☆・・・アカデミー賞候補と言うことで、かなり、厳しい目を向けて鑑賞したのだが、それでも面白かった。
いい作品だ。
二人の男女の出会いと成功と、ほろ苦い大人の結末の物語。
ミュージカルとしての統制が感じられない中、徐々に、ヒーロー、ヒロイン、ダンス、ミュージック、演技、ストーリーの個性が発揮されてきて、その個性の突出が、ジャズのセッションにも似て、次第に高度な位置で結びつく、とにらんでいた。
のだが、作り手は、その「予定調和」さえも許さず、最後まで微妙な雑多さを残していたような気がする。
それはアナログレコードの持つノイズの味わいにも似ているか……。
多くの、往年の名作への無意識のオマージュも感じられ、
オマージュではなく同時代性なのだけど、「ヱヴァンゲリヲン」でのパラレルワールド展開や、「まどか☆マギカ」の魔女シーン(劇団イヌカレーデザイン)さえも彷彿させてくれるのだった。
(2017/02/25)