☆何本か観ている作品があるのだが、観てからかなりの期間が過ぎてしまっている。
とりあえず、今回は、先ず、比較的、観たばかりの作品から感想を書きます。
◇
『ザ・ライト 〜エクソシストの真実〜』
実は、この作品、高校生の姪と母親と3人で、公開日に観に行ったのだが、ちょっとしたトラブルがあり、私は見なくて、姪と母親も遅刻、上映が始まってから30分くらい経って館内に入って行ったのだった。
見終えて二人は、「なかなか面白かったよ。途中入場だったけど、話もちゃんと理解できた^^」と言っていて、
後日、私も見るに辺り、二人が、物語がどこまで進んでから見始めたのかを意識しつつの観賞となった。
確かに、30分遅刻しても、鑑賞に問題のない作品であった。
最初は、神に懐疑的な面もある主人公が、父親の葬儀屋の手伝いや、また、それを継ぐのが嫌ってこともあり、神学校に入学し、優秀な成績をおさめる流れがゆっくりと語られる。
正直、そのエピソードが、後半の展開に爆発的に活きる訳でもなく、また、いちお、事実を基にした話という触れ込みだが人間ドラマに深みが加わるわけでもない。
主人公は、神に懐疑的で、ひいては、つまり、悪魔に懐疑的な、わりと普通な男(イケメンではある)なのだが、
そこここに、俗な、ホットパンツの女が登場したり、バイクの荷台で風に髪をなびかせている女が微笑んできたりと、主人公の性への衝動を表現したいのかもしれないが、描写と言うか、テーマとの絡みがかなり薄味なので、何の意味も成してない。
でも、なんか、のんびりと見れる作品ではあった。
主人公は、「エクソシスト(悪魔祓い)」を学ぶ為に、バチカンに行き、アンソニー・ホプキンス演じる老エクソシスト・ルーカスを訪ねる。
ここからが比較的面白い。
ルーカス神父の悪魔祓い行為は、広義でも狭義でも、何がポイントなのか分からないのだが、アンソニー・ホプキンスの坦々とした演技で、「そんなものなのかなぁ」とも思わせられる。
最近、『花と蛇3』を見たのだが、作品上のSMの調教段取りと言うものが、私のSM哲学とは全く異なっていたのだが(もっとも、SM小説の大家の映画化作品に私が物申すのもおこがましいが)、今回の作品の悪魔祓い行為も、なんか作法的に解せない点は否めない・・・。
ルーカス神父は、終盤では悪魔に憑かれ、主人公が対決しなくてはならなくなる。
神への懐疑と経験不足、そして作品上の「悪魔祓い」事例の少なさ、足りないものだらけの中で、主人公は悪魔と対決する。
私は、ここは、『ロッキー』みたいな<男の戦い>として脳内変換して楽しんだ^^
悪魔との戦いは、禅問答というか「言葉遊び」で決着する。
ちょっとずっこけた。
『ネバー・エンディング・ストーリー 第2章』の、物語クライマックスでの、悪の女王に対しての<逆転サヨナラ満塁ホームラン>みたいな魔法のひと言「女王の心に愛を!!」みたいで、・・・私は嫌いじゃない^^;
◇
私は、昨日・今日と有給休暇を取っていて、実は福島県をさりげなく訪れる予定であった。
苦難のうちにある人物などと交流することはなく、自分個人だけで彼の地に行き、自己完結し、その報告を世間に訴えようと思っていた。
しかし、行程を考えると、どうしても、現地での給油が必要となるも、その段取りがつかず、ガソリン携行缶も手に入らず、やはり、断念せざるを得なかった。
「くそっ、オレは何の為に生きているか分からねぇ・・・」と虚脱状態の中で、悔しさ紛れで、昨日は、今週公開の映画作品を日に3本見た。
◇
『映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 黄金のスパイ大作戦』
正直、今回の「映画 しんちゃん」はパッとしなかった。
作品的にはきっちりと作っていたのだけど、映画的な「打ち上げ花火」がなかった
前々作(クリック!)の「しんちゃん家族オール動物化」や、前作(クリック!)などにあった、作品を牽引するような「しんちゃんの未来の嫁さん登場」なんて大きな興味を惹く要素がなかった。
やや「おなら」と言う準下ネタに頼りきりのきらいもあったが、展開自体は、こまめにギャグを挿入して面白かったのだが・・・。
今回のヒロイン・レモンは、スカシぺスタン国の少女スパイなのだが、先の『のび太と鉄人兵団』(クリック!)のリルルよろしく、主人公を騙していた悪女である。
