☆第一次大戦を背景に、信頼しあっていた少年と引き裂かれた馬・ジョーイが、多くの人々との巡り合いの中で、戦場を生き抜き、少年と再会するまでの物語。
・・・と書いてみたら、意外に、この作品は「名犬ラッシー」みたいな人情ロードムービーであることに気づいた^^;
◇
昨今のスピルバーグ作品らしく、この作品も、かなり淡白な作りである。
それを、老いたスピルバーグのドラマ性の希薄さと取るか、大人の抑制と取るかは、見る者による。
最近の「スーパー8」も「カウボーイ&エイリアン」も、多くの映評ブロガーには不評であったが、私にはなかなか面白くかった。
ただ、この作品も、かなりサッパリした作りのようなのだが、映評ブロガーには、それほど不評ではないようである。
作品のジャンルで許されているような気がする。
良かれ悪しかれ、そのテーマ性の深度は浅いのであるが、それが上品さでもある。
さて、ジョーイは、第一次大戦の敵味方の両軍や、戦争に巻き込まれる人々の間を駆け回るのだが、
この映画を見て、私がつくづく思ったのが、
「ああ、スピルバーグは、『コンバット』が好きなのだな」だ。
『コンバット』は、小隊をメインに、その作戦に関わる者たちの人情を上手く描いていた。
コンバット! DVD-BOX 1クリエーター情報なしブロードウェイ
最初にそれを確信したのが「プライベート・ライアン」の時で、
その、クライマックスでの、敵を待ち受けるゆっくりした時間の流れの中での、それぞれの登場人物の想いを込めた「静かなる緊張」のシーンなどが挙げられよう。
今回の作品でも、ジョーイが訪れる、各局面が、それぞれ「コンバット」の小さなエピソードの如く連なる。
先ずは、戦争前の、少年とジョーイの交流から始まり、
戦争が始まり、軍馬としてジョーイが徴兵(?)されるのだが、ジョーイを引き受けるイギリス軍将校(騎兵)が人格者で、大切に扱われるも、ドイツ軍奇襲で戦死する。
ジョーイはドイツ軍の捕虜馬(?)となり、野砲の引き役となる。
その過酷な様は、言葉でしかイメージできなかったものを具体的に見せてくれて、それだけでも、この映画の価値があると思われた。
途中、弟を慮る兄との、兄弟による軍脱走が、ジョーイへの騎乗によって為されたり、
その兄弟が発見され、射殺された後は、ジャム製造を営むお爺さんと孫(美少女)にジョーイは養われるも、再び、ドイツ軍に奪われたりする。
私は、こんな美少女エミリー(セリーヌ・バッケンズ)と静かに暮らすジジィが羨ましかった^^
しかし、連合軍とドイツ軍の戦闘は、熾烈を極める。
既に廃墟の町に、高台から砲撃を加える図も圧倒的なビジュアルで、
また、ヨーロッパの人にとっての「グレート・ウォー」である第一次大戦の、地獄の「塹壕戦」も、俯瞰映像でダイナミックに見せてくれる。
雪が舞い散り、その厳しさが具体的にわかる。
また、戦争の渦中の混戦…、その中間地帯で、「有刺鉄線」にがんじがらめになったジョーイを、白旗を掲げてフランス兵が救おうとするのだが、…と、そこへ、有刺鉄線カッターを持ったドイツ兵…。
そこで、ジョーイを媒介にした敵味方の奇妙な交歓が描かれる。
いかにも「コンバット」的だし、スピルバーグの好みだし、私の興味を引く^^
正直、ジョーイの通ってきた道のりは、少年との友情よりも素晴らしく感じてしまった^^;
(2012/02/06)
・・・と書いてみたら、意外に、この作品は「名犬ラッシー」みたいな人情ロードムービーであることに気づいた^^;
◇
昨今のスピルバーグ作品らしく、この作品も、かなり淡白な作りである。
それを、老いたスピルバーグのドラマ性の希薄さと取るか、大人の抑制と取るかは、見る者による。
最近の「スーパー8」も「カウボーイ&エイリアン」も、多くの映評ブロガーには不評であったが、私にはなかなか面白くかった。
ただ、この作品も、かなりサッパリした作りのようなのだが、映評ブロガーには、それほど不評ではないようである。
作品のジャンルで許されているような気がする。
良かれ悪しかれ、そのテーマ性の深度は浅いのであるが、それが上品さでもある。
さて、ジョーイは、第一次大戦の敵味方の両軍や、戦争に巻き込まれる人々の間を駆け回るのだが、
この映画を見て、私がつくづく思ったのが、
「ああ、スピルバーグは、『コンバット』が好きなのだな」だ。
『コンバット』は、小隊をメインに、その作戦に関わる者たちの人情を上手く描いていた。
コンバット! DVD-BOX 1クリエーター情報なしブロードウェイ
最初にそれを確信したのが「プライベート・ライアン」の時で、
その、クライマックスでの、敵を待ち受けるゆっくりした時間の流れの中での、それぞれの登場人物の想いを込めた「静かなる緊張」のシーンなどが挙げられよう。
今回の作品でも、ジョーイが訪れる、各局面が、それぞれ「コンバット」の小さなエピソードの如く連なる。
先ずは、戦争前の、少年とジョーイの交流から始まり、
戦争が始まり、軍馬としてジョーイが徴兵(?)されるのだが、ジョーイを引き受けるイギリス軍将校(騎兵)が人格者で、大切に扱われるも、ドイツ軍奇襲で戦死する。
ジョーイはドイツ軍の捕虜馬(?)となり、野砲の引き役となる。
その過酷な様は、言葉でしかイメージできなかったものを具体的に見せてくれて、それだけでも、この映画の価値があると思われた。
途中、弟を慮る兄との、兄弟による軍脱走が、ジョーイへの騎乗によって為されたり、
その兄弟が発見され、射殺された後は、ジャム製造を営むお爺さんと孫(美少女)にジョーイは養われるも、再び、ドイツ軍に奪われたりする。
私は、こんな美少女エミリー(セリーヌ・バッケンズ)と静かに暮らすジジィが羨ましかった^^
しかし、連合軍とドイツ軍の戦闘は、熾烈を極める。
既に廃墟の町に、高台から砲撃を加える図も圧倒的なビジュアルで、
また、ヨーロッパの人にとっての「グレート・ウォー」である第一次大戦の、地獄の「塹壕戦」も、俯瞰映像でダイナミックに見せてくれる。
雪が舞い散り、その厳しさが具体的にわかる。
また、戦争の渦中の混戦…、その中間地帯で、「有刺鉄線」にがんじがらめになったジョーイを、白旗を掲げてフランス兵が救おうとするのだが、…と、そこへ、有刺鉄線カッターを持ったドイツ兵…。
そこで、ジョーイを媒介にした敵味方の奇妙な交歓が描かれる。
いかにも「コンバット」的だし、スピルバーグの好みだし、私の興味を引く^^
正直、ジョーイの通ってきた道のりは、少年との友情よりも素晴らしく感じてしまった^^;
(2012/02/06)