☆この間、バイトで西生田を歩いていたら、ダンボールの中に「御自由にお持ち下さい」と本が十数冊置かれていた。
司馬遼太郎の数冊を私は貰う。
で、今、風呂に入りながら、『この国のかたち(五)』を読んでいた。
この国のかたち〈5〉 (文春文庫)司馬 遼太郎文藝春秋
どうも、「この国」と言う表現が多用されていて、なんか、「自分の国を自分の国として見ていない外人めかした日本人が、自国をややシニカルに見つめ書いている」てな雰囲気が感じられ、腹が立ちつつ、読み進めた。
そう言えば、筑紫哲也も、何かと言うと「この国」「この国」と連発していたなぁ・・・。
しかも、司馬遼太郎は、けして文章は上手くない・・・。
で、話を戻すが、以下のような文章を読んで、思い出したことがあった。
《・・・古代にも釣りがあったが、この列島に住む人達が得意としたのは、『魏志倭人伝』にもあるように「沈没して魚介」を獲る漁法であった。・・・》
以前、働いていた会社には、山口県は漁港出身の男がいて、休憩時間など、海に潜って海底の魚貝を獲っていた話などを嬉々として話してくれて、その話が妙に面白く、私の脳裏には、海底から海面を見上げると、海面がキラキラしていたなどと言う状景が浮かび、妙に感動させられたものである^^
で、彼は、ある日、海面まで潜った時に、大きなあわびを見つけて、大喜びしたそうだ。
手にして海面まで上がり、お兄さんに見せると、「これを見ろ!」とあわびを示しつつ怒られるのだった。
あわびの殻の部分には、人為的なキズが付けられていて、それは、つまり、誰かの「これは俺が先に見つけて、今は、もっと大きく育つまで寝かしているものだ!」を意味していたそうだ。
彼は、しぶしぶ、その大きなあわびを、元のところ(海底)に置いてきた・・・。
私は、この話を聞き、「朝日新聞珊瑚記事捏造事件」を思い出すのだった。
《・・・朝日新聞東京本社版の1989年(平成元年)4月20日付夕刊の連載企画「写'89『地球は何色?』」[1]に、高さ4m、周囲20mという世界最大級のアザミサンゴとしてギネスブックにも掲載されたことがある珊瑚が傷つけられた6段抜きの大きなカラー写真が掲載された。この記事では「沖縄県西表島のアザミサンゴに落書きがあることを発見した、として以下のような新聞記事を掲載した。
“ 「サンゴ汚したK・Yってだれだ」
これは一体なんのつもりだろう。(中略)「K・Y」のイニシャルを見つけたとき、しばし言葉を失った。
(中略)日本人は、落書きにかけては今や世界に冠たる民族かもしれない。だけどこれは、将来の人たちが見たら、
八〇年代日本人の記念碑になるに違いない。精神の貧しさの、すさんだ心の……。 にしても「K・Y」ってだれだ。 ”
しかし地元の沖縄県竹富町ダイビング組合が「サンゴにこれまで傷は全くなかった、サンゴに書かれた落書きは、取材者によるものではないか」との抗議が寄せられた。・・・》
海底というのは、そこに至る「道」を考えると、限定事項があり、本格ミステリにおける「密室」が成立し得る。
故に、「K.Y」の文字が朝日記者によって為されたものだと確定された。
私が驚くのは、この「K.Y」の文字が、5年ほど前に流行った言葉「KY(空気読めない・読めてない)」を先取りしていることだ。
この偶然は、あまりにも面白い。
それと、私は、この「朝日新聞珊瑚記事捏造事件」ってのは、日本の犯罪史上の、低劣なるもののエポックに思えてしょうがない。
一つ目に、状況の提供者の善意につけ込む。
二つ目に、仕掛けた側のリスクが少ない。
三つ目に、無の状況から、騒ぎ立てて問題をこしらえる。
四つ目に、日本人の道徳観点では、歴史上、滅多にあり得ない犯罪。
類似事件として「旧石器捏造事件」があり、これにて「朝日新聞珊瑚記事捏造事件」が上塗りされて、ズバリ、この事件の流れが、「野菜泥棒」や「オレオレ詐欺」と言う、それまでの日本国の常識ではあり得ない、犯罪の美学さえ無き、無感情の人間の行なう「何でもあり状況」へと変貌して行ったのだと考えている。
