☆テレビのニュースと言うのは、表現が慎重なときがある。
テレビで大津波の映像を見せられても、「死者が20人以上が確認されています」などと語られていると、逃げ遅れた人がいたのか・・・、などと思っていた。
阪神大震災からこの方、日本の地震予報(特に津波の到達情報)などは格段に進歩しているのかと思い、みんなが退避した後のゴーストタウンに津波が押し寄せたのかと思っていた。
先のニュージーランド・クライストチャーチの地震で、人々に「地震」が意識されていたことも、規模の大きさに比して、被害者が少ないことの表われなのか、などとも思っていた。
甘い認識であった。
阪神大震災が起こった時も、私はテレビで見ていて、当初、「死者が20人以上が確認されています」などと報道されていて、空撮を見ていて、あんなにも町が崩壊していてその程度の被害者で済んでいるのか…、と思っていたのだが、結果は皆さんも知ってる通りとなった。
昨日は、帰宅して、地震についての身近な報告のエントリーをして、甥っ子に乞われて、『映画 ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団』を観に行こうとさえ思った。
しかし、<ワーナーマイカル日の出>のある<イオンモール日の出>は全館が閉まっていた。
思い出すに、被災地のジャスコで、天井が落ちて犠牲者が出たから、同じく地震の影響のある土地のイオン系列の店は閉めているのだろう。
<MOVIX昭島>も、レイトショーの予約が出来なかったので、昨夜は閉めていたようだ。
今年の花粉飛散は多く、私は体調が万全でもないので、すぐに寝た。
しかし、本日の朝の4時ごろの長野震源の大きな揺れで起きた。
職場が混乱しているのは分かっていたので、自主的に、家を早く出て会社に向かった。
カーラジオから流れるニュースで驚いた。
犠牲者が1000人超などと言っている。
まだ、全容がつかめていなくて、いまだ継続中の災害である。
「これは、とてつもない事態だ」
しかし、私が出来ることは、目の前のすべき事を行なうだけだ。
いつもは、会社の駐車場で新聞を読みつつ、セブンイレブンのレギュラーコーヒーを啜り、会社に出てからも、休憩室でNHKの朝ドラを見るのが日課なのだが、駐車場に車を停めると同時に、職場に顔を出した。
現場は混乱していた。
先ずは、昨夜の遅番は、地震の物損被害のとりあえずの後片付けからはじめ、通常の業務に入った訳で、それで、朝になっても終わっていないのだ。
昨日の午後に会った俵さんが、「眠いよ〜^^;」などと言いつつ、まだ仕事してた。
上司が、「すぐに現場に入ってくれ」と言ってきた。
私は、「そのために早く来ました^^」と答える。
◇
2階と3階に散乱していた商品は、とりあえず片されていた。
しかし、床の液体の跡の数々が混乱の後を窺わせた。
棚のフレームを組んでいたナットも、幾つも引きちぎられ落ちていた。
昨日の作業は、朝の朝礼前に段取りついたが、さて、問題は今日の作業内容だった。
しかし、先ずは、片された破損商品の数々を処理しなくてはならないようだった。
てゆーか、朝の朝礼では知らされていなかったが、どうやら、今日と明日の生産的な業務は中止のようだった。
仮に、私たちのセンターが健常でも、物流業界ゆえに、その上流も下流も、地震の影響で寸断されているからだ。
「こりゃ、月曜、荒れるな・・・」
私が呟くと、Sさんが「俺、休もうっと」と言ってやがった^^;
で、我々が行なうのは、いわゆる保守作業だ。
・・・いや、何故か、私だけは、通常作業をやらされた^^
