☆・・・これは、非の打ちどころの無い傑作ですな。
二時間四十分、真実に裏打ちされた硬質の物語を堪能した。
女監督 キャスリン・ビグローの、デビュー当時から変わらない執拗さが、完璧な形で表出しました。
凄い!
ちなみに、私は、反原発運動などの、安売りの「真実」に食傷し、「事実」を重んじる者であるが、
ここでは「真実」をいい意味で使っている。
正直、ドキュメントでも恣意的な演出が可能なので、ドラマ仕立ての、アメリカにとって「忌むべきビンラディンを捜し求める」物語の、どこまでが「事実」かは分からないので、「真実」としている。
ブラックアウトしている画面の中、コラージュしている「9・11テロ」の渦中にある人々の音声だけが聞こえる。
日本人の多くも、あの大事件を知っている。
脳裏に、あのヴィジュアルが甦る。
人の心のスクリーンほど大きな画面はない。
それで、この作品のただならぬスケールが分かり、
それを捜査するCIAの情報局員たちの、微妙な「人間の感情」を読みとる細部の動きとで、異常なサスペンスがエンディングまで続く。
正直、この作品のクールさは、キューブリック作品を遥かに凌駕している。
キャスリン・ビグローって凄い!
女って、凄い! と思った。
主人公であるCIA分析官・マヤ(ジェシカ・チャステイン)は、ややギスギスしているが、可愛さの残る若さ。
日本で、このようなキャスティングをしたら、それだけで作品がチャチクなっちゃうんだろうな・・・。
マヤは、捕虜の拷問による情報収集にも、苦手さを隠しもしないで、でも、必要なこととし、ひたすらに、ビンラディンに迫っていく。
自分の確信の捜査、動かない上層部にヒステリックさを隠さないところなどで、人間的な欠点も表わしつつ、
自分の結論の正しさだけは、後になって分かるのみ。
状況証拠と推理と自信で、透明の存在であるビンラディンを追う。
追い求めたビンラディンとマヤの初対面は、そのまま映画のエンディングでもあり、ビンラディンはもはや死体でしかなかった。
使命を終えて、帰国の途につくマヤの頬を伝う涙の意味には虚しさもあろう。
(2013/02/18)
二時間四十分、真実に裏打ちされた硬質の物語を堪能した。
女監督 キャスリン・ビグローの、デビュー当時から変わらない執拗さが、完璧な形で表出しました。
凄い!
ちなみに、私は、反原発運動などの、安売りの「真実」に食傷し、「事実」を重んじる者であるが、
ここでは「真実」をいい意味で使っている。
正直、ドキュメントでも恣意的な演出が可能なので、ドラマ仕立ての、アメリカにとって「忌むべきビンラディンを捜し求める」物語の、どこまでが「事実」かは分からないので、「真実」としている。
ブラックアウトしている画面の中、コラージュしている「9・11テロ」の渦中にある人々の音声だけが聞こえる。
日本人の多くも、あの大事件を知っている。
脳裏に、あのヴィジュアルが甦る。
人の心のスクリーンほど大きな画面はない。
それで、この作品のただならぬスケールが分かり、
それを捜査するCIAの情報局員たちの、微妙な「人間の感情」を読みとる細部の動きとで、異常なサスペンスがエンディングまで続く。
正直、この作品のクールさは、キューブリック作品を遥かに凌駕している。
キャスリン・ビグローって凄い!
女って、凄い! と思った。
主人公であるCIA分析官・マヤ(ジェシカ・チャステイン)は、ややギスギスしているが、可愛さの残る若さ。
日本で、このようなキャスティングをしたら、それだけで作品がチャチクなっちゃうんだろうな・・・。
マヤは、捕虜の拷問による情報収集にも、苦手さを隠しもしないで、でも、必要なこととし、ひたすらに、ビンラディンに迫っていく。
自分の確信の捜査、動かない上層部にヒステリックさを隠さないところなどで、人間的な欠点も表わしつつ、
自分の結論の正しさだけは、後になって分かるのみ。
状況証拠と推理と自信で、透明の存在であるビンラディンを追う。
追い求めたビンラディンとマヤの初対面は、そのまま映画のエンディングでもあり、ビンラディンはもはや死体でしかなかった。
使命を終えて、帰国の途につくマヤの頬を伝う涙の意味には虚しさもあろう。
(2013/02/18)