☆三遊亭鬼丸師匠の一席目「茶の湯」は、実に笑いどころの多い噺であった。
趣味なく隠居の身になった御老人が、小僧の定吉に見栄を張り、知りもしない茶道をはじめてから起こる一悶着の物語。
知識のないご隠居が、自身驚きつつ珍茶道を行なう(1)。
それにつきあわなくてはならない天然な性格の定吉の苦痛(2)。
定吉に巻き込まれた、茶道に無知な近所の方々の艱難(3)。
茶道をかじった金さんのかつてない戸惑い(4)。
普通ならば、(1)と(2)で盛り上がるところを、更に、二段階、話が拡張する。
そもそもが、無知な茶道なので、緑茶の緑は「青きな粉」、茶筅で掻き混ぜたあわ立ちは「ムクの皮(洗濯に使っていたもの)」で、飲めた代物ではないのだ。
それを飲み、不味さに驚愕する表情が、ご隠居・定吉・近所の3人・金さんと繰り返されるんだからたまらない面白さだ。
鬼丸師匠の表情の芸も見事!^^
また、ちょっと、この噺で面白いなと思ったのは、無知なご隠居に、茶道の材料を頼まれた定吉が「行って来ます!」と言った瞬間に「ただいま戻りました!」と買い物を済ましてくるのである。
「青きな粉」と「ムクの皮」、買い物は二度繰り返されるのだが、この、間(ま)を全く排除した展開ってのも、実に面白い。
◇
続いて、桂春蝶さん。
先ずは、噺のまくらに、先の「鶴vs鬼」のエピソードの完全版を語ってくれた(春蝶さんは「六本木つるとんたん事件」と呼んでいる)。
私が先に書いた話と異なる点と面白い点を抽出して書きたい^^(テープ起こししたわけではないので、うろ覚えではありますよ!^^)
先ず、前提事項として、現・木久蔵さんと親しい鬼丸師匠が、春蝶さんを交えて飲んだときから始まる(なお、私はラジオを聞いて親しみを感じているので、鬼丸師匠には「師匠」をつけますが、他の噺家さんは「さん」付けで勘弁させて頂きます。そうしないと師匠ばっかになっちゃうから^^;)。
さて、その時の鬼丸師匠のツッコミがあまりにも激しいので、この世界の先輩である春蝶さんが新鮮に思いつつ指摘すると、
鬼丸師匠は答えたそうだ。
「基本的に、自分は、あまり、まわりを気にしないことにしてるんスよ。クヨクヨもしないんですよね」
なんか、私、この時の鬼丸師匠の顔が思い浮かぶんですよね〜^^
「ほーっ」と春蝶さんは、そんな鬼丸クンにえらく感心したのだそうだ。
さて、ここで、いま一度、こちらのエントリーを読み直してみてください。
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これから、このエントリーを読んで頂いたことを前提に違いを書いていきます。
・・・先ず、飲み屋さんで、テーブルについてくれた女の子が、非常に無礼だが、的を得たことを言う娘で、
「鶴瓶さん、貴方ほどの地位を築いた方が、そんな自慢ばかり言っていてはしらけるだけです。そんなことだと足元すくわれますよ。最近、メチャクチャ面白い人も出てきているんだから!」
すると、鶴瓶さん、ニヤニヤしながら嬉しそうに「誰や?」と聞く。
「落語家さんよ!」
すると、同じ業界と聞き、今度は、その場にいた鶴瓶、談春、昇太、春蝶が色めき立ち、同時に言う。
「誰や!?」
すると、娘、勝ち誇った顔で叫ぶ。
「三遊亭鬼丸よぉッ!!」
間髪入れずに、鶴瓶、談春、昇太が叫ぶ!
「誰や!?」
・・・ここを語った春蝶さん、さすがに上方落語家!(かは分からないが) 実に、畳み掛けるような話し振りが面白い^^
かくして、見知っていた春蝶さんが、鬼丸師匠に電話をかけるのだった。
鬼丸師匠は、その時、今シーズンの優勝の可能性が濃厚であった西武ライオンズの応援に、ライオンズ球場で応援していたのだそうだ。
もちろん、お酒も飲んでいただろう・・・。
そして、全てを、春蝶さんのいまいち面白くないジョークだと思っていた鬼丸師匠は、人気落語家三大巨頭に失礼な口を利いてしまうのだった・・・。
で、鶴瓶さん、春蝶さんに「写メ送ってやれや、グフフ^^」と言う。
春蝶さん、みんなをフレームに収め、パシャッ!
すぐに、鬼丸アドに送信するのだった。
写真は送信するに、数秒の時間を要する。
26%、・・・42%、・・・67%・・・、86%・・・、まだ届いていない。
にもかかわらず、写真を見たと思しき鬼丸師匠が、血相を変えて電話をしてきた。
時空を超えたかぶり具合!!
春蝶さんは、普通に電話に出ようとする。しかし・・・。
「出るなッッ!!」
鶴瓶師匠、かつてない恐ろしい表情で叫んだのだった。
春蝶さん、「あんな恐い鶴瓶師匠の顔は初めてだった」とのこと。
◇
次回、「後編・下」に続きます^^
「六本木つるとんたん事件」→「私の嘘・脚色について」→「春蝶さん、地獄八景亡者の戯れ」→「鬼丸師匠・へっつい幽霊」→「私の考える間(ま)なし」についてです。
・・・はぁ、しかし、今日の『GOGOMONZ』、私、かなりの自信作を二通も送ったのに、読まれなかった・・・、悔しい、キーッ!
