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Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
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[カンボジア・・・、「ザッキー、涙のスイッチ」の巻]

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☆・・・私は、カンボジアに、大量のぬいぐるみや古着とともに、ランドセルを2つ持っていき、その送り主を探すのにちょいと手間取った話は書いた。
 実はザッキーも、今は成人している娘さんが使っていたランドセルを持ってきていた(下の写真に映っている^^)。

   

 ザッキーは娘が二人いるが、片方の子は、思い出としてランドセルを持っていたいとのことで、もう一人の娘の一つだけを持ってきていた。

 さて、我々は、トゥクトゥクのドライバーSokraの案内で、プノンバケンに近い「貧しい村」を訪ねた。

   


 そこでのことは、もうちょい後で書くが、
 私が、「この村は幼女ばかりだーッ!!^^v」と絶叫して喜び、周囲の者にたしなめられ、深呼吸して心を落ち着け、ふと、周囲を見ると、ザッキーが号泣していた。
 私は、「ああ、貧しくも けな気に生活している子供たちを見て泣いているのだな」と思った。
 しかし、後で聞くと、
 どうやら、「私は、この、娘との思い出のあるランドセルを、どの子かに渡したいけど、一人に選べない。迷っていると、娘たちとのこれまでの思い出が心によみがえり、涙が溢れてきた」とのこと・・・。
 この頃から、私は、自分の渡すランドセルの他に、このザッキーのランドセルもどうにかしないと、と考え始めた。

 翌日も、とある村(タ・ソム近郊)に赴いた。
 ここでは、満を持してムトゥさんのぬいぐるみの数々を配った。

  

 ムトゥさんから頂いたぬいぐるみは、オーストラリアの観光協会が、ムトゥさんのお店の販促に飾ってくれ的に送られたもので、オーストラリアの動物をリアルにかたどった出来のいいものだった。
「なんで、ここで配るぬいぐるみはいいものなんだッ!?」とSokraが笑いながら言った。
 私は、「ここは少年ばかりだな・・・チェッ!」と配りながら、ふと、ザッキーを見た。
 すると、目に涙が溜まっていた。
 あっ、やべ、ザッキー、スイッチが入ってる・・・!!
 もう、ザッキー、娘との思い出の詰まったランドセルを、誰か一人にあげることを選べないでいた・・・。

 ホテルに戻って、そのことについて話す
 が、そのことについて話すだけでも、目に涙がたまっている。
 スイッチがあああっ!
 ランドセルを胸に、あたかも、自分の赤ちゃんのごとく抱いている。
 もう、この私の赤ちゃんは誰にも渡さない、って感じ^^;
 日本に持って帰るとも言い始めた。
 私は、それは避けたかった。
 そのランドセル一つで、幼女が一人幸せになるのである。

 かくして、我々の下した結論は、トゥクトゥクのドライバーSokraに託すということだった。
 私は、Sokraとの別れの時に、ザッキーの意向を聞き、あんまし喋れない英語を駆使して説明するのだった。
 私の英語は、限りなくフランケンのような喋り方である。
「おれ、メアリー、好き、大事」みたいな・・・^^;

『この赤いバッグ(ランドセル)、この人(ザッキー)、いっぱい思い出、大事な赤いバッグ。これ、あなた(Sokra)、選ぶ、渡す人を。でも(but)、この赤いバッグ、大事、だから(so)、貧しい人、ダメ。両親が仕事持っている、子供も勉強やる気ある、でも、お金が不充分、その人に、この赤いバッグ、あなた、渡す、オッケー?』

 Sokraは真面目な顔で言った。
『このランドセルは、ザッキーさんにとって思い出の大事な品なのだね? で、俺がこれを預かり、適した子供に渡せばいいわけだね。その子供は、貧しい子ではなく、両親がしっかり働いていて、学校にも通っていて向上心のある、だけども、経済的に厳しい家庭の子供にあげればいいわけだね。オッケー、了解した! 預かろう!!』

 私は、「これでいいかな」とザッキーを見た。
 ザッキー、スイッチが入っていました・・・。

   

 ちなみに、ザッキーと、私の彼女はホテルで同室だった。
 夜中、あたかも、やや半睡状態のザッキーは、自分の娘と寝ているかのように、シーツのはだけていた彼女に、「ちゃんと身体に掛けていないと風邪ひくよッ!!」とシーツを掛けてくれたそうだ^^;

 また、若社長は、Sokraの優秀さに魅かれ、「俺、投資してもいいと思っている」と言っていた^^v

                                (2016/06/24)


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