このような役は、どうしても、北朝鮮の工作員の雰囲気を醸し、リルルなどはそれが明白であった。
が、レモンにおいては、その連想が起きないほどにぼかされていた。
しかし、後半になって、スカシぺスタン国のスパイたちによってしんちゃんファミリーが拉致されるにあたって、ぼかしていてさえも、「悪から連想されるは北朝鮮」が溢れ出すのだった。
クライマックスは、味方になったレモンとしんちゃんの脱出行が描かれるのだが、どうしても単調だった。
単調と言うか、なんかノンビリしていた。
そのノンビリさと言うのは、先に見た、古き良き時代のスパイ映画的な『ツーリスト』(クリック!)のスローテンポに似ていた。
と、考えると、いつも緻密な計算で作品作りをしている「しんちゃん」スタッフなので、「黄金のスパイ大作戦」のタイトルにちなみ、往年の「007」的な展開を模していたのかも知れない。
なのに、大震災の渦中でもあり、私に作品を隅々まで堪能する余裕がなかったのだろうか?
観ている最中にも、大きな余震がありましたし、映画館と言うものは、ある意味、逃げ場の少ない密室なので、ちょいと肝を冷やされた。
それから、しんちゃんが、ヘーデルナ王国を脱出する際、通路で、流し込まれたトロロイモから逃げるアクションがあるのだけど、
あそこ、全然説明不足だけど、映画『シャイニング』を模したシーンがあったよね。
もしかして、あのような遊び心は、作品全体に隠されているのだろうか?
◇
『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』
「しんちゃん」の今年の作品と同じく、今回の「コナン」新作も、前々作(クリック!)の「黒服の男たちとの直接対決」、前作(クリック!)の「怪盗キッドとの勝負」のような目玉テーマに欠けた作品だった。
が、「コナン」においては、コナンと蘭や園子や哀、阿笠博士や毛利探偵、少年探偵団との交流が丁寧に描かれていて良い雰囲気が出ていた。
特に少年探偵団の吉田歩美が全編出ずっぱりで可愛くて可愛くて^^
・・・ニット帽のポンポン耳がかわゆす^^
で、今回の作品を見て思ったのが、「コナン」での、犯人の犯罪行為と、そのトリック解明は、あくまでも作品上の保険に過ぎないのだな、だった。
明らかに、冒頭の電車爆発脱線首都高暴走や、クライマックスのダム決壊の中での、コナンのターボエンジン付きスケートボードでの活躍の方が楽しいことに気付いたのだ。
もちろん、ミステリとしてのサスペンス要素がアクションを盛り上げている。
阿笠博士の発明した「007」的なアイテムも、必ず、作品の重要なシーンで活躍している。
これらの道具の使用の演出の見事さには、いつも感心させられる。
また、コナンと蘭との恋愛も、作品の終盤で、必ず、こちらの胸を切なくさせてくれる。
今回の終幕での、絶体絶命のコナンが、蘭の最後の叫びに反応し、指一本で発動させられる阿笠博士の秘密道具を使ったのはよかった、嬉しい驚きだ^^
それから、ゲストキャラの冬馬やみずき(メガネ外した後)のキャラデザインを見たら、
原作の、青山剛昌のくっきりとした描線が、『ぼくのマリー』の竹内桜や、『さよなら 絶望先生』の久米田康治のようなシャープでスタイリッシュな画風であることに改めて気付き、それもまた人気の一要素であることを改めて思った。
ぼくのマリー 5 (ヤングジャンプコミックス)竹内 桜集英社
さよなら絶望先生(25) (少年マガジンコミックス)久米田 康治講談社
◇
『エンジェル ウォーズ』
これは問題作でしょう。
はっきり言って、「真面目な作家が、オタク文化に憧れて、その要素をいっさいがっさい詰め込んでみたけど、全く萌えない作品を作ってしまった」てな体裁だ。
しかし、監督のザック・スナイダーは、硬派な娯楽作品を作らせたらピカイチでもあるので、かなり魅せてくれる。
序盤の、主人公<ベイビードール>が対決する三匹の巨人武者との対決などは、アクション3Dゲームの亜流のようでいて、解像度も高く粗もなく、見るにあたってのスピード感もほど良く非常に興奮した。
しかし、肝心の<ベイビードール>の「セーラー戦士」としての肢体をねちっこく、イヤらしい視点で映し出す執拗さが、作り手にはないんだよなぁ。
もっと、「少女の汗」「少女の粘液」を描写しなくっちゃあ!!
