聞いて、こいつ(梨華)が大好きになった。
私は、いわゆる「無軌道な若者たち」に憧れている。
彼らの向かう先は、絶望である。
世の中の全てには終わりがあり、絶望も、その一つだ。
その絶望を自らで演出できるなど、ちょっと素晴らしくありませんか?
私は、映画『ベティ・ブルー』が大好きで、あの、破滅へと向かうベティみたいな女と、常々知り合いたいといつも思っているのだが、・・・こいつは、そうだ!
ベティ・ブルー 製作25周年記念 HDリマスター版 DVD・コレクターズBOX クリエーター情報なし Happinet(SB)(D)(2013/12/13)