☆・・・とても良かった。
なにが良かったかと言うと、数度リブートされた既存のシリーズの「文法」に倣わず、独自性を生み出していたからだ。
最初の三部作であるサム・ライミ監督版は、もう文句の付けどころのない面白さで、これ以上 スパイダーマンと言う素材で新しいことを出来ないのではなかろうかと思えた。
だが、続いてのアンドリュー・ガーフィールド主演版は、同じ路線で作られた。
面白くなくないが、ときおり、「おっ、これはいいぞ!」と幾つかのシーンで思わせられるも、基本 新鮮味がなく、最初からの「やり直し」であるので、もう既知の誕生秘話を繰り返されるのも見るのが面倒だった。
で、今回、短いタームでの三度目のリブートだ。
公開前は、ネット掲示板などで、「ベンおじさん、何度死ねばいいんだよぉ!」などと書き込まれていて笑ったものだ。
が、トム・ホランド主演版は、アヴェンジャーズ番外編『キャプテン・アメリカ シビル・ウォー』が初出で、ここで新々スパイディの来歴が簡単に描かれたので、今作においては、わりと最初からスパイダーマンだし、両親はいないし、ベンおじさんは既にいないし、今回はお世話になっているメイおばさんは比較的若い^^
今回のスパイダーマンに特筆なのが、主人公が若い、少年に毛が生えた程度という事だろう。
学生生活も中二的に不器用で、スパイダーマンとして動きもまだまだだ。
摩天楼(ニューヨーク)の守護者であるのがスパイダーマンであるが、摩天楼の滑空などはほとんどない。
ちびちびと街路樹に糸を飛ばし、昔のターザンレベルだ。
高い建物や木・電信柱がない所は、走るのみ。
そして、ニューヨークの高い塔(名前ド忘れ)で活躍できると思ったら、その高さに身体をすくませるのだった。
まだまだ、心も身体も未熟のピーター・パーカーなのだが、その稚拙な動きが細かい描写でリアルに表現されるので、なんか面白い。
これまでのスパイダーマンにない展開と描写は、この作り手が新しいスパイダーマンを作り出したい意志のあらわれだ。
アイアンマンの後見が必要な立場で、スタークのハイテクがスパイダースーツに仕込まれているが、物語的にちょいとスパイダーマンが進化し過ぎだと思われる。
敵は、「バットマン」であり「バードマン」であるマイケル・キートン演じる<ヴァルチャー>で、強烈パンチの<ショッカー>を従え、やはり大きな翼で空を飛び、スパイダーマンを苦しめる。
マイケル・キートンは、バットマンもそうだが、『パシフィック・ハイツ』などでサイコ野郎を演じていたので、なんか狂った役をやらせると絶品だ^^
正直、登場人物のほとんどが個性的で、多くの中の少数ならばそれが分かると言うものだが、なかなか、そのコメディ的な要素を消化しきれないのだが、まあ、途中からなれるかな?
スパイダーマンの正ヒロインのMJの登場には、「おお、そういう出方・性格できたか!」とちょっと驚かされた!^^v
(2017/08/12)
(2017/08/12)