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Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
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[名作劇場・ソープランド(2004/04/27の再掲)]

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▼私は、「情けなさ」と「非情さ」と「感激屋」の一面をもつ男である・・・。

 ・・・千葉に住んでいたとき、職場の年下に、ポプラ並木君がいた。

 彼は明らかに「知恵遅れ」のような人物であったが、ギリギリで、施設に入れられるようなことはなく、私と同じ会社にいた。

 いや、年下だが後輩ではない・・・、私のほうが後から入社した。

 成田空港勤務時代の、上司・イチ介氏の部下であった。

 イチ介氏の部下は玉石混合である^^;

 ・・・ここで、私が「知恵遅れ」と言う言葉を使うことで、反感を持つ方もいようが、それ以外に使える言葉がないのです。

▼で、その、ポプラ並木君は、みんなから馬鹿にされつつ可愛がられてもいた。

 みんなは、25歳を越えたポプラ並木君を「風俗」に連れて行ってみたくてしょうがないらしい。

 だが、彼は、それを頑なに固持していた。

▼しかし、である。

 ある日、私は、ポプラ並木君に言った。

「ソープランドに連れて行ってやろうか^^」

 すると、彼は答えたのだ。

「は、はい、い、行きたいです」

 彼は山下清画伯のようにドモる。

 私は、「これは面白くなってきたぞ!」と思った。

 連れて行き、その時の状況を面白おかしく語れば、職場のみんなを喜ばせられることだろうて、イッヒッヒ^^;

 それと・・・、私は金欠でもあった。

 彼を風俗に連れて行く代わりに、彼から借金をしようと考えていたのである。

 ・・・酷い男である。

 彼を馬鹿にしようとして、ソープランドに連れて行き、でも、そのお礼に金を借りようとしているのである・・・。

 「知恵遅れ」などと馬鹿にしつつ・・・。

 ホントのことだけど・・・^^;

▼かくして、とある休日、成田空港から、私の当時の愛車・ブルーバード(16万で購入)を駆り、千葉の繁華街・栄町に赴いた。

 ・・・いや、ここに詳しく書いていないが、私は、ポプラ並木君の一挙手一投足を心のメモ帳に書き留めていた。

 もちろん、後から、職場のみんなに報告する為である^^;;;

 で、車をコイン駐車場に停め、私はヘラヘラ笑っているポプラ並木君を引き連れ、ソープランド「あんみつ姫」に向かうのだった。

▼ズンズン私は進み、「あんみつ姫」の敷居をまたいだ。

「いらっしゃいませ・・・」

 顔は下品なのに丁寧な口調で従業員のおっさんが言ってきた。

 私は軽く頷き、ポプラ並木君を指差し、「こっちをお願いします」と言いました。

「旦那の方は、本日はいいんですかね?」

 おっさんが問うてきた。

 私は笑いながら、「旦那は、今日は足りてます^^」と答え、ポプラ並木君に「後でな」と手を振った。

 彼は、別に不安がる様子もなくヘラヘラしていた・・・。

   (現在の私による自分へのツッコミ 「お前、女も金も足りてなかっただろうが!!」^^;)

▼私は、彼を待ってる間、彼から借りた2万があったので、豚の背油こってりラーメンで有名な「なりたけ」で食いつつ、彼を待った・・・。

 さて、彼は一戦を終え、店から出てきた。

 私による事情聴取の始まりだ^^

 イコール、それは、我が社のみんなに対しての記者会見でもある。

 私の報告をみんな待っているのだ^^

 私は根掘り葉掘り、彼の「童貞喪失」話を聞き、心のメモ帳に書き込んだ^^

 ネタは盛り沢山であった、イッヒッヒ^^

▼車で、家路につきつつ、さあ、我々の住む寮のある富里の町が近くなり、私は最後の質問をした。

「何で、他の人の誘いは断り、俺の申し出(ソープへの誘い)は受けたんだい?」

 すると、彼は答えたのだ。

「ら、蘭さんなら、し、信用できる、か、から・・・」

        ガーン!!

 私は、その言葉を聞き、ショックを受けた。

 私は、彼の「童貞喪失」をネタにして、会社のみんなから笑いを取ろうとしていたのである。彼をバカにしつつ、彼から詐欺師のように金を借りていたのである。

 しかし、彼は、私を、会社の誰よりも信頼してくれていたのである。

 ・・・確かに、彼は、「知恵遅れ」ではあった、が、私は、その信頼を裏切るような真似は出来ない。

 私は、今日の朝から心のメモ帳に記憶していたネタの数々を破り捨て、ポプラ並木君の純粋な信頼に答えるのだった・・・。

▼・・・しかし、翌日、職場は、ポプラ並木君の「ソープランド童貞喪失」の話題で持ちきりだった。

 いや、私は何一つ言ってないゾ。

 ・・・彼自身がヘラヘラ笑いながら、ドモりながら、嬉しそうにみんなに語っていたのだった・・・。

「蘭さんも一緒に行ったんですか〜^^(ニヤニヤ)」と、みんなに笑われるのが、非常に不本意であったとさ、終わり・・・。

                                                       (2004/04/27の再掲)

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