☆・・・往年のフィルム作品のような手触りの画質、奇を衒った展開のない堅実な展開の作品。
舞台は、ドイツ統治下のチェコスロバキア。
残虐なナチス高官のハイドリヒを撃つべく派遣された暗殺団の物語。
ただただ過酷なハイドリヒ暗殺は、あくまでも中盤のエピソードに過ぎなくて、
それからの、暗殺団の息づまる逃亡生活と、報復として処刑されるプラハの人々の悲劇が後半を占める。
自分たちの暗殺行為がプラハの人々を傷つける。
ささやかな計画の関係者は、ナチスの追求による拷問を恐れ、青酸カリによる自害に追い込まれていく。
では、だからと言って、ナチスの歴史的な残虐非道を野放しにしておけたのか?
テーマに安易に答えを出せるものではない。
教会に立てこもった暗殺団は、ナチスの包囲を受ける。
凄まじい銃撃戦が始まり、
史実は、暗殺団全員の死亡に終わるのだが、
主人公は死の際に、計画中に心を通わせて死んだ女性の幻影を見る。
斬新な演出だが、けして新しい描写ではない、
昔から今にも新鮮に感じられる描写と言うのはあるものだ。
(2017/10/05)