☆・・・《今年 観た映画(16)》
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108作目・『ロン 僕のポンコツ・ボット』・・・4.0
人ひとりにスマホロボットが一台、それがあたり前の時代のお話。
最近のディズニーは、「友情」をテーマにしても、子供騙しではない深度で語っていく。
まあ、それはあなたが観て、掘り下げ具合を感じて欲しい。
・・・途中で、欠陥ロボット・ロンが、主人公を自己犠牲によって助け、もう、このオチはないんだな、と、思いきや・・・。
インストールの途中で通信が切れ、「A(あ行?)」の知識だけはやたらあるロンの、繰り返されるギャグが冴えていた。
109・『CUBE 一度入ったら、最後』・・・3.0
キューブ状の見知らぬ部屋で目覚めた男女ら・・・。
部屋は前後左右上下に無数に連なっており、脱出には、各種の死の罠への対応をしていくことになる。
つまらなくはないが、不条理劇でもあり、あまり感情移入はしにくい。
岡田将生は、こんな役ばっかになってきたなぁ(^_^;)
しかし、この映画、キャストには金がかかっているけど、セットは個室一つで充分、色を変えて、部屋の繋がりを編集すれば、安上がりだね!
110・『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章:TAKE OFF』・・・4.0
リメイクシリーズの憎まれ役・芹沢副長官が、これまでを回顧するオープニングがいいなぁ。
あなたの現実主義も正しいのよ(^.^)
・・・つかの間の平和、新クルーで航海するヤマト・・・、艦内刷新、新鮮、と言うか青い!
民族の生き残りを賭け宇宙を奔走するガミラス艦隊・・・、デスラーがカッコいい!
リメイク版のスターシアは銀河一の美しさで、後編では、その美しさが貶められそうで、性的にゾクゾク(^_^;)
私は、旧「ヤマト」の、都市帝国と自動惑星ゴルバ (波動砲的デスラー砲を弾いた衝撃!!)がデザイン的に大好きだったのだが、一瞬だけ、今回の前編に登場したゴルバ、都市帝国に続いて改悪されてそうな予感。
111・『PITY ある不幸な男』・・・2.5
作品としての出来はいいのだが、不愉快な作品。
不慮の事故で奥さんが昏睡状態にある弁護士の男。
病院の妻を想いつつ、息子と慎ましく悔恨の日々を送っている。
周囲の者は、そんな男に、憐れみと同情を向ける。
なーんか、妙なテンポを話は刻む。
その不安定感の意味が最初は分からない
ただ、誰かから憐憫の情を向けられた時、怒涛のBGMが流れる。
無表情の主人公だが、その内面の激しさを音楽が表わすのか・・・?
これって、コロナ恐怖症や放射能ヒステリーの人たちみたいだ、それを恐れ、悲しみ、・・・いつしか求め、乞い焦がれるようになってしまっているのだ。
つまり、主人公は、不幸な妻を持ち、その悲劇への、周囲の者からの同情に、たまらない愉悦を感じるようになってしまっていたのだ。
112・『神在月のこども』・・・2.0
韋駄天神だった、亡き母親の意思を継ぎ、出雲大社に神々への供物を送り届けようとする少女の物語。
うーむ、ファンタジーとしては薄く、さりとて、八百万の神々を描くと、どうしても、そこに、現代的な読解をした時の整合性の欠落があり、それを素直に踏襲すると、何とも言えない、幸福の科学のアニメでも見ているかのような居心地の悪さを感じるのだった・・・。
113・『DUNE 砂の惑星』・・・4.0
ドゥニ・ヴィルヌーブ監督が天才であることは分かる。
が、私は、この作品を見て、限られた条件の中で35年前に「砂の惑星」を撮った#デビッドリンチ の手腕にこそ、あらためて感心した。
原作をなぞっただけではなく、リンチ監督らしさが狂気としてちゃんと盛り込まれ、今回のヴィルヌーブらしさよりも上をいっていた。
原作にはなく、ヴィルヌーブ監督がリンチ版を踏襲した部分もあろう。
・・・この作品では、砂の惑星の統治を追われた王子と母親が逃避行するのだが、普通ならば、母親の役割は、新鋭の若手役者が演じるであろう ヒロインが活躍するべきところだろう。
だが、母子なので、そこに、なんか妙な雰囲気が漂う。
美しい母親は、着替える王子の背を見つめたりしている。
114・『燃えよ剣』・・・4.5
司馬遼太郎原作の土方歳三の一代記!
五稜郭で土方歳三が死んで100年後が、私の生まれた年。
そんな偶然が嬉しくなるほどに、魅力的な主人公だった。
司馬原作らしく、誰かを悪者にせにゃあ気が済まないので、この作品では徳川慶喜がその役を担い、演じている山田裕貴の演技がうまくて、ヤバさが際立っていた。
私は「公武合体」ってのが合理的だと思っているのだが、それで進んでいたら、内戦は避けられても、日露戦争で完敗していたでしょう、歴史は遅かれ早かれの盛者必衰…。
115・『キャンディマン』・・・2.5
アメリカの都市伝説型ホラー。
子供と接するキャンディマンを、魔界への入り口にしているのが、ピエロの「IT」みたいだ。
監督は、わりとスタイリッシュな作品作りをしているが、いまいちパンチに欠けた話であった。
同じ、近現代の都市伝説として育まれた物語なれど、韓国の「整形水」や、日本の「残穢」などと見比べてみると、それぞれの国の性格がわかって面白いゾ。
(2021/10/24)
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