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Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
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[映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』を観た(寸評)]

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☆なかなかの傑作でした。

 物語展開上、良くも悪くも、あまりにもスムーズに話が進むので、ご都合主義的に思えようが、そこは、私、一種の大人のファンタジーとして見たので、問題はなかった。

 私が感動したのは2点だ。

 一つには、深海や宇宙空間までも見通せるかのような、透明度を持つ数々のシーンの美しさだ。

 それらが、3D作品としてとても活きるし、また、冒頭のインドの都市の生活の状景さえも、3D映像が自然な感覚で生き生きとして見せてくれていた。

 二つ目は、この作品が、私の指向する、世界の全てを網羅した「全体映画」としての完成を誇っていることだ。

 主人公の来歴を語る中で、遠くパリのプールから、インドのボンディシェリを描き、

 父親の経営している動物園の動物の数々が、作中でも逆説的に語られるが「ノアの箱舟」に乗り込むつがいの動物達にも似て、未来に残すべき「世界」を代表してくれていた。

 こんな作品は、最近では『スラムドッグ$ミリオネア』ぐらいしか思いつかない。

 どちらも、インドのいかがわしさが、作品にアクセントを加えていたが、それは、ヒンドゥー教の持つイメージの魔力なのかも知れないなぁ。

 家族でカナダに移住しようとするも貨物船が転覆・・・、主人公・パイだけが救命ボートで生き残るが、小さな船の中には、凶暴なベンガルトラ「リチャード・パーカー」もいた。

 そのトラと主人公の「闘い」が、この物語のエピソードの大部分を占め、さぞかしスケールが小さいように思われようが、さにあらず、トラの存在こそが、パイにとっての「世界」であり、大海原の中での大自然の猛威は「社会状況」なのである。

 そして、そんな観点を無視しても、この作品は、小さなボートを舞台にした・・・、

 そんな小さな舞台さえも、見ている我々には「ダイ・ハード」の如き、冒険の大フィールドとして見せてくれるのだ^^

 ・・・すいません、眠たいので寝ます。

                                            (2013/01/24)

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