☆全く予備知識なく、時間が合うのでふいに見た。
タイトルが、狙っているようでいて「ダサい」と思った。
私だったら、「データーベース」「異常蓄積記憶のみ」とか名付けるのになぁ、と思った。
ただ、この脳男が、最終的には「脳男」ではなかったことが分かるので、それらのタイトル全てがミスディレクションか。
ヒロイン・真梨子(という年齢でもないのだが^^;)が松雪泰子で、私は、その美しさに見惚れる。
いい加齢をしている、と言うか、本当に美しい人は歳を経たままに美しい。
物語は突然に猟奇犯罪の様を描いていく。
私は、このブログでも何度も言及していると思うが、どうにも、身体を切断するようなサイコな事件が嫌いである。
初っ端から、そんな展開で、私はげんなりしつつ、だが、その猟奇犯罪とともに連続爆破テロが起き、そのバス爆発シーンがあまりにも派手だったので驚いた。
おお、なかなか気合の入った映画だなと思った。
ちなみに、この、真梨子が乗り遅れた後に爆発したバスに乗っていた子供の一人が、黒焦げになって歩いて出てくるのだが、片手で、もう一方の腕を掴んでいて、なんか、つげ義春の「ネジ式」を思い出した。
この構図は、後に、精神医療の医師である真梨子が更正させた男が、脳男の凝視に耐えられなくなってしたポーズと同じでもある。
別に、そこに意味を見出すつもりもないが、ふと思った。
物語上、キャラ立ちしているが、どうしても、脳男や、爆発事件犯人に比べて、すっごく影の薄い刑事を江口洋介が演じていて、格好いい人なのに勿体ないなと思った。
その刑事の捜査で、爆発事件の犯人のアジトを突き止め、容疑者として捕らえられたのが、鈴木一郎(脳男=生田斗真)であった。
凶悪な犯罪者で、その暴力衝動を、拘置所の中でも示し、廊下ですれ違った他の収容者に踊りかかり、目をくりぬく。
そんな鈴木の精神鑑定を受けた真梨子は、鈴木の精神構造に真摯な興味を向けるのだった。
取調べ・診察に対して、事件に関係しないことには素直に答える鈴木・・・、表情は無表情で、どうやら無痛症でもあるらしい。
真梨子は、その鈴木に何らかの法則性みたいのを感じ、独自に調べ、そして、その過去を見つけるのだった。
なかなか面白いのだが、ちょっと展開に粗や設定倒れも見える。
例えば、脳男の誕生の経緯が大雑把だし、「脳男」となる以前の、この少年はどうやって生き永らえてきたのかの描写もない。
うまい具合に、大自然の中でのロケの勢いで納得させる演出には感心した。
また、原作では個性を発揮したであろう刑事や、その新米の相棒、真梨子の同僚(ナンちゃん似)や爆発処理のプロなどがおざなりだった。
対して、出番は少ないが、真梨子の母親や、構成した少年、その母親、「脳男」の名付け親などは非常に印象が強烈で、どうにも、作品全体でのアンバランスを感じた。
爆破量の多さもやり過ぎだろう、の印象だ^^;
爆破テロの犯人は、脳男の静に対し、動の属性にあり、その少女(二階堂ふみ)の若さを考えるとあまりにもの膨大な「仕事量」に疑問も起こるのだが、まあ、ありかな。
二階堂ふみが、その相棒に「臭い息 向けるんじゃねえ!」とか言ったら、その相棒が「許して、胃も治すから!」とか言うのが、そこまで脚本を練りこむなよ、と萎えた・・・。
生田斗真は、美形だが、そもそもが「危ない顔」もしているので、<脳男>役は適役だった。
前半は、ずーっと、救いようのない絶望感を感じた。
だが、途中から、ティム・バートンが自作の主人公に寄せる「想い(異形の者の悲哀)」みたいのを、私も<脳男>に向けられるようになり、
だからこそ、ラストシーンでの<脳男>の「表情」には、かなり胸のつかえが取れる思いだった^^
