☆悪くないが、これは、商業ベースに乗せたいだろう作品としては厳しい気がした。
完成度もいいのだが、私が求めるリドリー・スコット監督の姿は微塵も感じられなかった(どなたか、バカな私に教えてくれ^^;)。
予告編で、「誰が悪か?」みたいにキャッチコピーが語られていたので、そういった目で見ていたのだが、タイトルロールの出演者の表示で分かった。
メインの五人のうち、その人の名前だけが画面中心に出てきたからだ。
ちゅうても、物語の中盤で、それはすぐに分かる。
それがポイントの作品でもなかった。
ポイントはなんなのか?
まあ、「愛情や友情、わずかばかりの良心を残したまま悪に走ると、取り返しのつかないダメージを受ける」と言うことだろう。
それが、今までの経過なく、いきなり始まっていた膨大な麻薬密輸計画の中で語られ、悲劇につながっていく。
マイケル・ファスベンダー、ペネロペ・クルス、キャメロン・ディアス、ハビエル・バルデム、ブラッド・ピット、それぞれの演じる役柄の八割までが破滅する。
それぞれの悪度に違いはあるが、かなり悪度の高いブラッド・ピット演じた男も、「アウトレイジ」っぽい終焉を迎える。
もっと徹底した、「告解室での懺悔」さえも戯れに行うような悪がいるのである。
最後、主人公の弁護士に、電話越しに優しく長々と破滅を告げる麻薬カルテルのボスが絶望的に面白かった。
(2013/11/15)