☆かなり面白かった。
幼い頃から宇宙を目指していた兄弟・・・、
成長するに従って、兄の大いなる影響を受けてまっすぐ育った弟は、NASAの宇宙計画に参加する宇宙飛行士にまでなっていた。
しかし、兄のほうは、多くの才能に恵まれども、サラリーマンとしてくすぶっていた・・・。
タイトルバックは、これまでの宇宙計画を、画像コラージュで表現したようなポップな画面作り。
そして、物語全体も、夢を誓った少年時代(1)、そして現代(2)を織り交ぜたモンタージュ。
物語の全般も、弟・ヒビトの月への旅立ち(3)と、弟の後押しによるJAXAの宇宙飛行士募集選考試験(4)に挑む兄・ムッタの様子が交互に描かれる。
時間軸や距離感の断絶を、うまく編集することによって、テーマ的な盛り上がりを見せてくれる。
なかなかのご都合主義のステロタイプで物語が進んでいくのだが、緩急をつけつつ、丹念に描写を重ねていくシナリオ・演出で、全く飽きることがない。
ムッタ役の小栗旬、ヒビト役の岡田将生、ともに顔のアップが多く、その表情の演技が情緒を深くしている。
どちらも、現代的な、すっとぼけた兄、天真爛漫な弟の姿なのだが、両者ともに、自分が100%の満足に至っていない哀しさを瞳に宿している。
上にナンバリングしたのだが、各エピソードで、見ているこちらに訴えるテーマを違えているのが良い。
(1)…夢見のノスタルジー
(2)…大人の社会の思い通りにならぬペーソス
(3)…栄光と好奇心の月世界旅行
(4)…勝負の構造・密室風味つけ(「ライアーゲーム」「カイジ」「インシテミル」っぽくもある)
それぞれが、密接に絡んでいるように見えて、(3)と(4)は、正直、レベルとベクトルが著しく異なる。
(3)は宇宙飛行士としての最先端であり、(4)は、宇宙飛行士に成れるかどうかさえ分からない状況だ。
しかし、興味深いと言う「状況」においては、どちらもモンタージュされると、妙な説得力で、見ているこちらの気持ちを引きつける。
だが、今回は、「これからの物語」としての終わりしかしていないはずだ。
ムッタが採用試験に合格し、弟と「宇宙兄弟」として月面に立つ、そのプロローグが語られたに過ぎない。
なのに、エンディングの10分ほどで、二人の「宇宙兄弟」としての成功が描かれてしまう。
おそらく、この物語のテーマは、今作品で全て語られているだろう。
しかし、二人(特に兄)の、宇宙飛行士としての成長・訓練の中で、テーマが繰り返し繰り返されることこそが、物語の深みと言うか、人生の機微っちゅうものであり、
私は、この作品、せめて二部作として完成させるべきだったんじゃないかなとは思うのだ。
しかし、邦画の特撮技術も、洋画に全く遜色なくなってきたね。
ただ、この作品においては良いほうに作用したが、いまいち、スケール感に欠けているよね。
そこは、昔ながらの邦画を、良くも悪くも引きずっているね^^
(2012/05/05)
幼い頃から宇宙を目指していた兄弟・・・、
成長するに従って、兄の大いなる影響を受けてまっすぐ育った弟は、NASAの宇宙計画に参加する宇宙飛行士にまでなっていた。
しかし、兄のほうは、多くの才能に恵まれども、サラリーマンとしてくすぶっていた・・・。
タイトルバックは、これまでの宇宙計画を、画像コラージュで表現したようなポップな画面作り。
そして、物語全体も、夢を誓った少年時代(1)、そして現代(2)を織り交ぜたモンタージュ。
物語の全般も、弟・ヒビトの月への旅立ち(3)と、弟の後押しによるJAXAの宇宙飛行士募集選考試験(4)に挑む兄・ムッタの様子が交互に描かれる。
時間軸や距離感の断絶を、うまく編集することによって、テーマ的な盛り上がりを見せてくれる。
なかなかのご都合主義のステロタイプで物語が進んでいくのだが、緩急をつけつつ、丹念に描写を重ねていくシナリオ・演出で、全く飽きることがない。
ムッタ役の小栗旬、ヒビト役の岡田将生、ともに顔のアップが多く、その表情の演技が情緒を深くしている。
どちらも、現代的な、すっとぼけた兄、天真爛漫な弟の姿なのだが、両者ともに、自分が100%の満足に至っていない哀しさを瞳に宿している。
上にナンバリングしたのだが、各エピソードで、見ているこちらに訴えるテーマを違えているのが良い。
(1)…夢見のノスタルジー
(2)…大人の社会の思い通りにならぬペーソス
(3)…栄光と好奇心の月世界旅行
(4)…勝負の構造・密室風味つけ(「ライアーゲーム」「カイジ」「インシテミル」っぽくもある)
それぞれが、密接に絡んでいるように見えて、(3)と(4)は、正直、レベルとベクトルが著しく異なる。
(3)は宇宙飛行士としての最先端であり、(4)は、宇宙飛行士に成れるかどうかさえ分からない状況だ。
しかし、興味深いと言う「状況」においては、どちらもモンタージュされると、妙な説得力で、見ているこちらの気持ちを引きつける。
だが、今回は、「これからの物語」としての終わりしかしていないはずだ。
ムッタが採用試験に合格し、弟と「宇宙兄弟」として月面に立つ、そのプロローグが語られたに過ぎない。
なのに、エンディングの10分ほどで、二人の「宇宙兄弟」としての成功が描かれてしまう。
おそらく、この物語のテーマは、今作品で全て語られているだろう。
しかし、二人(特に兄)の、宇宙飛行士としての成長・訓練の中で、テーマが繰り返し繰り返されることこそが、物語の深みと言うか、人生の機微っちゅうものであり、
私は、この作品、せめて二部作として完成させるべきだったんじゃないかなとは思うのだ。
しかし、邦画の特撮技術も、洋画に全く遜色なくなってきたね。
ただ、この作品においては良いほうに作用したが、いまいち、スケール感に欠けているよね。
そこは、昔ながらの邦画を、良くも悪くも引きずっているね^^
(2012/05/05)