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Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
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[映画『はやぶさ 遥かなる帰還』を観た]

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☆う〜む、「映画」ってのはつくづく面白いものだと感じた。

 <小惑星探査機「はやぶさ」>の軌跡であり奇跡を描いた作品は、短期間の間に3作品の競作を数え、数週間後にも松竹版が控えている。

 そもそもの旅路がドラマチックなのだが、しかし、こうも連続するとさすがに飽きがくると思っていた。

 先に見た『はやぶさ/HAYABUSA』の出来が良かったと言うこともある。

 だが、この、東映の渡辺謙主演版は更に面白かった。

 リアル(硬派)な画像の中、男臭さと言うか、大人の雰囲気が伝わってきた。

 ・・・映画リメイク作でもある『ドラゴンタトゥーの女』だが、D・フィンチャー監督は、オリジナルと違うものを出せると考え、リメイクに踏み切ったと言う。

 オリジナルを見ていない私には、フィンチャー版のリスベットがベーシックとなっている。

 また、今、マンガ『巨人の星』のリイマジネーション作品とも言うべき、『花形 新約「巨人の星」』を読んでいるのだが、

 同じであって同じでない、新しい面白さを存分に味わっている。

 ・・・「はやぶさ」の物語も作り手によって、全く味わいを違えている。

 それは、作り手の「計算」による、重視する箇所の変更ではあるまい。

 それだけ、人によって、ここでは、「はやぶさ」の<物語>に対しての視点の多様さを示すのだと思う。

 「はやぶさ」は、多くのトラブルに見舞われるが、同じトラブルを扱っていても、その重視する要素が、それぞれの競作作品では全く違う。

 そして、それぞれが面白い。

 おそらく、「はやぶさ」の行程には、それ(付加された創作部分も含め)を語ろうとする者(監督だったり、プロデューサー、脚本家、演出家など)の、それまでの経験や思想やこだわりが投影されるに値する「何か」があるのだろう。

 その、人それぞれの違いをこうまで表出させた映画と言うジャンルを、私はつくづく面白く感じ、

 水野晴郎のように、「いやぁ〜、映画って本当にいいもんですねぇ」と呟いてしまう。

 今回の作品は、前段階は描かれず、ロケット打ち上げから始まり、

 記者が、それぞれの部署の人間を訪ね歩く中で、旅の困難さ複雑さが感じられていく。

 それらは、ナレーションを駆使し、「言葉」で語られる。

 だが、それは、作り手の怠惰ではなく、それによって、個々の役者の演技に、鑑賞者の注目がいくメリットを持ち、

 その演技から、見る者が読み取るのは、物語上の個々の人物の人間性である。

 そこに遜色がないので、この物語は重厚さを得、また、ある意味、「グランドホテル方式」として楽しめ、個々の登場人物の物語上の起伏で涙を流させられる。

 中でも、群像劇の定点観測の一人である、<はやぶさ計画>における探査機のパーツの試作品を請け負った零細町工場の、口数が少ないが醸す雰囲気で語る社長(山崎努)や、計画の広報担当をした藤竜也の、らしからぬ中庸な演技は良かったなぁ。

 念仏の鉄に<プロハンター>ですよ^^

 見る前の印象では、プロジェクトリーダー役の渡辺謙が、いかにも渡辺謙的な、メンバーをグイグイ引っ張っていく物語だと思っていたのだが、

 渡辺謙の演技が、これまで見たこともない「演技」だったので、非常に新鮮だった。

 なんか、佐野史郎がやりそうな個性的な役柄だったなぁ^^

 それでいて、内部でメラメラと闘志を秘めている男でもあった。

   PS.作中で山崎努が飲んでいるビールが、見たことないラベルだったので、とても気になった^^

                                                     (2012/02/29)

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