☆・・・繭さんが幼少の頃、
近所の老人の飼っているチワワ 、サリーが行方不明になったのだそうだ。
繭さんも含めて近所で探し回ったのだが、見つからない。
三日後、繭さんちの家の敷地内の隅で、やつれて震えているサリーが発見される。
同じく、心配でやつれた老人が涙ながらに引き取って帰っていった。
…数日後、サリーを抱いた老人が現れた。
話を聞くと、
老人は、老人ホームに入所が決まったそうで、サリーを連れて行く事は出来ない。これも縁でしょう、先だって、サリーが行方不明の時に捜索を手伝ってくれた あなたの家に預けたいのだが、とのこと。
繭さん家族は家族会議を行い結論を出した。
繭父 「わかりました。うちにもビーグル犬のチャッピーがいるので、別れなくちゃならない辛いお気持ちをお察しします。そうですか、老人ホームは隣の駅ですか…、近いですねぇ。とは言え、せっかく、うちに入ることになったサリーです。里心がついても困りますので、今後、あなたがサリーに会わないと約束するのなら引き取りましょう」
泣きながらの老人 「う、ううっ、あ、有り難う御座います。た、助かります。元気でな、サリー。達者でな」
去って行く老人 …、
感動の別離…、
…、…じいさん、チョーのぞき見しにくる。
サリー行方不明時、捜索をしたのは繭さんだけ、
でも、繭さんには三姉妹、一兄がいる。
両親もいるし、誰かしら、みんなに見られているじいさん。
「また、うちを覗いてるよ、爺ちゃん」
「最後の感動の別れはなんだったんだ~!」
(2019/08/06)