まあ、私は、父親が死んだときも、いつもの生活を崩さなかった男なので(親父が死んだ日にも、対立していた某派遣会社の糾弾を、いつもにも増して強烈にやっていた)、保守作業よりも、通常作業の方が性にあっていた。
しかし、破損した商品の量を見ると、かなりの被害があることが分かった。
また、その処理に際し、生産的な業務なく、多くの従業員を働かせなくてはならない。
昨夜の零時には帰宅しているはずの多くの従業員が朝まで残業していた人件費も莫大だ。
ずばり、300万以上の経済的な損失があると思った。
◇
帰りに、俵さんが話していった。
バカで有名な同僚の<足らんQ>さんの話だ。
前提として、私が働いている会社の物損への厳しさがある。
「あの、おっちゃん(<足らんQ>さん)、物損起こして、商品の蓋がぶっ飛んで、中身がドロリと出たのに、蓋をしなおして、そのまま出荷しようとして、それをMさんに見つかり、大変なことになっていたよ^^」
「証拠隠滅し、罪悪をすっとぼけようとした訳ですね^^;」
これは、我が社で重視されるモラル問題においては、大変に罪深き問題であった。
・・・しかし、現在の状況においては、その数千倍以上の地震による物損被害が出ている。
罪深き一つの物損と、不可避の天災による大量の物損被害・・・。
私は、何故か、笠井潔の傑作本格ミステリ『哲学者の密室』を思い出した。
哲学者の密室 (創元推理文庫)笠井 潔東京創元社
この作品、先の大戦時のナチスのユダヤ人強制収容所内で起こった殺人事件が語られる。
大量虐殺の起こなわれた場所での、ひとつの殺人が、作品内現在に起こった密室殺人とリンクしていく話だ。
そして、その連想は、今回の大惨事の大量死に、個々の死の背景を考えさせる端緒ともなる・・・。
◇
福島県の相馬市の一部は、集落全体が津波にさらわれてしまったそうだ。
その名は、一昨年の<みちのくダム巡り>で覚えている。
[『ダム・ファッカー(みちのく西松建設ダム巡り)?<二本松から抜け出たい>』]
[『ダム・ファッカー(みちのく西松建設ダム巡り)?<福島の勝負どころ>』]
ちょっと、言葉が見つからない。
◇
お昼休憩で、やっと今日の産経新聞を開くことが出来た。
石原都知事四選出馬も、菅首相外国人献金受領のニュースも、この大災害の前では二の次扱いだ。
災害記事の情報は、昨夜未明のもので既知のものが多いが、掲載されている写真が凄かった。
空撮ではなく、迫りくる大津波の図や、激流に流されつつ燃えている家屋の図。
恐ろしい。
一緒に食事している岡部さんは、インドや中東・アフリカの長期滞在の経験があり、世の移ろいを客観視している。
小百合さんは、奥さん感覚で危惧しているが、ニュースを良く見ていて詳しい。
私は、冷たい点のある人間だが、ことの重大さは認識し、今はただ、仙台のキューピーちゃん(7歳)の安否が心配だ。
仙台市内なので安心しているが、何分、携帯が通じず、メールも送受信できているか分からない。
◇
仕事は定時で帰宅した。
帰宅途中に彼女に会い、「まあ、しょうがないか」と思い、深いチュウ(ディープキス)をしておいた。
あまりにも若いので手を出すのを躊躇していたのだが、これでタガが外れてしまうかも・・・。
東京は平穏であり、時間はあるのだが、さすがに、映画を観に行くのは不謹慎だと思い、今夜は、さっさと寝るとしよう・・・。
明日はバイトもあるし・・・。
◇
ちなみに、弟がイタリア出張しているので、私はいつも甥っ子と眠っている・・・。
弟は、イタリアでの日本の災害の報道を見ているので、かなり心配している。
特に、福島原発の事故は、あちらでもかなりの報道のようだ。
メルトダウンしてたら、「世界の危機」だからな!