もっとも、「萌えない」ってのは予告編の時点から薄々分かっていたので、そんな期待を差っ引いて見たのだが、それでも、「やりたいことは分かるが、不親切な、それでいて、妙なトコに拘泥している、ちょいと面倒くさい作品」であった。
主演の五人の娘は、それぞれが可愛く見えるときもあり、でも、可愛く見えないときもあり、始終、可愛い顔を見せてくれるアニメのヒロインを目指していると考えると役不足であった。
みんな、正直に言って「少女」でなく、「女」であるのも、見ていて辛いものがあった。
ただ、主人公の<ベイビードール>は、少女に見える瞬間もあった・・・(不安げな表情と上唇のめくれ具合)。
想像してみ、少女時代のダコタ・ファニングや「キック・アス」(クリック!)の子や、大橋のぞみや海宝真珠をズラリと並べた『エンジェル ウォーズ』が実現したら、もう、それは「神の世界」であろう^^v
まあ、それについては、見る男の好みの問題でもあると思う。
私は、「男は全てロリコンであらねばならない」「あらねば嘘だ!」と思っているのだが、
私から見たら、ちょいと肉がつきすぎの、全く淑女に見えない小向美奈子に熱狂する人もいるみたいだからな。
花と蛇3 特別版【Blu-ray】クリエーター情報なしTOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
小向美奈子に比べたら、主演の五人の均整の取れた身体は非常に美しい。
<ベイビードール>の、ヘソ出しセーラー服から垣間見られる腹筋などは無駄がなく、それでいて割れすぎていることなく惚れ惚れする。
・・・財産目当ての義父の陰謀で、精神病院に収容された<ベイビードール>は、そこで「脱獄」のために、四人の仲間と架空の世界に想像を羽ばたかせる。
幾つかの世界を旅する。
それぞれ、和風、大戦風、西洋中世風、未来世界風・・・、と、趣向を凝らしているようでいて、全部、同じ雰囲気なので、単調さは否めない。
ただ、それぞれの世界で、五人の指南役となる男を演じるスコット・グレンは、見る者の「思っていたような作品とは違う内容」の思いの中で、唯一理解しやすいキャラクターであり、やたらと格好よく見える「おいしい役割」を演じていたね^^
・・・「地図」「炎」「武器」「鍵」「?」と、五つのアイテムを集めていく<ベイビードール>たちの戦いは、次第に綻びを見せていく。
そこからが、なかなか楽しかった。
事務的にミッションをこなしてハッピーエンドへ至ると思われた、単調な作品(最新の映像技術なんて10分で飽きる)が、意外にも悲劇に突き進むのだ。
そこら辺の「定型外し」が、「萌え指向の定型外しまくり」のこの作品の中で、ザック・スナイダー本来の個性を出した唯一の長所のような気がする。
◇
なお、このサイトで得られる、微少なれどアフィリエイト収入は、全て、大震災の義援金に送るので、皆さん、気になるアイテムがあったら、このサイトを通して買ってみて下さい^^
(2011/04/17)
とりあえず、今回は、先ず、比較的、観たばかりの作品から感想を書きます。
◇
『ザ・ライト 〜エクソシストの真実〜』
実は、この作品、高校生の姪と母親と3人で、公開日に観に行ったのだが、ちょっとしたトラブルがあり、私は見なくて、姪と母親も遅刻、上映が始まってから30分くらい経って館内に入って行ったのだった。
見終えて二人は、「なかなか面白かったよ。途中入場だったけど、話もちゃんと理解できた^^」と言っていて、
後日、私も見るに辺り、二人が、物語がどこまで進んでから見始めたのかを意識しつつの観賞となった。
確かに、30分遅刻しても、鑑賞に問題のない作品であった。
最初は、神に懐疑的な面もある主人公が、父親の葬儀屋の手伝いや、また、それを継ぐのが嫌ってこともあり、神学校に入学し、優秀な成績をおさめる流れがゆっくりと語られる。
