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Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
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[映画『いちご白書』を観た]

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☆先ず質問なのだが、「リバイバル」と「再映」の違いは何なんだろう?

 同じように思えて、中学の頃に、眺めながら全ての映画を見たような気になっていた「ぴあ」などでは、区別し記述されていたんだよなぁ。

 で、「リバイバル」なのか「再映」なのか分からないのだが、近所の映画館で『いちご白書』が上映されていた。

 これ、ビデオソフト化もされていないそうで、数十年ぶりに見る年配のお客さんも多くいるようだ。

 私は初めて見る。

   ◇

 ベトナム戦争を背景にした学園紛争の物語。

 面白かった。

 冒頭は、そのモンタージュや手持ちカメラを駆使したアースティティックな撮り方・・・、

 そして「だからなんなの」的な描き方に驚き、

「これ、アメリカ映画かよ。フランス映画みたいだなぁ」と唖然とした。

 主人公・サイモンは、限りなくノンポリなのだが、「胸の奥に不満を抱えてる…」なんてこともなく、学部を占拠していたメンバーの一人の女がちょっぴり心に残り、バリケードで隔てられた校舎に進んでいく。

 ポリシーのない、あるいは、ポリシーのある振りの学生たちの様は、今の私から見ると「中二病」以外の何ものでもなく、

 去年の<ナカデミー賞・最優秀作品賞>に輝いた『マイ・バック・ページ』と重なるものがあった。

 もちろん、私も含めて、若者が通り過ぎていく「イニシエーション」として、恥ずかしい試行錯誤の年代でもあり、時代でもあった(私はいまだにその気配あり^^;)。

 1960年代のファッションは、三回りぐらいして、現在に通じるものがあり、ヒロインの女の子・リンダはコケティッシュで可愛い(私の最近のお気に入りのコンビニ娘に似てる^^)。

 思想的な大義名分で集いし者たちは、知ったかぶりの「背伸び」で言葉を駆使し始め、その様は初々しく不器用で、最終的には、仲間とのムーブメントを求めているのか。

 しかし、クライマックスがいい。

 講堂に立てこもった学生たちは、何重にも車座になり、床を叩いてシュプレヒコールを叫ぶ。

 講堂敷地の外は、機動隊が囲んでおり、学生たちを排除する命令を待っている。

 シュプレヒコールの時間は長い…、だが、状況の緊張感と、そのリズムが心地良い。

 実力行使がはじまる。

 武装警官が突入し、催涙弾が撒かれ、反抗する者には暴力が振るわれる。

 講堂内はパニック状態になる。

 そんな中、ノンポリ学生でしかなかったサイモンが、必死でリンダに覆いかぶさり、守ろうとする。

 運動の本質は「他者を守ること」。

 最終的に、そこに至ったサイモンの姿を見たら、私はちょっぴり涙が出た。

 私にも、まだ、その若さが残っていることが嬉しかった。

                                                     (2012/01/19)

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