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Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
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[「第34回・羽村ゆとろぎ寄席」に行った]

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☆寝るくせに、スッカリ落語好きの母親がチケットを手配してくれ、母親の友人を伴ない、羽村の多目的文化会館「ゆとろぎホール」に寄席を聴きに行った。

 礼儀正しい係員さんにチケットをもぎってもらい、通路を進むと、何枚かチラシが置かれていて、なんか懐かしい感じがする顔が目についたと思ったら、鬼丸師匠じゃあないですか! 青梅の寄席に来るそうだ^^

 ババァと予約する。

 落語と言うのは、老若男女楽しめるのがいいね。

 私は、自分が楽しむのと、ババァ孝行と「一石(一席)二鳥」だ^^

   ◇

 会場の入りは七割から八割くらい、盛況だ^^

 先ずは、前座の雷門音助さんの「子ほめ」だ。

 この人、威勢のいい名前だが、なんか優しそうな優男だ。

 でも、噺はうまかった。

 楽しんだ^^

 とは言え、私が思うに、前座さんには、なんか苦言を語ったほうがよろしいんですよね。

 では。

 この「子ほめ」という噺は、口の悪いおっちょこちょいの男が、ご隠居さんに、人にお世辞を言うことを習って町で実践しようとして起こるドタバタ物語だ。

 この噺のキモは、私は前半にあると考える。

 前半のご隠居さんの語る、長い「お世辞の模範例」、それがはっきりと記憶に残ることが、後半の「お世辞の模範例」の変格での連続する笑いを生むと思う。

 その、前半の、こちらへの語りによる記憶付けが、いまいちだったかも知れない。

 だから、後半で、どこが面白いのかを簡単に説明しなくちゃいけない状況があるように思う・・・。

 続いて、三笑亭可龍さん。

 この方、母親の知り合いの息子さんなのだそうだ。

 まくらが、現代っ子の落語の聴き方を語ったのだが、その今風な語りが、面白いけど、私の好みではなかった。

 それは、私が桂春蝶さんの「地獄八景亡者戯」を聴いたときの、その、あまりにも現代的な味つけに鼻白んだのと似ているかも。

 時事問題を絡めたり、流行の口調を真似たりするのは、時に「やり過ぎ」の時がある。

 スパイス程度がよろしいかと。

 さて、演目は『七段目』と言う、おそらく、なかなか難しい噺だと思う。

 芝居好きの男が、実生活の節々に芝居のセリフを織り交ぜていく物語。

 瞬間瞬間に、色んな芝居パターンを披露する可龍さんの見せ所の実力^^

 とても面白い。

 が、私自身に芝居の知識がないので、充分に楽しめなかったのが残念でした。

 ・・・中入り。

 <コント D51>の二人の出番だ。

 これはもう、年配の二人の、何千回と演じられているだろう、老婆と先生のコント。

 おそらく、私も、テレビで何度も見たことあるのだろうが、はっきりと記憶にはない。

 あって当然のものとして見ていたと思う。

 しかし、ライブは、こちらが能動的に参加する。

 メチャクチャ面白くて、メチャクチャ笑わせられた^^

 母親も、母親の友人も、私の隣りの、コント上の「客いじり」の刑に処せられたおじさんもギャハギャハ笑った^^

 コントの作中舞台の場所は、営業の地名でちょくちょく変わるのだろう。

 羽村を「サクラ」とトチって言った箇所もあり、おそらく、最近、「佐倉」で公演したのかも。

 そんな好意的な解釈をしてしまうほどの空気感を一気に形成してしまう「いぶし銀」のコントだ。

 どちらがけんじさんで、どちらがまさしさんか分からないんだけど、コントをリードする老婆役の方が、ときおり、わざとに客席の一人一人を凝視するのだが、それがなかなかたまらない。

 落語家というのは、その辺をさりげなくしかしないのだが、コント屋の老婆は、ねめるように視る!

 それが、たまらない、ゾクゾクと興奮させられる^^

 年配なので、十年一日のマンネリ芸と思えて、そのマンネリが、かなり鋭くて、面白いのだ。

 必ずあるのが「老婆の千鳥足」なのだろうが、これは、何度見ても面白いだろうアクション芸で、見ていて安心して爆笑できる^^

 名人芸を楽しみました^^

 さて、トリは、桂南なんさんだ。

 爆笑芸の後に、さて・・・、と思ったが、そのゆっくりとした語り口で、一気に、客席を落語体勢に引き戻した。

 爆笑から、クスクス笑いへ・・・。

 この方、顔が曲がっている^^

 また、禿げ上がった頭の奥の分け具合も、その曲がりに沿っているので、丸顔なのに、客には「くの字」に見えるという不思議な「トリックアート」のような容貌だった。

 ゆっくりとした語り口と、「騙し絵」幻惑効果が、私を噺に誘った。

 演目は、「阿武松」だ。

 名横綱の、若き日の挫折と、才能を見出されるに至る物語・・・、っちゅうても、この話の時点では、ただの常軌を逸した食いしん坊でしかない^^;

 かような実在の人物の、なんちゅうか伝記的な噺は、先代の三遊亭圓楽の『助六伝』や、歌丸さんの『ねずみ』での左甚五郎が、私の浅い落語拝聴経験では記憶に残っているのだが、

 こういった噺は、思わず、聞き込んでしまう。

 南なんさんの演じ分けは、かなり自然で、トリックアートで引き込まれ、それがいつしか本題で引き込まれるという面白さがあった^^

                                              (2012/12/09)

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