(2013/02/10)
タイトルが、狙っているようでいて「ダサい」と思った。
私だったら、「データーベース」「異常蓄積記憶のみ」とか名付けるのになぁ、と思った。
ただ、この脳男が、最終的には「脳男」ではなかったことが分かるので、それらのタイトル全てがミスディレクションか。
ヒロイン・真梨子(という年齢でもないのだが^^;)が松雪泰子で、私は、その美しさに見惚れる。
いい加齢をしている、と言うか、本当に美しい人は歳を経たままに美しい。
物語は突然に猟奇犯罪の様を描いていく。
私は、このブログでも何度も言及していると思うが、どうにも、身体を切断するようなサイコな事件が嫌いである。
初っ端から、そんな展開で、私はげんなりしつつ、だが、その猟奇犯罪とともに連続爆破テロが起き、そのバス爆発シーンがあまりにも派手だったので驚いた。
おお、なかなか気合の入った映画だなと思った。
ちなみに、この、真梨子が乗り遅れた後に爆発したバスに乗っていた子供の一人が、黒焦げになって歩いて出てくるのだが、片手で、もう一方の腕を掴んでいて、なんか、つげ義春の「ネジ式」を思い出した。
この構図は、後に、精神医療の医師である真梨子が更正させた男が、脳男の凝視に耐えられなくなってしたポーズと同じでもある。
別に、そこに意味を見出すつもりもないが、ふと思った。
物語上、キャラ立ちしているが、どうしても、脳男や、爆発事件犯人に比べて、すっごく影の薄い刑事を江口洋介が演じていて、格好いい人なのに勿体ないなと思った。
その刑事の捜査で、爆発事件の犯人のアジトを突き止め、容疑者として捕らえられたのが、鈴木一郎(脳男=生田斗真)であった。
凶悪な犯罪者で、その暴力衝動を、拘置所の中でも示し、廊下ですれ違った他の収容者に踊りかかり、目をくりぬく。
そんな鈴木の精神鑑定を受けた真梨子は、鈴木の精神構造に真摯な興味を向けるのだった。
取調べ・診察に対して、事件に関係しないことには素直に答える鈴木・・・、表情は無表情で、どうやら無痛症でもあるらしい。
真梨子は、その鈴木に何らかの法則性みたいのを感じ、独自に調べ、そして、その過去を見つけるのだった。
なかなか面白いのだが、ちょっと展開に粗や設定倒れも見える。
例えば、脳男の誕生の経緯が大雑把だし、「脳男」となる以前の、この少年はどうやって生き永らえてきたのかの描写もない。
うまい具合に、大自然の中でのロケの勢いで納得させる演出には感心した。
また、原作では個性を発揮したであろう刑事や、その新米の相棒、真梨子の同僚(ナンちゃん似)や爆発処理のプロなどがおざなりだった。
対して、出番は少ないが、真梨子の母親や、構成した少年、その母親、「脳男」の名付け親などは非常に印象が強烈で、どうにも、作品全体でのアンバランスを感じた。
爆破量の多さもやり過ぎだろう、の印象だ^^;
爆破テロの犯人は、脳男の静に対し、動の属性にあり、その少女(二階堂ふみ)の若さを考えるとあまりにもの膨大な「仕事量」に疑問も起こるのだが、まあ、ありかな。
二階堂ふみが、その相棒に「臭い息 向けるんじゃねえ!」とか言ったら、その相棒が「許して、胃も治すから!」とか言うのが、そこまで脚本を練りこむなよ、と萎えた・・・。
生田斗真は、美形だが、そもそもが「危ない顔」もしているので、<脳男>役は適役だった。
前半は、ずーっと、救いようのない絶望感を感じた。
だが、途中から、ティム・バートンが自作の主人公に寄せる「想い(異形の者の悲哀)」みたいのを、私も<脳男>に向けられるようになり、
だからこそ、ラストシーンでの<脳男>の「表情」には、かなり胸のつかえが取れる思いだった^^
(2013/02/10)