正直、そのエピソードが、後半の展開に爆発的に活きる訳でもなく、また、いちお、事実を基にした話という触れ込みだが人間ドラマに深みが加わるわけでもない。
主人公は、神に懐疑的で、ひいては、つまり、悪魔に懐疑的な、わりと普通な男(イケメンではある)なのだが、
そこここに、俗な、ホットパンツの女が登場したり、バイクの荷台で風に髪をなびかせている女が微笑んできたりと、主人公の性への衝動を表現したいのかもしれないが、描写と言うか、テーマとの絡みがかなり薄味なので、何の意味も成してない。
でも、なんか、のんびりと見れる作品ではあった。
主人公は、「エクソシスト(悪魔祓い)」を学ぶ為に、バチカンに行き、アンソニー・ホプキンス演じる老エクソシスト・ルーカスを訪ねる。
ここからが比較的面白い。
ルーカス神父の悪魔祓い行為は、広義でも狭義でも、何がポイントなのか分からないのだが、アンソニー・ホプキンスの坦々とした演技で、「そんなものなのかなぁ」とも思わせられる。
最近、『花と蛇3』を見たのだが、作品上のSMの調教段取りと言うものが、私のSM哲学とは全く異なっていたのだが(もっとも、SM小説の大家の映画化作品に私が物申すのもおこがましいが)、今回の作品の悪魔祓い行為も、なんか作法的に解せない点は否めない・・・。
ルーカス神父は、終盤では悪魔に憑かれ、主人公が対決しなくてはならなくなる。
神への懐疑と経験不足、そして作品上の「悪魔祓い」事例の少なさ、足りないものだらけの中で、主人公は悪魔と対決する。
私は、ここは、『ロッキー』みたいな<男の戦い>として脳内変換して楽しんだ^^
悪魔との戦いは、禅問答というか「言葉遊び」で決着する。
ちょっとずっこけた。
『ネバー・エンディング・ストーリー 第2章』の、物語クライマックスでの、悪の女王に対しての<逆転サヨナラ満塁ホームラン>みたいな魔法のひと言「女王の心に愛を!!」みたいで、・・・私は嫌いじゃない^^;
◇
私は、昨日・今日と有給休暇を取っていて、実は福島県をさりげなく訪れる予定であった。
苦難のうちにある人物などと交流することはなく、自分個人だけで彼の地に行き、自己完結し、その報告を世間に訴えようと思っていた。
しかし、行程を考えると、どうしても、現地での給油が必要となるも、その段取りがつかず、ガソリン携行缶も手に入らず、やはり、断念せざるを得なかった。
「くそっ、オレは何の為に生きているか分からねぇ・・・」と虚脱状態の中で、悔しさ紛れで、昨日は、今週公開の映画作品を日に3本見た。
◇
『映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 黄金のスパイ大作戦』
正直、今回の「映画 しんちゃん」はパッとしなかった。
作品的にはきっちりと作っていたのだけど、映画的な「打ち上げ花火」がなかった
前々作(クリック!)の「しんちゃん家族オール動物化」や、前作(クリック!)などにあった、作品を牽引するような「しんちゃんの未来の嫁さん登場」なんて大きな興味を惹く要素がなかった。
やや「おなら」と言う準下ネタに頼りきりのきらいもあったが、展開自体は、こまめにギャグを挿入して面白かったのだが・・・。
今回のヒロイン・レモンは、スカシぺスタン国の少女スパイなのだが、先の『のび太と鉄人兵団』(クリック!)のリルルよろしく、主人公を騙していた悪女である。
このような役は、どうしても、北朝鮮の工作員の雰囲気を醸し、リルルなどはそれが明白であった。
が、レモンにおいては、その連想が起きないほどにぼかされていた。
しかし、後半になって、スカシぺスタン国のスパイたちによってしんちゃんファミリーが拉致されるにあたって、ぼかしていてさえも、「悪から連想されるは北朝鮮」が溢れ出すのだった。
クライマックスは、味方になったレモンとしんちゃんの脱出行が描かれるのだが、どうしても単調だった。
