☆先の大震災・・・、大きな、壊滅的な被害を受けた釜石の、とある一つの遺体安置所を舞台にした、多くの関係者を主人公とする、ちょっとした「グランドホテル」形式の物語だ。
かなり強烈な展開を恐れ、私、見るのを躊躇していた。
が、それは杞憂だった。
続々と運ばれてくる遺体を前にして、西田敏行演じる、既にリタイアした身だが、かつては葬儀屋でも働いた経験もある老ボランティアが、
死者を、あくまでも「感情を表現できなくも、心ある人」として接する姿を見ると、なんちゅうか、現世のレベルとは別の、もっと大きな「生」というものを感じさせてくれて、少し、心が、温まってくる気もするのだ。
どのような悲惨な状況の中でも、アクション一つで、世界に光明が差してくることがわかるのだ。
しかし、やはり、現実は凄惨で、その厳しさを、私は、この作品での「泥の描き方」で感じさせられた。
体育館に敷き詰められた青いシートに流れ出ている泥水・・・、運ばれてくる遺体から滴る泥のしずく・・・、その顔に張り付いた泥・・・、関係者の衣服を徐々に汚していく泥・・・。
その泥を、人々が、少しづつ、少しづつ、払いのけていく様こそが、未来への一歩一歩なんだと分かる。
いい作品でしたし、震災後二年を経ようとしている現在、「あの時期」を見つめ返す、いい機会の作品だと思う。
(2013/02/27)
かなり強烈な展開を恐れ、私、見るのを躊躇していた。
が、それは杞憂だった。
続々と運ばれてくる遺体を前にして、西田敏行演じる、既にリタイアした身だが、かつては葬儀屋でも働いた経験もある老ボランティアが、
死者を、あくまでも「感情を表現できなくも、心ある人」として接する姿を見ると、なんちゅうか、現世のレベルとは別の、もっと大きな「生」というものを感じさせてくれて、少し、心が、温まってくる気もするのだ。
どのような悲惨な状況の中でも、アクション一つで、世界に光明が差してくることがわかるのだ。
しかし、やはり、現実は凄惨で、その厳しさを、私は、この作品での「泥の描き方」で感じさせられた。
体育館に敷き詰められた青いシートに流れ出ている泥水・・・、運ばれてくる遺体から滴る泥のしずく・・・、その顔に張り付いた泥・・・、関係者の衣服を徐々に汚していく泥・・・。
その泥を、人々が、少しづつ、少しづつ、払いのけていく様こそが、未来への一歩一歩なんだと分かる。
いい作品でしたし、震災後二年を経ようとしている現在、「あの時期」を見つめ返す、いい機会の作品だと思う。
(2013/02/27)