☆・・・作品としては面白かった。
角川シネマは満席で、私、最前列に滑り込み、帰りには、次回上映の「SOLD OUT」が告知されているほどだった。
マクドナルドの誕生にまつわる「創業者」の物語。
創業者でない「創業者」であり、「」付きなのである。
ビジネス啓蒙レコードなどを聞き(当時)、セールス業に勤しむもなかなかうまくいかない主人公レイ・クロック。
自信満々で売り込む姿が、猪突猛進で嫌な感じ。
先週観たスパイダーマンの悪役に続いてのマイケル・キートン出演。
いろいろと商品を変えてセールス業に勤しんいるが、それだけ金儲けに目移りしている印象。
しかし、とあるハンバーガー店が、驚異のシステムで驚異の売り上げをあげ、お客さんを喜ばしている姿を目にし、俺のビジネスチャンスは「これだ!」と直感する。
かくして、その「ハンバーガーショップ マクドナルド」の創業者マック&マクド兄弟に、レイはグイグイ・ガツガツと喰い込んでいく。
自分ら兄弟の「イズム」を行き届かせるために、絞った支店展開しかするつもりなかった兄弟だが、レイの押しに負けて、フランチャイズ化を許す。
レイはドンドン支店を増やしていき、ノリノリだ。
が、功利にしか目がいかず、それしか正しいと思っていないレイは、次第に創業者兄弟と軋轢を生むことになる。
レイは貪欲であり、引くことはなく、最終的に、兄弟から「マクドナルド」の商標とシステムと「創業者」の権利を強引に手に入れる。
そもそもの契約なんてものはなきものとして。
見方を変えたら、『海賊と呼ばれた男』みたいにヒロイックに描けるのだろうが、マイケル・キートンの演技はイッちゃっていて、とてもとても好意的には見ることはかなわない。
なんでクロックは、システムを真似て自分で別に事業を起こすのではなく、結果的に「マクドナルド社」を手にしたいと思ったのかと問われ、クロックは答える。
「マクドナルドと言う名前だよ、優しさと誠実さが感じられ、まさに、アメリカを代表できる良心的な名前だ。みんな、クロックなんて名前のやつが作るハンバーガーを食べたいと思うか?」と。
だが、私は、いや、観ている誰もが、レイ・クロックと言う男のパーソナリティーこそも、アメリカの、そのダークサイドを表わしていることに気づくだろう・・・。
(2017/08/16)