☆・・・よい映画でした。
河瀬監督の作品は、そのドキュメントタッチの中での物語構築、人物アップ多様による役者の内面の演技誘発と、いつも、私は感心させられている。
・・・主人公・美佐子は、視覚障碍者への映像作品音声ガイド作成の仕事をしている。
とある映画作品の作業を続けているが、モニターである視覚障碍者からの率直な意見にさらされている。
中でも、カメラマンでありながら、徐々に視力を失いつつある中森の主張は辛らつだった。
だが、美佐子と中森は、次第に知り合っていく。
美佐子の過去と現状、中森の過去と現状、お互いにそれらを知り関わり合っていく中で、それまでの生活では思いもよらなかった未来へと進んでいく。
美佐子が担当している作中作の映画作品の音声ガイドの作成の難しさの経過も描かれ、特に、そのクライマックスの表現は、この物語自体と作中作の中心で、こちらの興味を大きく惹きつける。
主演の水崎綾女は、いまいち売れないセクシーグラビアアイドルを続けて来たそうだ。
だが、ここにきての抜擢、アップに耐えられる美しさと、逃げられないカメラに充分に応える目の演技。
ああ、『進撃の巨人』にも出ていたよね。
ちゃんと個性を発揮していた。
永瀬正敏は、安定の「不器用な人物」の演技でした^^;
(2017/05/29)