「ブラックパンサー」予告編
☆・・・例えば、少年ジャンプの新しいマンガは、旧来の主人公が経た展開を繰り返すものだが、そのキャラクターの新しさを読者が楽しむように、大概、マーベル映画のヒーロー物もパターンが出尽くしてしまった感があり、設定の違いを楽しむって感じだった。
そうは思いつつも、この作品は新鮮だった。
それはアフリカの黒人が主人公で、アフリカの国家が舞台であることもあり、アフリカの奥地に超近代化された都市を形成しているハイテクのヒーローが国王というのが斬新だった。
登場人物のほとんどが黒人なのも思い切りよいし、各シーンでのアフリカの意匠も楽しい。
だが、それ以上に、所々に見られる、広い括りではあるが、アフリカの有色人種の苦難の歴史や、民族的な伝統が垣間見られて深みがある。
例えば、こんなセリフがある。
「我らが祖先も、かつて、船から逃げようと海に飛び込んだものだ」
さらりと語られ、説明もないが、これ、労働力として新大陸に連れ去られた奴隷船の話だ・・・。
(2018/03/04)