でも、まあ、大丈夫でしょう。
過剰に心配したい方は、広瀬隆の『危険な話』を読むのを薦めますが・・・。
新版 危険な話―チェルノブイリと日本の運命 (新潮文庫)広瀬 隆新潮社
新版 眠れない話―刻々と迫りくる日本の大事故 (新潮文庫)広瀬 隆新潮社
(2011/03/12)
テレビで大津波の映像を見せられても、「死者が20人以上が確認されています」などと語られていると、逃げ遅れた人がいたのか・・・、などと思っていた。
阪神大震災からこの方、日本の地震予報(特に津波の到達情報)などは格段に進歩しているのかと思い、みんなが退避した後のゴーストタウンに津波が押し寄せたのかと思っていた。
先のニュージーランド・クライストチャーチの地震で、人々に「地震」が意識されていたことも、規模の大きさに比して、被害者が少ないことの表われなのか、などとも思っていた。
甘い認識であった。
阪神大震災が起こった時も、私はテレビで見ていて、当初、「死者が20人以上が確認されています」などと報道されていて、空撮を見ていて、あんなにも町が崩壊していてその程度の被害者で済んでいるのか…、と思っていたのだが、結果は皆さんも知ってる通りとなった。
昨日は、帰宅して、地震についての身近な報告のエントリーをして、甥っ子に乞われて、『映画 ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団』を観に行こうとさえ思った。
しかし、<ワーナーマイカル日の出>のある<イオンモール日の出>は全館が閉まっていた。
思い出すに、被災地のジャスコで、天井が落ちて犠牲者が出たから、同じく地震の影響のある土地のイオン系列の店は閉めているのだろう。
<MOVIX昭島>も、レイトショーの予約が出来なかったので、昨夜は閉めていたようだ。
今年の花粉飛散は多く、私は体調が万全でもないので、すぐに寝た。
しかし、本日の朝の4時ごろの長野震源の大きな揺れで起きた。
職場が混乱しているのは分かっていたので、自主的に、家を早く出て会社に向かった。
カーラジオから流れるニュースで驚いた。
犠牲者が1000人超などと言っている。
まだ、全容がつかめていなくて、いまだ継続中の災害である。
「これは、とてつもない事態だ」
しかし、私が出来ることは、目の前のすべき事を行なうだけだ。
いつもは、会社の駐車場で新聞を読みつつ、セブンイレブンのレギュラーコーヒーを啜り、会社に出てからも、休憩室でNHKの朝ドラを見るのが日課なのだが、駐車場に車を停めると同時に、職場に顔を出した。
現場は混乱していた。
先ずは、昨夜の遅番は、地震の物損被害のとりあえずの後片付けからはじめ、通常の業務に入った訳で、それで、朝になっても終わっていないのだ。
昨日の午後に会った俵さんが、「眠いよ〜^^;」などと言いつつ、まだ仕事してた。
上司が、「すぐに現場に入ってくれ」と言ってきた。
私は、「そのために早く来ました^^」と答える。
◇
2階と3階に散乱していた商品は、とりあえず片されていた。
しかし、床の液体の跡の数々が混乱の後を窺わせた。
棚のフレームを組んでいたナットも、幾つも引きちぎられ落ちていた。
昨日の作業は、朝の朝礼前に段取りついたが、さて、問題は今日の作業内容だった。
しかし、先ずは、片された破損商品の数々を処理しなくてはならないようだった。
てゆーか、朝の朝礼では知らされていなかったが、どうやら、今日と明日の生産的な業務は中止のようだった。
仮に、私たちのセンターが健常でも、物流業界ゆえに、その上流も下流も、地震の影響で寸断されているからだ。
「こりゃ、月曜、荒れるな・・・」
私が呟くと、Sさんが「俺、休もうっと」と言ってやがった^^;
で、我々が行なうのは、いわゆる保守作業だ。
・・・いや、何故か、私だけは、通常作業をやらされた^^