単調と言うか、なんかノンビリしていた。
そのノンビリさと言うのは、先に見た、古き良き時代のスパイ映画的な『ツーリスト』(クリック!)のスローテンポに似ていた。
と、考えると、いつも緻密な計算で作品作りをしている「しんちゃん」スタッフなので、「黄金のスパイ大作戦」のタイトルにちなみ、往年の「007」的な展開を模していたのかも知れない。
なのに、大震災の渦中でもあり、私に作品を隅々まで堪能する余裕がなかったのだろうか?
観ている最中にも、大きな余震がありましたし、映画館と言うものは、ある意味、逃げ場の少ない密室なので、ちょいと肝を冷やされた。
それから、しんちゃんが、ヘーデルナ王国を脱出する際、通路で、流し込まれたトロロイモから逃げるアクションがあるのだけど、
あそこ、全然説明不足だけど、映画『シャイニング』を模したシーンがあったよね。
もしかして、あのような遊び心は、作品全体に隠されているのだろうか?
◇
『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』
「しんちゃん」の今年の作品と同じく、今回の「コナン」新作も、前々作(クリック!)の「黒服の男たちとの直接対決」、前作(クリック!)の「怪盗キッドとの勝負」のような目玉テーマに欠けた作品だった。
が、「コナン」においては、コナンと蘭や園子や哀、阿笠博士や毛利探偵、少年探偵団との交流が丁寧に描かれていて良い雰囲気が出ていた。
特に少年探偵団の吉田歩美が全編出ずっぱりで可愛くて可愛くて^^
・・・ニット帽のポンポン耳がかわゆす^^
で、今回の作品を見て思ったのが、「コナン」での、犯人の犯罪行為と、そのトリック解明は、あくまでも作品上の保険に過ぎないのだな、だった。
明らかに、冒頭の電車爆発脱線首都高暴走や、クライマックスのダム決壊の中での、コナンのターボエンジン付きスケートボードでの活躍の方が楽しいことに気付いたのだ。
もちろん、ミステリとしてのサスペンス要素がアクションを盛り上げている。
阿笠博士の発明した「007」的なアイテムも、必ず、作品の重要なシーンで活躍している。
これらの道具の使用の演出の見事さには、いつも感心させられる。
また、コナンと蘭との恋愛も、作品の終盤で、必ず、こちらの胸を切なくさせてくれる。
今回の終幕での、絶体絶命のコナンが、蘭の最後の叫びに反応し、指一本で発動させられる阿笠博士の秘密道具を使ったのはよかった、嬉しい驚きだ^^
それから、ゲストキャラの冬馬やみずき(メガネ外した後)のキャラデザインを見たら、
原作の、青山剛昌のくっきりとした描線が、『ぼくのマリー』の竹内桜や、『さよなら 絶望先生』の久米田康治のようなシャープでスタイリッシュな画風であることに改めて気付き、それもまた人気の一要素であることを改めて思った。
ぼくのマリー 5 (ヤングジャンプコミックス)竹内 桜集英社
さよなら絶望先生(25) (少年マガジンコミックス)久米田 康治講談社
◇
『エンジェル ウォーズ』
これは問題作でしょう。
はっきり言って、「真面目な作家が、オタク文化に憧れて、その要素をいっさいがっさい詰め込んでみたけど、全く萌えない作品を作ってしまった」てな体裁だ。
しかし、監督のザック・スナイダーは、硬派な娯楽作品を作らせたらピカイチでもあるので、かなり魅せてくれる。
序盤の、主人公<ベイビードール>が対決する三匹の巨人武者との対決などは、アクション3Dゲームの亜流のようでいて、解像度も高く粗もなく、見るにあたってのスピード感もほど良く非常に興奮した。
しかし、肝心の<ベイビードール>の「セーラー戦士」としての肢体をねちっこく、イヤらしい視点で映し出す執拗さが、作り手にはないんだよなぁ。
もっと、「少女の汗」「少女の粘液」を描写しなくっちゃあ!!
