☆・・・『ジャッジ!』
今年最初の傑作でした。
最近、視聴率的にジリ貧のフジテレビの制作だが、いい意味でのバラエティっぽさを底力で出し切った作品だろう。
気持ちよく笑い続けられた。
映画館でのチラシを見た限りでは、なんか内容が読めなかったのだが、夢を持ちつつも、恋も仕事もうまくいかない広告代理店の主人公が、上司の尻拭いで、国際CMコンテストにおいて、クライアントの駄作CMを入賞させようと奮闘する物語。
とにかく、全てのキャラや設定が取りこぼしなく活きていて、伏線回収が繰り返されるが嫌味がない。
英語さえ喋れないのにCMコンテストの審査員にならなくちゃならない主人公(妻夫木聡)は、かつての参加経験者に教えを乞いにい行く。
そこでは、閑職にある胡散臭いし、本当にちょっと臭い上司(リリー・フランキー)が、「ペン回し」「カマキリ拳ポーズ」を伝授され、「おたくグッズ」「書籍『美味しい食事にありつくために』」などを手渡されるのだが、
それがもう、『007:ロシアより愛をこめて』での、Qの渡してくれた秘密兵器のアタッシュケースのグッズのごとく、絶妙に作用する。
しかし、その効果が薄れたクライマックス、主人公を主人公せしめる戦いが始まるのだ。
コンテストの審査会議のキャラも、それぞれ素晴らしく、エピローグで繰り返された別れも、カーテンコールのように素晴らしい。
その人数は12人、これ、『12人の怒れる男』を意識していよう。
主人公が、他者の気持ちを徐々に掴んでいくのだ。
また、・・・(ここで、もう一つ、別の作品を引き合いに出して語るつもりだったのだが、こうして書いていて、ど忘れしてしまった。後から思い出したら、書き加える)
・・・待ってね・・・
・・・出てくる女優陣だが、これもまた極上に美しい鈴木京香だが、それ以外が、北川景子をはじめとして、広告業界を舞台にしているせいか、なんともバブル時代のような「イイ女」ばかりで、
主人公の合コン相手たちやら、同僚たちやら、私など相手にしてくれないような女ばかりだった。
特に、いつも、主人公の上司に寡黙に付き添いセクハラを甘んじて受ける秘書が良かった。
この玄里は、韓国人だそうだが、役柄で冴えていた。
◇
・・・『大脱走』
今年最初の駄作でした。
なーんか全てがいい加減に作られていました。
スタローン・・・、役者引退まで語っていたんだから、スタローンなりに脚本を吟味してくれよ。
途中で寝てしまって、でも、話が通じていたから、その時間は何だったんだろう・・・。
シュワルツェネッガーの大根振りはしかし、酷いもんだな、最後にマシンガンを持つときに、作り手側が「どうだ、みんなが待っていたシーンだぞ」とばかりにスローモーションになるのだが、そんな、シュワちゃんのセルフパロディみたいのは、お祭り映画の『エクスペンダブルス2』だから許されたんだぞ・・・。
あ〜ぁ、スタローン監獄物として、「漢囚SM物」として名高い『ロックアップ』でも見直すが得策だろう。
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(2014/01/13)