☆観る前は、なんか不愉快な展開になりそうなので、気が気じゃなかったのだが、結果として、意外に普通の作品になっていて、見終えて、ホッとした。
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昨日、私の店の前の壁に若いお母さんが近寄ってきたので、私が窓から壁の下を覗くと、一歳半くらいの幼女がちょこんとしゃがんでいた。
すぐに、常連さんが持ってきてくれていた「ピカピカ光る天使の羽」をあげたら、両親に感謝されるも、そのチビちゃんは、まだ幼すぎて無表情であった。
今回の作品は、それに似た幼女が誘拐されて、ヒュー・ジャックマン演じる父親が、娘が発見されぬまま、証拠不十分で釈放された容疑者を監禁し、真相を吐かせ、娘を連れ戻そうとする物語。
並行して、ジェイク・ギレンホール演じる担当捜査官の捜査が描かれる。
ヒュージャックマンは、わりと演技派だし、ジェイク・ギレンホールは、ライアン・ゴズリングとアンディ・ガルシアを足して二で割ったようなイケメンで、両局面、なかなか面白い。
ヒューマンドラマ的な宣伝のされ方だが、そうは感じず、『チェンジリング』の域には到底到達できておらず、さりとて、『セブン』的な超サイコ犯罪ストーリーとしても甘い。
いくつもの、ミスリードの挿話が挟まるが、それがフェアなのか否かを判別するのも分からず、
本筋での「因縁」のつながりを、見る者に納得させる力も弱い。
だが、二時間半の長尺を、なかなか重々しく見せる監督の力量はあるようだ。
私は、真相が衝撃的だと聞いたので、最初に、主人公のライフルでの狩猟が描かれているので、全米反猟銃禁止団体組織の謀略だったり、もしくは、猟で鹿撃ちをさせられた息子の犯行だったりと奇矯なことを思ったのだが、
それとは違うが、なんとなく陳腐な結末でもあった。
なんとなく、「迷路」のイメージが、物語上、深くは思えたのだが・・・。
しかし、終わり方にはホッとした。
映画はこうでなくちゃ!!!
(2014/05/03)