もっとも、「萌えない」ってのは予告編の時点から薄々分かっていたので、そんな期待を差っ引いて見たのだが、それでも、「やりたいことは分かるが、不親切な、それでいて、妙なトコに拘泥している、ちょいと面倒くさい作品」であった。
主演の五人の娘は、それぞれが可愛く見えるときもあり、でも、可愛く見えないときもあり、始終、可愛い顔を見せてくれるアニメのヒロインを目指していると考えると役不足であった。
みんな、正直に言って「少女」でなく、「女」であるのも、見ていて辛いものがあった。
ただ、主人公の<ベイビードール>は、少女に見える瞬間もあった・・・(不安げな表情と上唇のめくれ具合)。
想像してみ、少女時代のダコタ・ファニングや「キック・アス」(クリック!)の子や、大橋のぞみや海宝真珠をズラリと並べた『エンジェル ウォーズ』が実現したら、もう、それは「神の世界」であろう^^v
まあ、それについては、見る男の好みの問題でもあると思う。
私は、「男は全てロリコンであらねばならない」「あらねば嘘だ!」と思っているのだが、
私から見たら、ちょいと肉がつきすぎの、全く淑女に見えない小向美奈子に熱狂する人もいるみたいだからな。
花と蛇3 特別版【Blu-ray】クリエーター情報なしTOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
小向美奈子に比べたら、主演の五人の均整の取れた身体は非常に美しい。
<ベイビードール>の、ヘソ出しセーラー服から垣間見られる腹筋などは無駄がなく、それでいて割れすぎていることなく惚れ惚れする。
・・・財産目当ての義父の陰謀で、精神病院に収容された<ベイビードール>は、そこで「脱獄」のために、四人の仲間と架空の世界に想像を羽ばたかせる。
幾つかの世界を旅する。
それぞれ、和風、大戦風、西洋中世風、未来世界風・・・、と、趣向を凝らしているようでいて、全部、同じ雰囲気なので、単調さは否めない。
ただ、それぞれの世界で、五人の指南役となる男を演じるスコット・グレンは、見る者の「思っていたような作品とは違う内容」の思いの中で、唯一理解しやすいキャラクターであり、やたらと格好よく見える「おいしい役割」を演じていたね^^
・・・「地図」「炎」「武器」「鍵」「?」と、五つのアイテムを集めていく<ベイビードール>たちの戦いは、次第に綻びを見せていく。
そこからが、なかなか楽しかった。
事務的にミッションをこなしてハッピーエンドへ至ると思われた、単調な作品(最新の映像技術なんて10分で飽きる)が、意外にも悲劇に突き進むのだ。
そこら辺の「定型外し」が、「萌え指向の定型外しまくり」のこの作品の中で、ザック・スナイダー本来の個性を出した唯一の長所のような気がする。
◇
なお、このサイトで得られる、微少なれどアフィリエイト収入は、全て、大震災の義援金に送るので、皆さん、気になるアイテムがあったら、このサイトを通して買ってみて下さい^^
(2011/04/17)