☆どうも、予告編の、内宇宙を描いたが如き内容を、初っ端から肯定的に賛歌しているような雰囲気が気持ち悪く、見るのが嫌だったのだが、同じく公開した『ローンサバイバー』や『ワンチャンス』の時間が合わず、こちらを見た。
夢想家の主人公が、働いている「LIFE」誌編集部の方針が変わり、他の同僚ともども大量解雇される際に、最後の仕事かたがた、世界を冒険していく話。
思ったよりもコンパクトにまとまった作品で、無難に悪くなかった^^
落語で、前振りからいきなり、「おい、はっつぁんやー」と本題が始まるように、この物語は、現実の中に、いきなり、スムーズに主人公の妄想(男が普通に思う妄想よりも激しく冒険的)が連なり、粋に感じる落語に対し、この作品での当初の違和感は大きかった。
でも、まあ、ありか。
ちょっと余談なのだが、最近、「女に言えない男の秘密」とか言うタイトルの文章で、「男は、対面している女の裸を想像しているものだ」とか書いてあった。
私、自分をエロい男だとは思うが、生まれてこのかた、対面している女性を心の中で裸にしたことなど、一度たりともない・・・、デートを夢想することはあるけど、どうしても、そういった肉体関係は後回しになるなぁ。
話しを戻す^^;
主人公のウォルターも、私と同じく、そういった肉欲とは別の妄想を、かなり過剰だが、目の前の女性に抱く。
冴えないウォルターを、ベン・スティーラーが演じている。
「現実・現実・大妄想」と続く序盤が、
現実の大問題を契機に、「大現実・大現実・それを後押しする妄想」へと変化していき、
最終的に、「大現実・大現実・現実の、大現実に対するささやかな幸せ」へと結実していき、ウォルターが次第に男らしく変わっていく姿には、やはり感動するのだ。
脇役たちも、ウォルターの人生を彩るいいキャラ達ばかりであった。
片思いの恋人(クリステン・ウィグ)や、有名写真家(ショーン・ペン)もいいが、私は、ウォルターが登録していていて、声しか聞いたことのない出会い系サイトの管理人(パットン・オズワルト)との出会いが味わい深かったかな(ああ! 母親役でシャーリー・スピリチュアル・マクレーンも出ていた!)。
人の使い方もそうだが、キーとなる革財布やみかんケーキの手触りなんかも良く描けていた。
主人公が捜索の旅に出る「ネガ」のありかは、「青い鳥」的でもあった。
ところで、雑誌『LIFE』だが、この雑誌、昔に廃刊していると思っていた。
我が家には、この本があり(写真はネット上で拾った)、子供のころからパラパラ見ていたものだった。
(2014/03/22)