(2012/05/15)
司馬遼太郎の数冊を私は貰う。
で、今、風呂に入りながら、『この国のかたち(五)』を読んでいた。
この国のかたち〈5〉 (文春文庫)司馬 遼太郎文藝春秋
どうも、「この国」と言う表現が多用されていて、なんか、「自分の国を自分の国として見ていない外人めかした日本人が、自国をややシニカルに見つめ書いている」てな雰囲気が感じられ、腹が立ちつつ、読み進めた。
そう言えば、筑紫哲也も、何かと言うと「この国」「この国」と連発していたなぁ・・・。
しかも、司馬遼太郎は、けして文章は上手くない・・・。
で、話を戻すが、以下のような文章を読んで、思い出したことがあった。
《・・・古代にも釣りがあったが、この列島に住む人達が得意としたのは、『魏志倭人伝』にもあるように「沈没して魚介」を獲る漁法であった。・・・》
以前、働いていた会社には、山口県は漁港出身の男がいて、休憩時間など、海に潜って海底の魚貝を獲っていた話などを嬉々として話してくれて、その話が妙に面白く、私の脳裏には、海底から海面を見上げると、海面がキラキラしていたなどと言う状景が浮かび、妙に感動させられたものである^^
で、彼は、ある日、海面まで潜った時に、大きなあわびを見つけて、大喜びしたそうだ。
手にして海面まで上がり、お兄さんに見せると、「これを見ろ!」とあわびを示しつつ怒られるのだった。
あわびの殻の部分には、人為的なキズが付けられていて、それは、つまり、誰かの「これは俺が先に見つけて、今は、もっと大きく育つまで寝かしているものだ!」を意味していたそうだ。
彼は、しぶしぶ、その大きなあわびを、元のところ(海底)に置いてきた・・・。
私は、この話を聞き、「朝日新聞珊瑚記事捏造事件」を思い出すのだった。
《・・・朝日新聞東京本社版の1989年(平成元年)4月20日付夕刊の連載企画「写'89『地球は何色?』」[1]に、高さ4m、周囲20mという世界最大級のアザミサンゴとしてギネスブックにも掲載されたことがある珊瑚が傷つけられた6段抜きの大きなカラー写真が掲載された。この記事では「沖縄県西表島のアザミサンゴに落書きがあることを発見した、として以下のような新聞記事を掲載した。
“ 「サンゴ汚したK・Yってだれだ」
これは一体なんのつもりだろう。(中略)「K・Y」のイニシャルを見つけたとき、しばし言葉を失った。
(中略)日本人は、落書きにかけては今や世界に冠たる民族かもしれない。だけどこれは、将来の人たちが見たら、
八〇年代日本人の記念碑になるに違いない。精神の貧しさの、すさんだ心の……。 にしても「K・Y」ってだれだ。 ”
しかし地元の沖縄県竹富町ダイビング組合が「サンゴにこれまで傷は全くなかった、サンゴに書かれた落書きは、取材者によるものではないか」との抗議が寄せられた。・・・》
海底というのは、そこに至る「道」を考えると、限定事項があり、本格ミステリにおける「密室」が成立し得る。
故に、「K.Y」の文字が朝日記者によって為されたものだと確定された。
私が驚くのは、この「K.Y」の文字が、5年ほど前に流行った言葉「KY(空気読めない・読めてない)」を先取りしていることだ。
この偶然は、あまりにも面白い。
それと、私は、この「朝日新聞珊瑚記事捏造事件」ってのは、日本の犯罪史上の、低劣なるもののエポックに思えてしょうがない。
一つ目に、状況の提供者の善意につけ込む。
二つ目に、仕掛けた側のリスクが少ない。
三つ目に、無の状況から、騒ぎ立てて問題をこしらえる。
四つ目に、日本人の道徳観点では、歴史上、滅多にあり得ない犯罪。
類似事件として「旧石器捏造事件」があり、これにて「朝日新聞珊瑚記事捏造事件」が上塗りされて、ズバリ、この事件の流れが、「野菜泥棒」や「オレオレ詐欺」と言う、それまでの日本国の常識ではあり得ない、犯罪の美学さえ無き、無感情の人間の行なう「何でもあり状況」へと変貌して行ったのだと考えている。
(2012/05/15)