☆我ながら、一日を存分に使っているゾ^^v
19時まで残業して、その足で、昨年、私の生活圏内では上映されていなかった作品が多摩センターでやっていると知り、いささか仕事で疲れていたのだが、なんか、見ておかないと損しそうな雰囲気がプンプンする作品だったので赴いた。
眠気も吹っ飛ぶ、格調高くも「面白い作品」だった。
大戦前夜のドイツ、画廊で成功したユダヤ人家族が、収容所に捕らえられても、ミケランジェロの名画をどこかに隠し持っているという「切り札」をフルに活用し、家族や恋人とともに国外に脱出しようとする物語。
ホロコースト背景の作品の深刻さはなく、話の流れ的には、ご都合主義がそこここに見える、ある種のコンゲームの様相を呈しているが、
私たちの知識の中でナチスの怖さは植えつけられているので、物語のいくつかのシーンで、異常に心臓の鼓動を高ぶらされることになった。
特筆なのが、主人公であるユダヤ家族の息子・ビィクトルに対する、親友ともいえた元使用人の息子ルディを、ナチスの親衛隊将校とし、主人公との対立軸として配しているのが斬新だった。
名画捜索の中で、事故に遭い、ヴィクトルがルディのSSの制服を着用し、立場を逆転させるのが、ジョン・ウーの『フェイス/オフ』を思い出させた。
無理やりな展開だが、押し切られちゃうリアリティだ。
てゆーか、私、この作品を見て、その展開や演出のエンターテイメント性に、香港や韓国映画、その長所に似たものを非常に感じさせられた。
それは、自分の家族を不遇に追い込んだルディに対しての、ヴィクトルの奇妙な友情が、展開の随所に残っている様などから感じられよう。
まあ、私としては、手塚治虫の『未来人カオス』も思い出させられたんだけどね^^
結末は誰にでも予想できるが、その、見る者の心にスッポリとはまるラストシーンたるや、とてつもなく爽快だ!
PS.ああ、そうか、これは「王子と乞食」の亜種とも言えるな!^^;
(2012/02/02)