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Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
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[映画『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を観た]

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☆昨夜観た『永遠の僕たち』に続いて、今宵も傑作を楽しめました。

 試写状が届き、喜び勇んでの公開日前鑑賞です^^

 そして、二日連続の「近親者の悲しい死を、ちょっと変わった生き方の主人公が受け入れ、未来に向かって克服していく物語」だった。

 また、死にゆく者も、主人公ほどではないけれど、それぞれの主人公を真っ向から受けとめる余裕を持った人格の持ち主である点も似ていた。

 ・・・この作品では、ニューヨークに住む主人公・オスカーが、<911テロ>で父親を失い、

 その喪失感から立ち直れない中、父親の遺品の数々の中から、一つの<鍵>を見つけ、

 そこに、死んだ父親から自分へのメッセージの存在を想い、その鍵の嵌まるべき鍵穴を、町中 捜し求めるストーリー。

 先ず、冒頭、主人公の少年(トーマス・ホーン)の、あまりにもの美少年っぷりにノックアウトされつつ、

 こんな美しい子を主役にしたら、それが「諸刃の剣」となり、作品の完成度に傷がついてしまうんじゃないか、と危惧したのだが、

 細かな描写の数々もすこぶる面白く、すぐに展開に没頭させられた。

 「鍵」の入った小封筒には「ブラック」と書かれており、オスカーは、即座にニューヨークに住む全ブラックさんを訪問し始めることを決意する。

 最初に訪れたブラックさんからして、夫との別離の真っ最中で、そのいきなりのドラマチックな場を見せられたことで、私は心を揺り動かされ、「この先、オスカーは何百人のブラックさんを尋ねるのに、その初っ端から、こんなにも盛り上げちゃってイイのかよ」とワクワクさせられつつ、そのワクワク感は必ずしも思っていたものとしては満たされないのだが、それとは異なったポイントで、鑑賞中ずっと、私をワクワクさせるのであった。

 時間前後のモンタージュ作劇も見事で、父親を演じたトム・ハンクスの、アスペルガー症候群的に頭の回転の速い息子への、多くの可能性を見据えた情操教育も垣間見せられる。

 また、<911テロ>時の、父と子の「関係」も、小刻みな演出で、クライマックスに向けて盛り上げる。

 母親役はサンドラ・ブロックで、息子を心配しつつ、自分自身も立ち直れずにいる苦悩を見事に演じていた。

 おばあちゃん役の人もかなり良いのだが、謎の老人役としてマックス・フォン・シドーが、口のきけない筆談老人を演じていて、作品に重みとユーモアを加えてくれていた。

 一つだけネタバレだが、この老人こそが、オスカーの父親の父親で、つまりオスカーの実のおじいちゃんなのだが、父親役のトム・ハンクスと妙に顔が似ていて、作中の血縁のリアルさを感じさせてくれた^^

 さて、予告編でも展開はよめた。

 ちなみに、予告編では<U2>の曲が使われており、私は、それが「左翼マスコミの報道番組」のオープニングに使われていたのを思い出させられ、どうも気に入らなかった^^(ピーター・ウェアー監督の作品でも使われていたなぁ)。

 ・・・プロローグで、父親が息子に謎掛けした「NY市の第六行政区」の存在だが、それは、オスカーの「ブラックさん探訪」を通して、最後に判明する。

 つまり、こういうことだ。

 多くの人を訪ね歩き、知り合い、経験として得た人々との触れ合い・繋がりこそが・・・、

 オスカーの旅路の、広大な街を歩きとおした、信念の通った一本の筋道こそが・・・、

 そう! それこそが、俺たちの捜し求めていた「ひとつなぎの大秘宝・ワンピース」なのだ、と!!!(←話がいつの間にかズレてる^^;)

   PS.昨夜の『永遠の僕たち』鑑賞では彼女がハラハラと泣き、
      今夜の鑑賞では、高ニの姪っ子が、グズグズと鼻を鳴らし、後半の20分くらい泣いていました。

                                                     (2012/02/09)

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