☆すまんね、今、風邪か花粉症かわからない状態で、体調が悪い。
本日は2本観る予定だったが、この『ザ・タウン』を観て、いったん外に出たら、もの凄い寒気に襲われ、帰宅を決めた。
だから、短信です。
でも、映画を観る前も体調は万全じゃなかったが、観ているときは夢中になれたので、公開終了間際に映画館に駆け込んで観た、この作品、よく出来ているのだと思う。
◇
ベン・アフレックと言うと、『アルマゲドン』や『パール・ハーバー』などバカ映画を思い出すのだが(ちなみに、私は『アルマゲドン』は結構好き^^)、こうして監督作を見ると、かなり、地に足の着いた堅実な演出をするんだなぁと感心した。
この作品は、あと、もう一つの「何か」があれば、イーストウッド作品的な完成度、マイケル・マン作品的な漢(おとこ)映画になり得ただろう。
何が足りないのか?
物語は、ボストンの強盗犯罪多発地区チャールズタウンを舞台に、そこで銀行強盗を繰り返していた一味の一人が、愛する者を得たことにより、‘タウン‘を去っての、新たな人生を願うも、やむなく強盗を繰り返さねばならないクライム&ラブ・ストーリーだ。
◇
冒頭、銀行強盗シーンから始まる。
・・・都合3回の強盗シーンがあるが、それぞれ対象が、銀行・現金輸送車・球場の莫大な売り上げ、とヴァラエティに富んでいるのがよく、
また、そこでのアクションの見せ方も、オーソドックスな強盗、カーチェイス、銃撃戦と単調にならない工夫がある。
中でも、ボストンの狭い路地(行ったことないけど)でのカーチェイスは、スリルが体感できた。
その、作中最初の強盗で人質として連れていった女クレアを、主人公タグが愛してしまう。
クレアは、浜辺で解放されるのだが、「足に水がついたら、目隠しを取れ」と言われ、海に向かって歩かされる。
クレアの足に水がついたとき、それを遠景に「THE TOWN」とタイトルロゴが現われる。
なかなか名シーンになり得そうだが、なんかあっさりしている。
タグは、自分らの正体がばれる恐れの中で、クレアとの交際を続けていく。
これは、あえて、そういう役作りなのだろうが、ベン・アフレックは「静」の演技を続けていく。
それはそれで凄いのだが、いまいち「熱さ」に欠ける。
乱暴な兄貴分ジェムが、そこに絡んできて、サスペンスを生む。
このジェムにしても、対するFBI捜査官や、その相棒、また、犯罪の元締めの花屋と、その用心棒など、それぞれの属性でいい役者を配している。
だが、綺麗にまとまりすぎている。
脚本の無駄のなさも気になる(特にタグの母親の運命と、その仇との決着のつけ方)。
そこには、汗とかタバコ臭さとかが感じられない。
焦りもなく、痛みも感じられない。
「中年男の愛撫」のような「ねちっこさ」が描写に足りないのである。
終盤での物足りなさは、描写の欠落があるからだ。
映画監督としては、ベン・アフレック、若いのだろうか。
でも、水準以上の出来で、これからも、この監督を注視していきたいと思った。
PS.ヒロインよりも、タグが嫌う、ジェムの妹役のほうが可愛かった^^
(2011/03/03)
本日は2本観る予定だったが、この『ザ・タウン』を観て、いったん外に出たら、もの凄い寒気に襲われ、帰宅を決めた。
だから、短信です。
でも、映画を観る前も体調は万全じゃなかったが、観ているときは夢中になれたので、公開終了間際に映画館に駆け込んで観た、この作品、よく出来ているのだと思う。
◇
ベン・アフレックと言うと、『アルマゲドン』や『パール・ハーバー』などバカ映画を思い出すのだが(ちなみに、私は『アルマゲドン』は結構好き^^)、こうして監督作を見ると、かなり、地に足の着いた堅実な演出をするんだなぁと感心した。
この作品は、あと、もう一つの「何か」があれば、イーストウッド作品的な完成度、マイケル・マン作品的な漢(おとこ)映画になり得ただろう。
何が足りないのか?
物語は、ボストンの強盗犯罪多発地区チャールズタウンを舞台に、そこで銀行強盗を繰り返していた一味の一人が、愛する者を得たことにより、‘タウン‘を去っての、新たな人生を願うも、やむなく強盗を繰り返さねばならないクライム&ラブ・ストーリーだ。
◇
冒頭、銀行強盗シーンから始まる。
・・・都合3回の強盗シーンがあるが、それぞれ対象が、銀行・現金輸送車・球場の莫大な売り上げ、とヴァラエティに富んでいるのがよく、
また、そこでのアクションの見せ方も、オーソドックスな強盗、カーチェイス、銃撃戦と単調にならない工夫がある。
中でも、ボストンの狭い路地(行ったことないけど)でのカーチェイスは、スリルが体感できた。
その、作中最初の強盗で人質として連れていった女クレアを、主人公タグが愛してしまう。
クレアは、浜辺で解放されるのだが、「足に水がついたら、目隠しを取れ」と言われ、海に向かって歩かされる。
クレアの足に水がついたとき、それを遠景に「THE TOWN」とタイトルロゴが現われる。
なかなか名シーンになり得そうだが、なんかあっさりしている。
タグは、自分らの正体がばれる恐れの中で、クレアとの交際を続けていく。
これは、あえて、そういう役作りなのだろうが、ベン・アフレックは「静」の演技を続けていく。
それはそれで凄いのだが、いまいち「熱さ」に欠ける。
乱暴な兄貴分ジェムが、そこに絡んできて、サスペンスを生む。
このジェムにしても、対するFBI捜査官や、その相棒、また、犯罪の元締めの花屋と、その用心棒など、それぞれの属性でいい役者を配している。
だが、綺麗にまとまりすぎている。
脚本の無駄のなさも気になる(特にタグの母親の運命と、その仇との決着のつけ方)。
そこには、汗とかタバコ臭さとかが感じられない。
焦りもなく、痛みも感じられない。
「中年男の愛撫」のような「ねちっこさ」が描写に足りないのである。
終盤での物足りなさは、描写の欠落があるからだ。
映画監督としては、ベン・アフレック、若いのだろうか。
でも、水準以上の出来で、これからも、この監督を注視していきたいと思った。
PS.ヒロインよりも、タグが嫌う、ジェムの妹役のほうが可愛かった^^
(2011/03/03)