(2012/11/15)
趣味なく隠居の身になった御老人が、小僧の定吉に見栄を張り、知りもしない茶道をはじめてから起こる一悶着の物語。
知識のないご隠居が、自身驚きつつ珍茶道を行なう(1)。
それにつきあわなくてはならない天然な性格の定吉の苦痛(2)。
定吉に巻き込まれた、茶道に無知な近所の方々の艱難(3)。
茶道をかじった金さんのかつてない戸惑い(4)。
普通ならば、(1)と(2)で盛り上がるところを、更に、二段階、話が拡張する。
そもそもが、無知な茶道なので、緑茶の緑は「青きな粉」、茶筅で掻き混ぜたあわ立ちは「ムクの皮(洗濯に使っていたもの)」で、飲めた代物ではないのだ。
それを飲み、不味さに驚愕する表情が、ご隠居・定吉・近所の3人・金さんと繰り返されるんだからたまらない面白さだ。
鬼丸師匠の表情の芸も見事!^^
また、ちょっと、この噺で面白いなと思ったのは、無知なご隠居に、茶道の材料を頼まれた定吉が「行って来ます!」と言った瞬間に「ただいま戻りました!」と買い物を済ましてくるのである。
「青きな粉」と「ムクの皮」、買い物は二度繰り返されるのだが、この、間(ま)を全く排除した展開ってのも、実に面白い。
◇
続いて、桂春蝶さん。
先ずは、噺のまくらに、先の「鶴vs鬼」のエピソードの完全版を語ってくれた(春蝶さんは「六本木つるとんたん事件」と呼んでいる)。
私が先に書いた話と異なる点と面白い点を抽出して書きたい^^(テープ起こししたわけではないので、うろ覚えではありますよ!^^)
先ず、前提事項として、現・木久蔵さんと親しい鬼丸師匠が、春蝶さんを交えて飲んだときから始まる(なお、私はラジオを聞いて親しみを感じているので、鬼丸師匠には「師匠」をつけますが、他の噺家さんは「さん」付けで勘弁させて頂きます。そうしないと師匠ばっかになっちゃうから^^;)。
さて、その時の鬼丸師匠のツッコミがあまりにも激しいので、この世界の先輩である春蝶さんが新鮮に思いつつ指摘すると、
鬼丸師匠は答えたそうだ。
「基本的に、自分は、あまり、まわりを気にしないことにしてるんスよ。クヨクヨもしないんですよね」
なんか、私、この時の鬼丸師匠の顔が思い浮かぶんですよね〜^^
「ほーっ」と春蝶さんは、そんな鬼丸クンにえらく感心したのだそうだ。
さて、ここで、いま一度、こちらのエントリーを読み直してみてください。
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・・・先ず、飲み屋さんで、テーブルについてくれた女の子が、非常に無礼だが、的を得たことを言う娘で、
「鶴瓶さん、貴方ほどの地位を築いた方が、そんな自慢ばかり言っていてはしらけるだけです。そんなことだと足元すくわれますよ。最近、メチャクチャ面白い人も出てきているんだから!」
すると、鶴瓶さん、ニヤニヤしながら嬉しそうに「誰や?」と聞く。
「落語家さんよ!」
すると、同じ業界と聞き、今度は、その場にいた鶴瓶、談春、昇太、春蝶が色めき立ち、同時に言う。
「誰や!?」
すると、娘、勝ち誇った顔で叫ぶ。
「三遊亭鬼丸よぉッ!!」
間髪入れずに、鶴瓶、談春、昇太が叫ぶ!
「誰や!?」
・・・ここを語った春蝶さん、さすがに上方落語家!(かは分からないが) 実に、畳み掛けるような話し振りが面白い^^
かくして、見知っていた春蝶さんが、鬼丸師匠に電話をかけるのだった。
鬼丸師匠は、その時、今シーズンの優勝の可能性が濃厚であった西武ライオンズの応援に、ライオンズ球場で応援していたのだそうだ。
もちろん、お酒も飲んでいただろう・・・。
そして、全てを、春蝶さんのいまいち面白くないジョークだと思っていた鬼丸師匠は、人気落語家三大巨頭に失礼な口を利いてしまうのだった・・・。
で、鶴瓶さん、春蝶さんに「写メ送ってやれや、グフフ^^」と言う。
春蝶さん、みんなをフレームに収め、パシャッ!
すぐに、鬼丸アドに送信するのだった。
写真は送信するに、数秒の時間を要する。
26%、・・・42%、・・・67%・・・、86%・・・、まだ届いていない。
にもかかわらず、写真を見たと思しき鬼丸師匠が、血相を変えて電話をしてきた。
時空を超えたかぶり具合!!
春蝶さんは、普通に電話に出ようとする。しかし・・・。
「出るなッッ!!」
鶴瓶師匠、かつてない恐ろしい表情で叫んだのだった。
春蝶さん、「あんな恐い鶴瓶師匠の顔は初めてだった」とのこと。
◇
次回、「後編・下」に続きます^^
「六本木つるとんたん事件」→「私の嘘・脚色について」→「春蝶さん、地獄八景亡者の戯れ」→「鬼丸師匠・へっつい幽霊」→「私の考える間(ま)なし」についてです。
・・・はぁ、しかし、今日の『GOGOMONZ』、私、かなりの自信作を二通も送ったのに、読まれなかった・・・、悔しい、キーッ!
(2012/11/15)