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Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
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[映画『007 スカイフォール』を観た]

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☆これ、かなりの傑作でした。

 が、これは、「007」シリーズではないな。

 思えば、ダニエル・クレイグが主演した近作3作品は、出来はすこぶる良いが、私にとっては番外編的な意味合いが濃い。

 私にとって…、と言うか、私の年代にとってのジェームス・ボンドは、映画館ではロジャー・ムーア、テレビ放送ではショーン・コネリーと言うのが、血肉となってしまっていると思う(コネリーの『ネバーセイ・ネバーアゲイン』は映画館で見たけど)。

 ジョージ・レーゼンビーの影はもともと薄いが、ティモシー・ダルトン辺りで夢中になる時期は過ぎてしまった(ああ、ピアース・ブロスナンが話の流れに入れられない^^; あっ、ピーター・セラーズもあった!)。

 私にとっての「バットマン」が、ティム・バートン版であることで、クリストファー・ノーラン版が認めがたいのと少し似ている。

 しかし、バットマンというマンガチックな存在がリアルに描かれても、なんか釈然としなかったものがあるのに対し、

 ダニエル・クレイグの007・・・、その現代的な登場人物の描き込みには、思わず夢中にさせられる。

 また、今回は、サム・メンデスと言うアカデミー賞監督が指揮を取り、そのタイトルバックからして、フィンチャー張りのスタイリッシュさを醸し、

 また、タイトルの「スカイフォール」に、テーマ的にも物理的にも、印象付けとしても、何重にも意味を付加させていて、なんか格調高い作品になっていた。

 元々、何ヶ国かを舞台にするのが「007」シリーズであるが、冒頭、アバンタイトルのトルコ編からして、その国の隅々まで楽しませてくれる縦横無尽なアクションが炸裂する。

 上海・マカオ・軍艦島(だよね?^^)、それぞれでパワフルなアクションがあり、

 それぞれで、暗殺者の手口や、コモドドラゴンに食われる用心棒、奇矯な黒幕の姿など、いかにも「007」らしくケレンをもって見せてくれる。

 いちお、カジノのバーでは、ドライマティーニを忘れていない。

 今回の敵役シルヴァは、ハビエル・バルデムと言う、私の知らない役者が演じていたのだが、底知れない計算高さと、屈折した狂気を宿していて、素晴らしい敵役だった。

 ただ、シルヴァによって、軍艦島で命を落とすことになったボンドガールは可哀そうだったなあ。

  …このシーンはなかった^^;

 シルヴァは、ジェームス・ボンドが属するMI6に追い込みを掛けていくのだが、なんか、レクター博士のように囚われて、かつての上司Mと対面するシーンなど、それまでの「007」にはない変格展開だった。

  
   …今回の真のボンドガール「M」です。キスシーンもあったし(第23回高松宮殿下記念世界文化賞の受賞者)。

 いや、そもそも、MI6本部はおろか、そこへのサイバーテロや爆弾テロが問題視されて、議会からの査問を受けている場所にまで襲撃してくる敵なんていなかった。

 ましてや、ジェームス・ボンドがMを引きつれ、アイルランドの自分の実家まで逃走していく展開など、変格の極みだ。

 ここでは、ボンドの過去が垣間見られ、なんとなく、クリストファー・ノーラン的な、メンデス監督の、作品の主人公へのこだわりが感じられた。

 いやはや、今回のボンドは、もはやロートル扱いで、体力・技術力的にも、かなり追い詰められているんですよ。

 だが、その逃亡先にも、シルヴァの一党の追跡があり、山間の荒野の一大邸宅を舞台にした決闘の図など、もうほんと、全く「007」らしくないのだが、西部劇として非常に燃える!!

 また、今回から、こりゃ、女性に異常な人気を得そうな、MI6の開発担当局の新「Q」が登場する。

   

 それから、最後に、「007」シリーズに欠かせない役柄の、とある役目の人物が、ダニエル・クレイグの主演作品シリーズに初登場する(ジョーズじゃないよ^^)。

 これもまた、ノーラン版「バットマン」の三部作の最後にロビンが登場するのと似ている。

  …この子の本名に、古いファンは感涙!

 アストン・マーチンも活躍するし、シリーズへのオマージュもけして忘れていない好作品であった。

 また観たい^^

                                           (2012/12/01)

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