☆・・・面白かったです!
F1レースの世界を舞台にした、定番のともいえる、天才(ジェームス・ハント)と秀才(ニキ・ラウダ)のライバル関係の物語。
舞台は、1976年、グランプリは熾烈を極め、二人は「デッドヒート」を繰り広げていた。
ロン・ハワード監督はさすがにうまい、現実をモチーフにした物語を、淡々と「散文的」にエピソードを積み重ねていく。
この語り口はイーストウッドに近い。
「散文」という言葉は、文学上で劣った意味合いが付加されるが、私はそうではないと考えている。
散文に次ぐ散文を広げたとき、一つの散文は「一つのドット」となり、その集積は大いなる「文学上の画像」を形成すると思うのだ。
心地よく見ていった果てに、とことんまで戦った二人の、ライバルとしての戦いの輝きの失った後、世の中になお存在しての関係というのは、実に寂しく、「散文」とは言えない文学的な深みが感じられた。
(2014/02/03)