☆・・・俺、午前中は小説を書いてネットで発表、小銭を稼ぐ毎日だが、こんな面白い話があると、そっちを書くの優先しなくちゃならん^^;
▼M子さんは名前の通り「M」気質。
知り合う人は「S」気質が多いのかと思いきや、「S」気質と言う「変質者」を通り越して、知り合う人 知り合う人「狂人」の域に達している。
M子さんの昔からの知り合いにKさんがいて、Kさんは狂っているので、M子さんがどこに飲みに連れていっても、その場所場所で嫌われ、次第に行くトコがなくなる。
M子さんは、連れていく飲み屋がなくなり、やむなく、基本 上品なお客さんばかりが揃う、私の店に連れてきた。
五年ほど前のことだ。
私が文学部を出て良かったと思うのは、文学的見地から見て、「善良な第三者に害を及ぼすだろう狂人を判別し、すぐに店から除外する」と言う能力を持っていることに尽きる。
だが、偏見はない、ある程度 人物を天秤に掛けてゆっくりと判別する。
Kさんは、すぐに「超俗物」と分かった。
金持ちのようだが、小銭に執着し、医療関係者に憧れがあり、あるいはスチュワーデスと見るやすり寄る。
実家の余った土地で作った野菜を、通う店に持ってきて、それを調理させたり、その見返りのサービスを求めたりして、つまり、「自分は店に負荷をかけられる人間なんだ、特別なお客さん」として、斜視の目を歪ませて悦に浸るタイプ。
うちの店にも同じことをして、でも、私は特別扱いしないので、さぞかし、やきもきしたことだろう。
うちの店の常連だった看護婦さんにKさんは告白し、その看護婦さんに俺は「あんな俗物はやめた方がいい、すぐにその正体が知れる」と言ったのだが、看護婦さん「私を恋愛対象として見て、声をかけてくれた人は、あの人以外にいなかったから」とつきあい始めてしまったりした。
その後、Kさんは二週間2回連続「明日、8人のお医者さんと行くから席を取っておいて」の虚言予約を繰り返し、うちの店から追放(出禁)される(ドタキャンでさえなく、断りの連絡がシラーッとないのだ)。
まあ、Kさんの性根を熟知していたので、電話での予約を断りつつも、すぐに来店の客を受け入れていたので、うちの店にダメージはなかった。
また、なお、その看護婦さんとはすぐに破局。
そんなKさんと、M子さんがいまだにちょくちょく会っているのが、M子さんの「M」たる所以だろう。
▼昨日、M子さんが来店、「このラインを見てよ、もう、Kさんの狂いっぷりが頂点に達したわよ!」とのこと。
俺、「これまた、M子さんが強烈なネタを引っ提げてきてくれましたよ!」と、よだれを垂らさんばかりに興奮した。
もーう、一文節ごとに「俗物」全開!
K・『さっちゃんのクルーから連絡がありまして、メディチ(仮名、小田原の超高級イタリアン)に興味あるとのこと。もし、3.4人でデイナー行くと何かサービスありますか? わざわざ品川‐小田原 新幹線往復旅費が6000円も掛かるので何も出ないなら東京で済ませると。とにかくプライド高く、扱いにくい女達なんだわ。鰻道楽(仮名、国立の超有名うなぎ屋)出禁になったし。俺が良く行くイタリアンは、2本目赤ワインは、サービスで出してくれます。立川鶏酉本店(仮名)も!』
・・・「さっちゃん」はCAだそうだが、「さっちゃんのクルー」ってなんだよ!? 同僚ってことか? そこで、その言葉を使う俗物さ! 「デイナー」? 「プライド高く、扱いにくい女」? …自慢? 鰻道楽の出禁って、あんな名店の大将、誰が怒らせられるのか…。立川鶏酉本店も困っているんだろうな。
さすがに、自分が被害に遭うのならまだしも、こんな狂人を、セレブなメディチに紹介できない、M子さん、やんわりと断わる。
すると…。
K・『えーっ、メディチ(仮名、小田原の超高級イタリアン)、知り合いじゃないのー? 俺が鰻道楽(仮名、国立の超有名うなぎ屋)行くと、必ず往復JR代500円引いてくれるけどなぁ。さっちゃんが鰻道楽に、「羽田からわざわざ来たのにサービスがビール一本だけ?」と前川(仮名、鰻道楽の大将の名前、呼び捨て!)に言ったんだよ。そしたら、前川、「うちはCAでも掃除婦でも同等だから!」ってブチ切れ! 立川鶏酉本店、国内線CAが来店してくれて嬉しいと言ってサービスしてくれるけど、まあ、店主さんの考え方次第だからね。上品なCAがいれば、目当ての男性客が増える相乗効果もあるんだけどね。メディチには、小田原に行ったら寄ります』
もう、身の毛のよだつ「厚かましい文章」。てか、文章から読み取れる、そのスチュワーデスの下品さたるや! いや、そのCAのものとされる言動は全て、Kさん自身のものなんだろうけどね。
俺はげんなりしつつ、そのネタとしての完成度の高さに快哉!
いや、M子さんが既読スルーしたら、その後のKさんからのラインも凄いんだけど、字数制限あるので割愛!
(2022/02/05)
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