まあ、私は、父親が死んだときも、いつもの生活を崩さなかった男なので(親父が死んだ日にも、対立していた某派遣会社の糾弾を、いつもにも増して強烈にやっていた)、保守作業よりも、通常作業の方が性にあっていた。
しかし、破損した商品の量を見ると、かなりの被害があることが分かった。
また、その処理に際し、生産的な業務なく、多くの従業員を働かせなくてはならない。
昨夜の零時には帰宅しているはずの多くの従業員が朝まで残業していた人件費も莫大だ。
ずばり、300万以上の経済的な損失があると思った。
◇
帰りに、俵さんが話していった。
バカで有名な同僚の<足らんQ>さんの話だ。
前提として、私が働いている会社の物損への厳しさがある。
「あの、おっちゃん(<足らんQ>さん)、物損起こして、商品の蓋がぶっ飛んで、中身がドロリと出たのに、蓋をしなおして、そのまま出荷しようとして、それをMさんに見つかり、大変なことになっていたよ^^」
「証拠隠滅し、罪悪をすっとぼけようとした訳ですね^^;」
これは、我が社で重視されるモラル問題においては、大変に罪深き問題であった。
・・・しかし、現在の状況においては、その数千倍以上の地震による物損被害が出ている。
罪深き一つの物損と、不可避の天災による大量の物損被害・・・。
私は、何故か、笠井潔の傑作本格ミステリ『哲学者の密室』を思い出した。
哲学者の密室 (創元推理文庫)笠井 潔東京創元社
この作品、先の大戦時のナチスのユダヤ人強制収容所内で起こった殺人事件が語られる。
大量虐殺の起こなわれた場所での、ひとつの殺人が、作品内現在に起こった密室殺人とリンクしていく話だ。
そして、その連想は、今回の大惨事の大量死に、個々の死の背景を考えさせる端緒ともなる・・・。
◇
福島県の相馬市の一部は、集落全体が津波にさらわれてしまったそうだ。
その名は、一昨年の<みちのくダム巡り>で覚えている。
[『ダム・ファッカー(みちのく西松建設ダム巡り)?<二本松から抜け出たい>』]
[『ダム・ファッカー(みちのく西松建設ダム巡り)?<福島の勝負どころ>』]
ちょっと、言葉が見つからない。
◇
お昼休憩で、やっと今日の産経新聞を開くことが出来た。
石原都知事四選出馬も、菅首相外国人献金受領のニュースも、この大災害の前では二の次扱いだ。
災害記事の情報は、昨夜未明のもので既知のものが多いが、掲載されている写真が凄かった。
空撮ではなく、迫りくる大津波の図や、激流に流されつつ燃えている家屋の図。
恐ろしい。
一緒に食事している岡部さんは、インドや中東・アフリカの長期滞在の経験があり、世の移ろいを客観視している。
小百合さんは、奥さん感覚で危惧しているが、ニュースを良く見ていて詳しい。
私は、冷たい点のある人間だが、ことの重大さは認識し、今はただ、仙台のキューピーちゃん(7歳)の安否が心配だ。
仙台市内なので安心しているが、何分、携帯が通じず、メールも送受信できているか分からない。
◇
仕事は定時で帰宅した。
帰宅途中に彼女に会い、「まあ、しょうがないか」と思い、深いチュウ(ディープキス)をしておいた。
あまりにも若いので手を出すのを躊躇していたのだが、これでタガが外れてしまうかも・・・。
東京は平穏であり、時間はあるのだが、さすがに、映画を観に行くのは不謹慎だと思い、今夜は、さっさと寝るとしよう・・・。
明日はバイトもあるし・・・。
◇
ちなみに、弟がイタリア出張しているので、私はいつも甥っ子と眠っている・・・。
弟は、イタリアでの日本の災害の報道を見ているので、かなり心配している。
特に、福島原発の事故は、あちらでもかなりの報道のようだ。
メルトダウンしてたら、「世界の危機」だからな!
でも、まあ、大丈夫でしょう。
過剰に心配したい方は、広瀬隆の『危険な話』を読むのを薦めますが・・・。
新版 危険な話―チェルノブイリと日本の運命 (新潮文庫)広瀬 隆新潮社
新版 眠れない話―刻々と迫りくる日本の大事故 (新潮文庫)広瀬 隆新潮社
(2011/03/12)