Quantcast
Channel: 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3482

[小説『ジョジョの奇妙な冒険 <The Planet Of Carz> ≪14≫』]

$
0
0
☆  『ジョジョの奇妙な冒険 <The Planet Of Carz> ≪14≫』

     ▽平行世界のルール(その1)

 ロッキューとタケモト技師の会話を聞いていたジャクソン船長が、口を挟んだ。

「おいおい、ちょっと、タケモトのスタンド<オクトパス・ガーデン>について、ちゃんと聞かせてくれないか。知らなかった話もあるぞ」

「あ、ああ・・・」とロッキューの囁く声。

 先ほどから、作戦開始宙域に到着しており、デリンジャー(イエローサブマリン)号の推進装置は停止・待機状態であり、ロッキューの小さな呟き声も聞こえたのだ。

「僕から話します」とタケモト。「僕の能力が、気軽に八つのパラレルワールドを行き来できる能力であるのは先ほど話しました。それはもう、思っただけで、自在に多元世界を行き来できます。ただ、向こう(他の平行世界)に行けば・・・、そうですね、僕が向こうに行けば、僕の分だけ、こちらの世界の存在(質量)がなくなります。こちらの世界は、それを補給しようと、僕が行った世界から、僕の分の『存在』を引き寄せてしまうのです。それに限りませんが、僕の代わりに、異世界の僕が代わりに、こちらに出現するというのは自然な解釈です。この等価交換のルールは、僕でも把握しきれていないのですが、先ほど、ジャクソン船長の煙草と葉巻を交換できたことからもわかるように、等価交換の解釈にも幅があります」

「ふーむ」と、ジャクソンは、手元をマジマジと見つめつつ、煙草に火を点けた。

「さすがに、死ぬと分かっていて、異世界の自分をこちらに呼ぶのは抵抗があります」

「自分の代わりに、異世界の自分が来るというのは、君は事実として分かっているのか?」

「はい、おそらく・・・。私が行った先の世界では、変な言い方ですが、私のほかに私はいなくなり、入れ替わりでこちらに来ているようなのです。なお、八つの世界の一つでは、私は、子供の頃に病気で死んでおります」

「ふーむ。その、君が既に死んでいる世界では、君の代わりに、誰が・何が、引き換えに送られてきたのかね?」

「わかりません。スタンドと言うのは、その使用においては、かなり個人的なものですからね。個人では調べがつきません」

「それについては・・・」とロッキューが割り込んできた。「我が財団で、多少の調べはついている」

「ほお、それは聞いてみたいね」と、ジャクソンはタバコの煙を吐くのだった・・・。

   ◇

 短くて、すいません。

 でも、着実に前進しておりますゾ!!^^

                                         (2012/11/09)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3482

Trending Articles