☆東西冷戦下、英国の、対ソビエト諜報戦の物語。
主人公ジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)が属しているのは英国MI6で、話のメインが「英国諜報部(通称サーカス)内に潜む二重スパイを探し出す」であるので、
物語は、雰囲気的に、英国諜報部の「見えない敵からの防戦」あるいは「内紛」的だ。
派手な爆発や銃撃戦はなく、初老を迎えたゲイリー・オールドマンが、その外見・演技と同じく、内部調査を堅実に、粛々と行なっていく。
私などはすぐに、そもそもの「二重スパイ」がスマイリーで、それがオチになるのだろう、などと考えていたのだが、
この作品は、その類いのエンターテイメント作品ではなかった。
ひたすらに、携帯などない時代の諜報戦をリアルに、重厚に描いていく。
・・・最初から、それ(スマイリーがニ重スパイでないこと)だけでも分かっていれば、こちらも、もっと余裕を持った鑑賞が出来たのになぁ・・・。
そのリアルさに、私も酔いしれればいいのだが、残念ながら、私は、そこに退屈さと、リアルさ重視故の「物語の起伏のなさ」を感じてしまった。
「サーカス」内の裏切り者候補は4人(それぞれ通称:ティンカー・テイラー・ソルジャー・プアマン)で、
私は、その4人が推理物においての容疑者のように、スマイリーの捜査の俎上に繰り返し上がってくるものと思っていたのだが、そこら辺は、捜査の帰結として、一人の二重スパイが浮かび上がってくると言う展開となり、ちょっと拍子抜けした。
そして、その「浮かび上がり」なのだが、4人の容疑者がそれぞれ、ソビエトとのバーターでの情報取引があり、私は「オリエント急行殺人事件か?」とも思ってしまったもので、
実は、その中に、真の機密事項を漏らしている二重スパイがいる、と言うことなのだが、
最終的に、4人の内から一人が二重スパイとして抜きん出ている、という、展開上の納得できる理由が見当たらないのも辛かった。
ただ、二つの、意味は分からないが、何となく効果を持つ演出がある。
それは、ソビエト諜報部KGBの大立者である非情な男・カーラと、
諜報戦には直接的な関係はないが、スマイリーの奥さんがいて、
この2人、作中で、姿を現わさないのだ。
現わさないことによって、国際諜報戦の闇の奥…、情愛の理由のなき深さ…、が、作品に物理的なスケール感と心理的なディープさを付加してくれていた。
作中の折々とエンディングで、、かつてのリーダーのもとでのメンバーとその家族のパーティー風景がカットインされる。
いいシーンではあるが、この硬質な作風の中では、そこに情感は起こり難い^^;
◇
かつてのリーダー(通称:コントロール)を演じたジョン・ハートの風貌の味わいはいいね。
私が初めて知ったジョン・ハートは、中学のときに観た「エレファントマン」の主役だ^^;
思えば、不幸な出会いだ・・・。
紅一点役のスヴェトラーナ・コドチェンコワは、こりゃ、かつてのナスターシャ・キンスキーみたいな美しさ^^
私も、こんな女のためなら、作中の若い工作員と同じく、危険を顧みず助けに走り、最後の賭けに出て・・・、そして、スパイ引退し、余生を仲良く暮らしたいと願います^^
ただ、彼女の結末と、冒頭の、ブダペストでの赤ちゃんを抱いた母親の流れ弾による死は、作品の傾向を表わしていますが、私的には見ていて辛い展開だった・・・。
それから、作中に、別個に2組のシリアスなホモが出てくるが、登場人物の数に比べ、ホモ・パーセンテージ高過ぎ!!!^^;
(2012/06/19)
主人公ジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)が属しているのは英国MI6で、話のメインが「英国諜報部(通称サーカス)内に潜む二重スパイを探し出す」であるので、
物語は、雰囲気的に、英国諜報部の「見えない敵からの防戦」あるいは「内紛」的だ。
派手な爆発や銃撃戦はなく、初老を迎えたゲイリー・オールドマンが、その外見・演技と同じく、内部調査を堅実に、粛々と行なっていく。
私などはすぐに、そもそもの「二重スパイ」がスマイリーで、それがオチになるのだろう、などと考えていたのだが、
この作品は、その類いのエンターテイメント作品ではなかった。
ひたすらに、携帯などない時代の諜報戦をリアルに、重厚に描いていく。
・・・最初から、それ(スマイリーがニ重スパイでないこと)だけでも分かっていれば、こちらも、もっと余裕を持った鑑賞が出来たのになぁ・・・。
そのリアルさに、私も酔いしれればいいのだが、残念ながら、私は、そこに退屈さと、リアルさ重視故の「物語の起伏のなさ」を感じてしまった。
「サーカス」内の裏切り者候補は4人(それぞれ通称:ティンカー・テイラー・ソルジャー・プアマン)で、
私は、その4人が推理物においての容疑者のように、スマイリーの捜査の俎上に繰り返し上がってくるものと思っていたのだが、そこら辺は、捜査の帰結として、一人の二重スパイが浮かび上がってくると言う展開となり、ちょっと拍子抜けした。
そして、その「浮かび上がり」なのだが、4人の容疑者がそれぞれ、ソビエトとのバーターでの情報取引があり、私は「オリエント急行殺人事件か?」とも思ってしまったもので、
実は、その中に、真の機密事項を漏らしている二重スパイがいる、と言うことなのだが、
最終的に、4人の内から一人が二重スパイとして抜きん出ている、という、展開上の納得できる理由が見当たらないのも辛かった。
ただ、二つの、意味は分からないが、何となく効果を持つ演出がある。
それは、ソビエト諜報部KGBの大立者である非情な男・カーラと、
諜報戦には直接的な関係はないが、スマイリーの奥さんがいて、
この2人、作中で、姿を現わさないのだ。
現わさないことによって、国際諜報戦の闇の奥…、情愛の理由のなき深さ…、が、作品に物理的なスケール感と心理的なディープさを付加してくれていた。
作中の折々とエンディングで、、かつてのリーダーのもとでのメンバーとその家族のパーティー風景がカットインされる。
いいシーンではあるが、この硬質な作風の中では、そこに情感は起こり難い^^;
◇
かつてのリーダー(通称:コントロール)を演じたジョン・ハートの風貌の味わいはいいね。
私が初めて知ったジョン・ハートは、中学のときに観た「エレファントマン」の主役だ^^;
思えば、不幸な出会いだ・・・。
紅一点役のスヴェトラーナ・コドチェンコワは、こりゃ、かつてのナスターシャ・キンスキーみたいな美しさ^^
私も、こんな女のためなら、作中の若い工作員と同じく、危険を顧みず助けに走り、最後の賭けに出て・・・、そして、スパイ引退し、余生を仲良く暮らしたいと願います^^
ただ、彼女の結末と、冒頭の、ブダペストでの赤ちゃんを抱いた母親の流れ弾による死は、作品の傾向を表わしていますが、私的には見ていて辛い展開だった・・・。
それから、作中に、別個に2組のシリアスなホモが出てくるが、登場人物の数に比べ、ホモ・パーセンテージ高過ぎ!!!^^;
(2012/06/19)