Quantcast
Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3482

[小説『ジョジョの奇妙な冒険 <The Planet Of Carz> ≪3≫』]

$
0
0
☆   『ジョジョの奇妙な冒険 <The Planet Of Carz> ≪3≫』

     ▽謎の宇宙ゴミ(その3)

 <ロッキュー・アイオー>からの通信は続く。

「・・・1939年のことだ・・・。大戦が迫る中、我々<財団>は、宇宙のある一角・・・、そう、宇宙のとある一角を監視対象においた。当時の科学力で最高水準の観測装置を用い、財団の総力を結集し、その物体を監視した。管理などは、現場に行く技術を持たぬ、宇宙に行くことなどの出来ない当時の我々には出来ないことだった・・・」

 ジャクソン船長は、葉巻を燻らせながら静かに聞く。

 タケモト技師は、音声の流される大きな曲線を基調にしたロボット・クラウドの姿と、デッキ正面の巨大スクリーンに映されている<物体>のシルエットを交互に見た。

「・・・それは、戦争の脅威などよりも、よっぽど危険なものだった。もちろん、俺はそれを直には知らない。しかし、俺は曽祖父の口伝を信じているし、財団は、それを[人類史上最重要危機的プロブレム]と捉えている。・・・だが、1960年から1980年の間、各国の宇宙開発を我らが規制していた頃、肝心の<物体>監視が形式に堕していた。<物体>が徐々に徐々に・奇妙に奇妙にスケールを増していることに気付かなかったんだ・・・」

「・・・ええっ! 元はどれほどの大きさだったのですか?」とタケモト技師が思わず問うてしまうのだった。

 ジャクソン船長は、そんなタケモトの無作法を睨む。

「・・・、・・・元は、2メートル強の大柄な人間ほどのサイズだ!」

     

「人間のサイズ!!!」

「そう! <物体>は<生物>なんだ! それが、いまや、10キロの大きさにまで<成長>してしまっている!!! 他のデブリを取り込んだり、おそらく、内部で自己増殖を繰り返し、あのような巨大化を果たしてしまった・・・」

「あれが、<生物>・・・」

 そう呟くタケモトと、ジャクソンは、スクリーンを仰ぎ見た。

 物体は迫っており、その暗い表面には、土石質とは別に、筋肉のような血管の浮き上がりの蛇行と赤みも感じられるような気がした。

「作戦の細かい点は、<リング>にデータを送っている。まあ、それを読んでくれ、その後、最終的な打ち合わせをしようじゃないか! ・・・、・・・財団は、こうして、二人の最強のスタンド使いを<カーズ>のもとに送り込めた。どうにか、人類史上最大の危機は避けられる、そう思うよ、このロッキュー・アイオーは。ほんじゃ、アディオス! じゃなかった。それじゃ、長い別れの意味になっちゃう^^; では、チャオ!!^^」

 !!!

 今、変なことを言ったぞ!

    「財団は、こうして、二人の最強のスタンド使いを<カーズ>のもとに送り込めた」、だと!!!

「ええっ!?」

 ジャクソンとタケモトは顔をつきあわせた!

                                              (続く 2012/10/07)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3482

Trending Articles