☆いまいち、その製作意図が不明瞭なのだが、ヒッチコック作品は大好きなので、そのバックボーンを知りたい気持ちもあり、観に行った(なんか、クリスティの「アガサ 愛の失踪」を思い出す)。
今、ちょいと部屋の中で振り向いただけで、こんなんが容易に見つかるほど、私は、ヒッチコック作品が好きだ。
・・・私のベストは「断崖」ですが・・・^^
これがなかなかの良作であった。
ヒッチコック作品のイメージとは別に、ヒッチコックと、事実上の共同監督とも言うべき、その妻との愛憎を描いた作品で、
その夫婦間の関係が、とても丁寧に語られる。
それはもう、ささやかな文芸作品的な趣である。
だが、ヒッチコックが主役であるが故に、…今作は『サイコ』製作時を絡めた話…、その作風的な先入観が、観客である私たちにもあるので、妙な味つけを、見ている私たちが勝手に付加し、目の離せない鑑賞になる。
ある意味、ただの「デブとババの愛憎模様」なのに、見ている者は、ヒッチコック作品への先入観が、よく言われる「危険な特殊状況での異性との出会いは、そのドキドキ感を恋と錯覚する」みたいに、なんか妙に艶やかな恋愛を見ているような気にもさせられるのだ^^
作中『サイコ』での殺される女優ジャネット・リー役を、今 最も美しい女優の一人とも言えようスカーレット・ヨハンソンが演じていて、
かの有名なシャワー室での被・惨殺シーンを見事に演じていた、と言うか、叫んでいた。
実にいい表情だった。
冒頭の情事の後の車の運転のシーンといい、オリジナルに非常に忠実な演出でしたなぁ^^
しかし、この頃の映倫は冗談みたいに厳しかったんですなぁ。
よくもまあ、その中で、ヒッチコックは、上品なる下世話さを貫徹できたと思う。
もし、映倫の厳しさが無かったら、「サスペンスの神様」でなく「ホラーの神様」になっていたのかな?(ないない!^^;)
シャワーシーンには、その撮影方法で謎になっている部分がある。
・・・シャワーが降りそそぐ箇所を、真下から撮影しているのだが、カメラレンズには水滴一つ掛かっていない、という逸話。
今ならば、CGなどで容易だが、この時代での映像技術では不可能である。
この作品で、その謎の答えの仮説を提示してくれても良かったのになぁ^^
◇
それから、ついでに書くのだが、私はよく「殺人者の情熱」という言葉を使う。
それは、一生懸命、額に汗して努力するという、人間にとって素晴らしい態度にもかかわらず、やっていることは殺人だったりする・・・、と言うことを意味し、
悪い行いを爽やかな表情でこなす人間の倒錯のことを言うのだが、
なんで、私がこんな言葉を思いついたかと言うと、ヒッチコックの『フレンジー』を見ていて、殺人鬼が、それはもう必死になって殺人を繰り返す姿を見て、「なんで、この人、こんなにも殺人を行なうに際し一生懸命になっているんだろう・・・」と思ったことに端を発するのだ・・・。
フレンジー (ユニバーサル・セレクション2008年第5弾) 【初回生産限定】 [DVD]クリエーター情報なしユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
(2013/04/08)
今、ちょいと部屋の中で振り向いただけで、こんなんが容易に見つかるほど、私は、ヒッチコック作品が好きだ。
・・・私のベストは「断崖」ですが・・・^^
これがなかなかの良作であった。
ヒッチコック作品のイメージとは別に、ヒッチコックと、事実上の共同監督とも言うべき、その妻との愛憎を描いた作品で、
その夫婦間の関係が、とても丁寧に語られる。
それはもう、ささやかな文芸作品的な趣である。
だが、ヒッチコックが主役であるが故に、…今作は『サイコ』製作時を絡めた話…、その作風的な先入観が、観客である私たちにもあるので、妙な味つけを、見ている私たちが勝手に付加し、目の離せない鑑賞になる。
ある意味、ただの「デブとババの愛憎模様」なのに、見ている者は、ヒッチコック作品への先入観が、よく言われる「危険な特殊状況での異性との出会いは、そのドキドキ感を恋と錯覚する」みたいに、なんか妙に艶やかな恋愛を見ているような気にもさせられるのだ^^
作中『サイコ』での殺される女優ジャネット・リー役を、今 最も美しい女優の一人とも言えようスカーレット・ヨハンソンが演じていて、
かの有名なシャワー室での被・惨殺シーンを見事に演じていた、と言うか、叫んでいた。
実にいい表情だった。
冒頭の情事の後の車の運転のシーンといい、オリジナルに非常に忠実な演出でしたなぁ^^
しかし、この頃の映倫は冗談みたいに厳しかったんですなぁ。
よくもまあ、その中で、ヒッチコックは、上品なる下世話さを貫徹できたと思う。
もし、映倫の厳しさが無かったら、「サスペンスの神様」でなく「ホラーの神様」になっていたのかな?(ないない!^^;)
シャワーシーンには、その撮影方法で謎になっている部分がある。
・・・シャワーが降りそそぐ箇所を、真下から撮影しているのだが、カメラレンズには水滴一つ掛かっていない、という逸話。
今ならば、CGなどで容易だが、この時代での映像技術では不可能である。
この作品で、その謎の答えの仮説を提示してくれても良かったのになぁ^^
◇
それから、ついでに書くのだが、私はよく「殺人者の情熱」という言葉を使う。
それは、一生懸命、額に汗して努力するという、人間にとって素晴らしい態度にもかかわらず、やっていることは殺人だったりする・・・、と言うことを意味し、
悪い行いを爽やかな表情でこなす人間の倒錯のことを言うのだが、
なんで、私がこんな言葉を思いついたかと言うと、ヒッチコックの『フレンジー』を見ていて、殺人鬼が、それはもう必死になって殺人を繰り返す姿を見て、「なんで、この人、こんなにも殺人を行なうに際し一生懸命になっているんだろう・・・」と思ったことに端を発するのだ・・・。
フレンジー (ユニバーサル・セレクション2008年第5弾) 【初回生産限定】 [DVD]クリエーター情報なしユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
(2013/04/08)